40通りの末端仕上げを用意し最適な組合せを選べるのも魅力

金属探知機など精密機械の設計・製造で培った技術を応用して、高精度なケーブルやアクセサリーを開発しているオーブから、ユニークなスピーカー・ケーブルが発売された。INNOVA TS7というモデルで、使用環境に合わせて40種類の組み合わせから最適なスタイルを選ぶことができる。

具体的には端末処理とワイヤリング、長さの組み合わせで、端末はYラグまたはバナナプラグ。方向を考慮してアンプ側とスピーカー側という区別を設けているので、バイワイヤまたはシングルワイヤーという選択肢も含めて8通りになる。長さは2mから4mまで0.5m単位で5種類。これを掛け合わせると40通りという計算になる。

ケーブル本体は導体にPCOCCを採用。0.26mmの素線を41本撚り合わせ、LDPE(低密度ポリエチレン)で絶縁して1本の芯線としている。この芯線を4本撚りとした構造である。4芯構造は誘導磁界のキャンセル性能に優れ、歪みやノイズが少ない。またそのままでバイワイヤに対応することが可能だ。さらにYラグは2層金メッキ処理による同社製のHL-YS、バナナプラグはフルテック製FP-202Gとしている。

構造と素材がよくマッチして、非常に静かな音調だ。同時に伸びやかで、刺々しさや天井のつかえた息苦しさがない。アカペラがひっそりとした雰囲気で響き、ことに弱音部の精妙なニュアンスが美しく描き出される。音の流れがいいという印象で、あちこちに引っかかりながらようやく出てくるという無理な感触が皆無である。バイオリンでも弦の質感に押し付けたような重苦しさが感じられず、ピアノとの掛け合いが生き生きと弾んでいる。ディテールの細かな彫りが精細なのである。さらにジャズボーカルでも声の表情に屈託がない。音楽が淀みなく流れ、明るく弾力的だ。オーケストラの鮮やかな瞬発力とダイナミズムの広さなども、ハイスピードで信号の通りのよさを物語っている。フレキシブルな対応も嬉しい、コストバリューに優れたケーブルである。


 

JAI・ORBブランドの製品紹介ページ
【Phile-webニュース】ORB、40種類の組合せが選べるスピーカーケーブルを発売

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