ヤマハの“デジタル・サウンド・プロジェクター”のフラグシップモデルとしてこの秋に登場した「YSP-4000」。本機は新たにHDMIコントロール(CEC)機能に対応し、テレビやレコーダーなどとのリンク操作を実現している。本レポートでは、公式にリンク対応している松下電器「VIERA」、東芝「REGZA」以外のテレビで、そのリンク機能を検証。編集部独自の視点で、YSP-4000の新たな可能性に迫ります。 |
YSP-4000とのリンクが検証されている機器 |
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YSP-4000 >製品データベースで詳細を見る |
Panasonic「VIERA」 |
Panasonic「DIGA」 |
TOSHIBA「REGZA」 |
YSP-4000のHDMI端子部。入力2、出力1系統を備える(クリックで拡大します) | 視聴は音元出版の視聴室で行った。視聴にはラック一体型モデル「YSP-LC4000」を使用した(クリックで拡大します) | YSP-4000付属のリモコン。本機だけでも、テレビやレコーダーの操作を行うことが可能だが、今回はリンク機能の検証のため、主にテレビのリモコンを使用した(クリックで拡大します) |
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YSP-4000はソース機器とテレビをHDMIで仲介するように接続する。Ver.1.2a以降のHDMIを搭載しCEC機能に対応したテレビなら、YSP-4000とコンビネーションで映像と音が一体に なって動くホームシアター環境が生まれることを実証することができた。しかし、全てのテレビが同じ動作をするわけでなく、一筋縄で行かないのが面白い所である。特にソース機器と三者間のリンケージになった場合に、各製品各様の対応をするのは興味深い。単なる電源連動と入力選択でなく、エンドユーザーのシチュエーションを考えてCEC機能を活かしたプロトコルになっているかどうかということだが、結論を言えば、「○○リンク」を製品のセールスポイントにしたテレビは、
「○○ボタン」がトリガーになるので、三者間の連係動作が比較的スムーズである。 日本はシステムコントロールの後進国である。言い方を変えれば、CEC機能の利用は始まったばかりで、YSP-4000のような製品が生まれて、テレビメーカー各社と他流試合をしていくことでCEC機能が「連動」でなく本当のバスシステムに育っていくのだ。映像と音が助けあい掛け算のように動いて、快適な視聴環境を作り出す。それこそ、オーディオビジュアルという文化が生まれて以来、ずっと待望されてきたものなのだから。 |
電源 | 音量 | 入力切替 | 特記事項 | ||
ON | OFF | ||||
Panasonic VIERA | ○ |
○ |
○ |
○ |
公式リンク検証済み |
TOSHIBA REGZA | ○ |
○ |
○ |
○ |
公式リンク検証済み |
SONY BRAVIA(KDL-46X5000)※1 | ○※2 |
○ |
○ |
○ |
※2リモコンの「シアター」ボタンでON連動 |
HITACHI Wooo(UT32-HV700)※1 | ○ |
○ |
○ |
○ |
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Pioneer KURO(PDP-508HX)※1 | ○ |
○ |
○ |
○ |
- |
デジタル・サウンド・プロジェクター YSP-4000 (B)ブラック/(S)シルバー |
デジタル・サウンド・プロジェクター YSP-LC4000 (B)ブラック/(S)シルバー |
【SPEC】●総合最大出力:120W(20W×2+2W×40) ●スピーカー部型式:2ウェイ密閉防磁型 ●スピーカーユニット:11cmコーン防磁型×2個、4cmコーン防磁型×40個 ●入力端子:HDMI2、アナログ音声3、光デジタル音声3、同軸デジタル音声1、コンポジット映像3、コンポーネント映像2 ●出力端子:HDMI1、サブウーファープリアウト1、コンポジット映像1、コンポーネント映像1 ●消費電力:55W | |
●外形寸法:1030W×198H×144Dmm ●質量:15.5kg | ●外形寸法:1300W×429H×425Dmm
●質量 31.1kg ●耐荷重 天板60kg、底板40kg(総耐荷重合計100kg以下) |
筆者プロフィール | |
大橋伸太郎 Ohashi
Shintaro 1956年神奈川県鎌倉市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。フジサンケイグループにて、『ガレのガラス芸術』『日本百景』『少年少女名作絵画館』(全12 巻・日本図書館協会、全国学校図書館協議会選定図書)等、美術書、児童書を企画編集後、(株)音元出版に入社、1990年『AV REVIEW』編集長、1998年には日本初にして現在も唯一の定期刊行ホームシアター専門誌『ホームシアターファイル』を刊行した。ホームシアターのオーソリティとして、Infocom Japan、9坪ハウス、富士通ゼネラル、カリモク家具販売、ルートロンアスカ、東京建築士会、インハウス平和などでの講演多数。テレビ朝日系列『トゥナイトII』などテレビ出演も多い。2006年に評論家に転身。西洋美術、クラシックからロック、ジャズにいたる音楽、近・現代文学、高校時代からの趣味であるオーディオといった多分野にわたる知識を生かした評論に、大きな期待が集まっている。趣味はウィーン、ミラノなど海外都市訪問をふくむコンサート鑑賞、アスレチックジム、ボルドーワイン。 |
■ ヤマハ ホームページ http://www.yamaha.co.jp/ ■ ヤマハ YSP-4000詳細 http://www.yamaha.co.jp/product/av/prd/ysp/ysp-4000/ |