BD録画の未来を拓くザッツの有機「BD-R LTH TYPE」誕生

高品位記録にこだわるザッツの有機BD-R

ハイビジョン録画ライフの普及拡大に高まる期待


新たな記録メディアであるBD-R LTH TYPEは、レコーダーやプレーヤーでのコンパチビリティー(互換性)も検証の対象となるが、現在、2007年末以降に登場したBDレコーダーは全て対応している。またBDプレーヤーではPLAYSTATION3が対応を実現するなど、現在でも着々と擦り合わせが進行している。2007年末以前のレコーダーでは、メーカーにより対応が異なるが、可能な限り対応していく方向で検討されているようだ。


BD録画部門にBD-R LTH TYPEが新しく登場したことにより、ハイビジョン録画にもさらに幅広い展開が期待できる。我々ユーザーが最も期待したい点は、メディアの手頃な価格設定にあろう。現段階ではハードウェアの普及や需要とのバランスにより、無機系BD-Rに近い価格設定だが、将来、生産量と需要が増加すれば、ユーザーが親しみやすい価格設定を実現するであろうことは疑う余地もない。

▲(株)スタート・ラボより発売された、ザッツのBD-R LTH TYPEディスク。単品パッケージの「BR-V25WTY」と、5枚組の「BR-V25WTY5P」がラインナップする。ディスクの記録面側には独自技術による、キズ・ヨゴレ・ホコリに強い高信頼のハードコート処理が施されている。(写真はクリックで拡大します)

BDディスクは読み取り面から0.1mmに記録層を配し、大容量記録を実現しているが、基板の中央部に記録層を置くDVDに比べて、機械的な強度を心配する向きもあるかもしれない。そのためにBDメディアには保護層を設けることが規格の中に盛り込まれている。ザッツのBD-R LTH TYPEでは、DVD-Rの“トリブルガード”シリーズで実証されている優れたコーティング技術が採用されていることも、ユーザーが安心して使うことのできる要素となるだろう。


ハイビジョン録画に充実のパフォーマンスを発揮するザッツのBD-R LTH TYPE


ザッツのBD-R LTH TYPEは、これまでハイビジョン録画に使われてきた無機系BD-Rと全く変わらない使用感で用いることができる。画質においては、BSハイビジョン番組の録画は晴れやかな映像感で、同社のDVDディスクと同じ、潤いのある画質・色調に特徴がみられる。注目のMPEG-4 AVC/H.264での録画でも、メリハリの効いた爽快な画質で、視覚的にも明瞭度が高い。再生音も聴感的な厚さと快いふくらみがあり響きも豊か。ディスクの取り扱いや保存法は現行のBDメディアと変らないが、従来通り慎重であることがポイントになる。

▲ザッツのBD-R LTH TYPEディスクに活かされた、太陽誘電の熱設計技術。ディスクの熱干渉改善設計時に独自の論理解析を行い、優れた記録特性を実現している。(写真はクリックで拡大します)

今後、BDレコーダーの記録メディアには、無機系と有機系という2種類のBD-Rが共存する時代が到来する。有機系のBD-R LTH TYPEが普及するにつれ、無機系とのキャラクターの違いもユーザーにとって興味深いポイントになると思われるが、価格面での期待も大きいはずだ。BD-R LTH TYPEでは、DVD-Rでの実績から製造面でのコストダウンが実現すれば、ユーザーにとってもアプローチしやすい価格でBD-Rを使った録画が楽しめるようになる。そうなればハイビジョン録画のライフスタイルも一般化し、ディスクのバラエティ拡大も期待される。このような観点からも、ザッツが世界で初めて世に送り出したBD-R LTH TYPEがBDレコーディングの未来を握る製品であるといっても、決して過言ではないはずだ。

【取材協力】
太陽誘電(株)
記録メディア事業部 技術部 部長
新井雄治氏
太陽誘電(株)
記録メディア事業部 技術部 次長
藤井徹氏

罫線