2008年12月19日、「アクトビラ」上にAVファン待望のサービス「アクトビラ ビデオ・ダウンロード」がスタートした。現在のところ、(株)ツタヤオンラインが提供する「TSUTAYA TV」で、そのサービスを利用することができる。

「アクトビラ ビデオ・ダウンロード」はその名称の通り、映像コンテンツを対応機器のHDDにダウンロードし、再生するサービス。ネットワークの実効速度が遅くても、時間をかければ確実にコンテンツの視聴が可能になる。またダウンロード型サービスは、アクトビラ ビデオ・フルに比べ、より高いビットレートで配信できるのも特徴だ。

12月19日、「アクトビラ ビデオ・ダウンロード」サービスがスタートした

ダウンロード型サービスの映像はMPEG-4 AVC/H.264で、解像度1920×1080i、ビットレートは最高20Mbps。通常の場合、平均10Mbps程度のVBRで配信されている。これまでのアクトビラ ビデオ・フルに比べ、およそ2倍程度の情報量で配信されており、画質がさらに向上した。

サービスは、ダウンロードしてから48時間〜72時間内に限って視聴が可能な「アクトビラビデオ・ダウンロードレンタル」と、コンテンツそのものを購入できる「アクトビラビデオ・セルスルー」の2種類のサービスが用意される。

セルスルーで購入したコンテンツは、いったんテレビやレコーダーのHDDに蓄積されるが、そこから様々なメディアにダビングすることができる。たとえば2時間の映画をダウンロードした場合、ビットレートにもよるが、容量は10〜20GB程度になる。HDDの容量を圧迫しないためにも、ダウンロードしたコンテンツはこまめにダビングをすることが望ましい。

ダビングを行う際、おすすめしたいメディアがマクセルの「iV」だ。くわしくは以下の一条氏による解説記事をご覧いただきたいが、現行ラインナップでは最大250GBのメディアがラインナップされており、数多くのダウンロードタイトルを1つのメディアにアーカイブできる。「アクトビラ ビデオ・ダウンロード」ではテレビシリーズの「ハーフシーズンパック」や「フルシーズンパック」なども用意されているので、シリーズをまるごと1つのメディアに収める、などという使い方も可能となる。

マクセルの「iV」が使用でき、かつ「アクトビラ ビデオ・ダウンロード」にも対応する薄型テレビには、日立のWooo UT770シリーズがある。iVとWooo UT770シリーズの組み合わせで、高画質動画ダウンロードサービスを堪能してみてはいかがだろうか。

ここからは、リムーバブルHDD「iV」の魅力について一条真人氏に解説してもらおう。(PHILE WEB編集部)

 

iVはハードディスクにハイビジョン録画を記録できるリムーバブルメディアであり、その特徴として、小型であること、著作権保護機能を持っていることなどが挙げられる。これらについて、説明していこう。

一般的なデスクトップパソコンで使われるハードディスクのサイズは3.5インチだが、iVではノートパソコンでよく使われる、より小型な2.5インチサイズのハードディスクを使用している。そのため、そのカートリッジのサイズは80mm×110mm×12.7mmとごくコンパクトになっている。

iVの内部構造。カートリッジにはガラス繊維を配合したプラスチックを採用し、耐衝撃性や耐熱性を高めている

著作権保護機能については「SAFIA(サファイア)」という著作権保護機能を搭載している。これはDpa(社団法人デジタル放送推進協会)にも認定された規格であり、デジタル放送を録画可能な、初めてのリムーバブルハードディスクユニットなのだ。

また、耐衝撃性については、ポケットや机から落としてしまった場合を想定し、1mの高さから落下しても問題ないように設計がされているとのことだ。ハードディスクは衝撃に弱いのが一般的だが、これなら家庭で安心して使うことができる。

 
シャーシは異物の侵入を防ぐ密閉構造を採用。内部の空気を清浄化する循環フィルターも設けられ、信頼性を高めている   落下などによる衝撃を吸収するアンチショックフレームを採用している

iVにはブルーレイと比較した場合、いくつものメリットがある。まずはその大容量による省スペース性だ。iVは現時点で最大で250GBという容量を持つが、これは1層のブルーレイディスク(25GB)の実に10倍にもなる。iVカセットの容積はブルーレイの一般的な10ミリケースとそれほど大きな差はない。同程度の容積で10倍の容量があることになり、最大で約10倍もの省スペース性を持っていることになる。

 
250GBの「M-VDRS250G.A」   120GBの「M-VDR120G.A」

さらに、ハードディスクだけにダビング速度が速い。250GBのユニットの場合、データ転送速度は665Mbpsとなる。一般的な2倍速のブルーレイ(72Mbps)と比較すると約9倍程度高速になる。

そして、簡単に取り外し、整理して保管ができる大容量メディアであるため、使い勝手の上でもさまざまなメリットがある。たとえば、家族一人一人がそれぞれiVカセットを持つことで、パーソナルな録画ライブラリーを作ることができる。カセットの色は現在はホワイトのみだが、「将来的にはカラーバリエーション展開を考えている」とのことなので、近い将来に、自分の好みによって色を選べるようになりそうだ。

そして、今後iV対応の再生環境が広がれば、どこでも持ち運んで再生することができる。リビングで見られなければ、自室で見るというように、場所にしばられない活用ができるわけだ。また、通常のハードディスクレコーダーでは内蔵ハードディスク以上の容量を録画できないが、iVであればカセットを交換することで、いくらでも容量を拡張することができる。このようにiVはブルーレイと比較しても、さまざまな利点を持っていることになる。
Woooでは、iVポケットは本体のサイドやチューナー部などに設けられている
このiVによるソリューションはまだ始まったばかりであり、今後、さまざまなかたちに発展する可能性を秘めている。まずiVカセット自体の容量に関しては、来年には320GB、2010年には500GBと大容量なカセットが発売される予定になっている。価格も低下し、GB当たりの単価も下がることでお買い得感も増し、より購入しやすくなることと思われる。

また、著作権保護機能を搭載していることにより、コンテンツ配信業者が、ブロードバンド回線を使ったコンテンツ配信に利用することも可能だ。iVを使って、コンビニやキオスクの端末でハイビジョンコンテンツが購入できる日も来るかも知れない。

現在、iVに対応した録画・再生機器には、日立のiVポケット付き薄型テレビ“Wooo"や、iVポケット搭載の地デジチューナーユニット「IV-R1000」などがあるが、今後も対応プラットフォームは拡充されていく予定だ。(一条真人)
マクセル ウェブサイト
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