「完成形」のサウンドを楽しむスタイル
アップル初のヘッドホン「AirPods Max」、公式サイトには載っていない詳細情報
アップルが、アクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)とヒアスルー機能、そして音声アシスタントにSiriを搭載する初のオーバーヘッドタイプのヘッドホン「AirPods Max」を発表した。取材でわかったことも含め、AirPods Maxがどんなヘッドホンなのか情報を整理してみたい。
本機の発売情報に関しては詳細をまとめたニュースもあわせて参照してほしい。
■密閉構造のワイヤレスANCヘッドホン。有線リスニングにも対応
AirPods Maxは、密閉型イヤーカップに独自開発の40mm口径ダイナミック型ドライバーを搭載、高磁力ネオジムマグネットによりパワフルに駆動する構造を採用する。
基本はBluetooth対応のワイヤレスヘッドホンだが、ヘッドホン本体には充電と音声入力兼用のLightning端子を備えており、別売のLightning-3.5mmオーディオケーブルを本体に接続すると、3.5mm出力を備える機器と有線接続も行える。モバイルゲームを楽しむ際など、音声伝送の遅延を回避できるので安心だ。Bluetoothのオーディオコーデックは、おそらくAirPodsシリーズと同じAACとSBCに対応しているものと思われる。
■サウンド・ANC・ヒアスルーのバランスは常時最適化される
AirPods MaxにはApple H1ベースのSiP(System in Package)が左右のイヤーカップに1基ずつ、合計2基搭載されている。2基のチップによる機械学習処理とアップル独自の音響設計、最新のソフトウェアによる組み合わせが本機のサウンド、ANCとヒアスルーの効果を常時最適化して、AIアシスタントのSiri、その他iPhoneなどのアップル製デバイスとの連携によるスマート機能を実現する。アップルではこれらの体験を総称して「コンピュテーショナルオーディオ」と呼んでいる。
AirPods Maxのコンピュテーショナルオーディオは、ユーザーがオーディオ機器の設定や操作の手間をかけることなく、常にベストコンディションで良い音が楽しめるよう、すべてのパラメーターを自動で最適化する。
例えばANC機能は、2基のApple H1チップの高い演算処理能力を活かし、左右内外・合計8つのマイクでユーザーを取り巻くノイズを拾い、解析しながら消音バランスの強弱を調整する。外音取り込み機能も同様に、ペアリングした端末側でレベルの強弱を手動で変更する機能は用意されていないようだ。
アダプティブEQでは、左右イヤーカップの内側に装着したマイクがカップ内のアコースティック環境を常時測定し、イヤーパッドが髪や眼鏡、アクセサリーと接触していた場合でもヘッドホンの音の聴こえ方をリアルタイムに最適化する。ユーザーが聴いている音楽の種類によって、リスニング感のバランスを手動で決定できるオーディオイコライザーとは少し立ち位置が異なっており、常に「AirPods Maxのベストな音」を引き出すために設けた機能だ。
AirPods Maxは基本的に、コンピュテーショナルオーディオにより統制される「完成形」サウンドを楽しむスタイルのヘッドホンだが、特殊な形状のイヤーパッドはイヤーカップから着脱することもできる。将来はアップル純正の交換パーツなども発売を予定しているのだろうか。先に触れたLightningケーブルによる有線リスニングも含めて、サードパーティーのオーディオアクセサリーによって「コンピュテーショナルオーディオをカスタマイズ」できる若干の余地は与えられそうだ。
■アップルらしさ全開のプロダクトデザインとユニークなユーザーインターフェース
アクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載するAirPods Proは、秋に実施された本体ソフトウェアのアップデートによりiOS 14/iPadOS 14を搭載するデバイスとペアリングして「空間オーディオ」や「ダイナミック・ヘッドトラッキング」といった独自のスマート機能が使えるようになった。
AirPods Maxも同じ機能に対応している。またユーザーのiCloudアカウントにひも付けられているiPhone/iPod/Macの間で素速くAirPods Maxとのペアリングが切り替わる「自動切り替え」や、1台のiPhoneにAirPods MaxとAirPods Proなど、対応する2台のBluetootthオーディオ機器を同時につないでペアリスニングができる「オーディオの共有」もサポートする。
Apple Watchのユーザーにはなじみ深いDigital Crownを採り入れたユーザーインターフェースがとてもユニークだ。通話応答、音量のアップダウンを含む音楽再生のコントロールをDigital Crownで操作する。別途ANCとヒアスルーを切り換えるノイズコントロールボタンも設けた。
AirPods Maxは左右のイヤーカップが決まっていて、取り外しが可能なイヤーパッドの内側と、イヤーカップを取り付ける本体のベースにL/Rが区別できるようにマーキングされている。
ヘッドバンドの天面は通気性にも富んだニットメッシュ素材で作られており、ヘッドホンの質量を分散させて頭部に掛かる負担を減らすデザインとした。加えてステンレススチール素材のアームが伸縮して、イヤーカップとのジョイント部分が360度回転しながらユーザーの頭に無駄なくフィットする。
どれほどコンピュテーショナルオーディオの完成度が高くても、サウンドと装着感がユーザーの期待にフィットしないヘッドホンは愛着を感じながら使い続けることが困難だ。近くAirPods Maxの実機を入手したら、それぞれのポイントを注意深く取材しながらレポートしたいと思う。
最後にAirPods Maxに付属するSmart Caseのことも触れておきたい。スマートケースはヘッドホンを保護するためのケースだが、AirPods Maxを収めるとヘッドホンが超低電力状態に切り換わりスリープする。使用していない時に充電を長持ちさせるために設けられた機能だが、そもそもヘッドホンの電源をボタン操作等で完全に落とせないのだろうか。
ケースに収納してもAirPods Maxのヘッドバンドが露出している状態になるが、ポータビリティにどう影響するのかハンドリングしながら探ってみる必要がありそうだ。
本機の発売情報に関しては詳細をまとめたニュースもあわせて参照してほしい。
■密閉構造のワイヤレスANCヘッドホン。有線リスニングにも対応
AirPods Maxは、密閉型イヤーカップに独自開発の40mm口径ダイナミック型ドライバーを搭載、高磁力ネオジムマグネットによりパワフルに駆動する構造を採用する。
基本はBluetooth対応のワイヤレスヘッドホンだが、ヘッドホン本体には充電と音声入力兼用のLightning端子を備えており、別売のLightning-3.5mmオーディオケーブルを本体に接続すると、3.5mm出力を備える機器と有線接続も行える。モバイルゲームを楽しむ際など、音声伝送の遅延を回避できるので安心だ。Bluetoothのオーディオコーデックは、おそらくAirPodsシリーズと同じAACとSBCに対応しているものと思われる。
■サウンド・ANC・ヒアスルーのバランスは常時最適化される
AirPods MaxにはApple H1ベースのSiP(System in Package)が左右のイヤーカップに1基ずつ、合計2基搭載されている。2基のチップによる機械学習処理とアップル独自の音響設計、最新のソフトウェアによる組み合わせが本機のサウンド、ANCとヒアスルーの効果を常時最適化して、AIアシスタントのSiri、その他iPhoneなどのアップル製デバイスとの連携によるスマート機能を実現する。アップルではこれらの体験を総称して「コンピュテーショナルオーディオ」と呼んでいる。
AirPods Maxのコンピュテーショナルオーディオは、ユーザーがオーディオ機器の設定や操作の手間をかけることなく、常にベストコンディションで良い音が楽しめるよう、すべてのパラメーターを自動で最適化する。
例えばANC機能は、2基のApple H1チップの高い演算処理能力を活かし、左右内外・合計8つのマイクでユーザーを取り巻くノイズを拾い、解析しながら消音バランスの強弱を調整する。外音取り込み機能も同様に、ペアリングした端末側でレベルの強弱を手動で変更する機能は用意されていないようだ。
アダプティブEQでは、左右イヤーカップの内側に装着したマイクがカップ内のアコースティック環境を常時測定し、イヤーパッドが髪や眼鏡、アクセサリーと接触していた場合でもヘッドホンの音の聴こえ方をリアルタイムに最適化する。ユーザーが聴いている音楽の種類によって、リスニング感のバランスを手動で決定できるオーディオイコライザーとは少し立ち位置が異なっており、常に「AirPods Maxのベストな音」を引き出すために設けた機能だ。
AirPods Maxは基本的に、コンピュテーショナルオーディオにより統制される「完成形」サウンドを楽しむスタイルのヘッドホンだが、特殊な形状のイヤーパッドはイヤーカップから着脱することもできる。将来はアップル純正の交換パーツなども発売を予定しているのだろうか。先に触れたLightningケーブルによる有線リスニングも含めて、サードパーティーのオーディオアクセサリーによって「コンピュテーショナルオーディオをカスタマイズ」できる若干の余地は与えられそうだ。
■アップルらしさ全開のプロダクトデザインとユニークなユーザーインターフェース
アクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載するAirPods Proは、秋に実施された本体ソフトウェアのアップデートによりiOS 14/iPadOS 14を搭載するデバイスとペアリングして「空間オーディオ」や「ダイナミック・ヘッドトラッキング」といった独自のスマート機能が使えるようになった。
AirPods Maxも同じ機能に対応している。またユーザーのiCloudアカウントにひも付けられているiPhone/iPod/Macの間で素速くAirPods Maxとのペアリングが切り替わる「自動切り替え」や、1台のiPhoneにAirPods MaxとAirPods Proなど、対応する2台のBluetootthオーディオ機器を同時につないでペアリスニングができる「オーディオの共有」もサポートする。
Apple Watchのユーザーにはなじみ深いDigital Crownを採り入れたユーザーインターフェースがとてもユニークだ。通話応答、音量のアップダウンを含む音楽再生のコントロールをDigital Crownで操作する。別途ANCとヒアスルーを切り換えるノイズコントロールボタンも設けた。
AirPods Maxは左右のイヤーカップが決まっていて、取り外しが可能なイヤーパッドの内側と、イヤーカップを取り付ける本体のベースにL/Rが区別できるようにマーキングされている。
ヘッドバンドの天面は通気性にも富んだニットメッシュ素材で作られており、ヘッドホンの質量を分散させて頭部に掛かる負担を減らすデザインとした。加えてステンレススチール素材のアームが伸縮して、イヤーカップとのジョイント部分が360度回転しながらユーザーの頭に無駄なくフィットする。
どれほどコンピュテーショナルオーディオの完成度が高くても、サウンドと装着感がユーザーの期待にフィットしないヘッドホンは愛着を感じながら使い続けることが困難だ。近くAirPods Maxの実機を入手したら、それぞれのポイントを注意深く取材しながらレポートしたいと思う。
最後にAirPods Maxに付属するSmart Caseのことも触れておきたい。スマートケースはヘッドホンを保護するためのケースだが、AirPods Maxを収めるとヘッドホンが超低電力状態に切り換わりスリープする。使用していない時に充電を長持ちさせるために設けられた機能だが、そもそもヘッドホンの電源をボタン操作等で完全に落とせないのだろうか。
ケースに収納してもAirPods Maxのヘッドバンドが露出している状態になるが、ポータビリティにどう影響するのかハンドリングしながら探ってみる必要がありそうだ。