R-K1はCDプレーヤー、FM/AMチューナー、そしてプリメイン型アンプを一体化した製品で、安さと多機能が売りのセットものでは珍しくない形態だ。しかし音質重視の思想で貫かれた製品となると稀な存在になるだろう。R-K1の内部はCDメカニズム、アンプ部、デジタル処理部、電源部などを独立分離するように絶妙な位置関係で配置されている。その一環としてCDメカニズムは専用ケースに収めた外乱光遮断構造を採っている。さらにボトムのメカシャーシは下部にある電源トランスの電磁波の干渉も遮断している。またデジタル信号処理部に同社オリジナルの“Supreme EX”を搭載しているのも特徴だ。これはCDの作成過程でカットされてしまう20kHz以上の帯域を再生するための同社オリジナル技術であり、生楽器の持つ美しく繊細な響きやホールの空気感をリアルに引き出せる。その信号は定評ある英国Wolfson社のDACチップを左右独立で搭載、差動出力信号を生成。クリーンな音楽信号をアンプ部に伝送する。そのアンプ部は38W/ch(6Ω)という実用上十分なパワーを有している。フロントパネルはシンプルで機能的、大人の趣味の道具にふさわしい雰囲気を漂わせている。 ▼R-K1回路構成 R-K1と同時に開発されたスピーカーシステムLS-K1は、伝播速度の速いクロスカーボンと内部損失の高いパルプ素材を貼り合わせた新開発のハイブリッド・クロスカーボン振動板を採用した、12cm口径ウーファーを搭載したバスレフ型3ウェイ機。クロスオーバー周波数から考えると2ウェイ+スーパー・トゥイーターという構成にある。中高域は25mm口径ソフトドーム型トゥイーター、20mm口径のスーパー・トゥイーターを採用。これらは30mm厚バッフル内の独立したキャビティに取り付けられている。エンクロージャーは高密度MDFを採用、表面は美しい木目のサテンシカモア材の突き板仕上げを施すなど価格以上の性能と高級感を実現している。