公開日 2019/03/07 08:00
【PR】「コンサートホールの特等席の音を目指した」
ソニー“究極のリスニング用イヤホン”「IER-Z1R」の真価に迫る!レビュー&開発者インタビュー
取材・構成/プレミアムヘッドホンガイド編集部 聞き手:野村ケンジ
ソニーが誇るオーディオ機器の最高峰Signature Series。そのラインアップに、ついに待望のプレミアムイヤホン「IER-Z1R」が誕生する。本機の真価に迫るべく、さっそく評論家の野村ケンジ氏とともに、ソニー開発陣にインタビューを実施した。音質レビューとあわせて、この孤高のフラグシップの魅力を紐解いていきたい。
■コンサートホールの特等席を目指して
ーー ソニーにとって「IER-M9」と「IER-M7」は、プロフェッショナル向けの「ステージモニター」というコンセプトのもとで開発されたイヤホンでした。それに対して、この「IER-Z1R」は、どういった位置付けになるのでしょうか?
増山 ソニーのオーディオ機器の最高峰Signature Series(シグネチャー・シリーズ)として、ソニーが持つ音響技術を余すことなく注ぎ込んだ、究極のリスニング用イヤホンがコンセプトです。単に音楽を聴く道具ということではなく、愛着を持って長く使っていただけるように、宝石箱のようなパッケージングまで含めて、お客様に感動していただける体験を提供したい、という想いで商品を企画しました。
桑原 音楽を「聴く」という行為を「感じる」という領域まで昇華させたいという思いで、音のチューニングを妥協なく追い込みました。イヤホンの常識を覆すような広い音場感、ひとつひとつの楽器のリアルな音色、オーケストラの配置や、演奏されている現場の空気感までリアルに再現できるのはIER-Z1Rならではの特長といえると思います。
ーー 音楽ファン向けのリスニング用ではあるけれども、美音でごまかすのではなく、あくまで「リアル」を追求しているわけですね?
桑原 はい、そのとおりです。もしかすると「モニター」が正しい音で、「リスニング」はメーカーによって色付けされた音だと区別されている方もいらっしゃるかもしれませんが、ソニーはそうは考えていません。だから、モニター用の方がフラットな音、というような表現はしていません。世の中には無数の原音があります。例えばリスニング用途としてCDやハイレゾ音源が作られるとき、どんな音楽体験をリスナーに届けたいかというアーティストの思いがあると思います。それはライブなのかスタジオなのか様々ですが、ヘッドホンとしてはそれらクリエイターの意図した音を、なるべくその通りに再現したいと思っています。どういう場所、どういう音場の再現を目指しているかが重要で、それによってモデルの立ち位置を分けています。IER-Z1Rでは、まるでコンサートホールの特等席で聴いているかのようなリスニング体験を目指しています。
■独創のHDハイブリッドドライバーシステム
ーー IER-Z1Rはハイブリッド型イヤホンということですが、具体的にはどんな構成になっているのでしょうか?
桑原 ダイナミック型ドライバー2基とバランスド・アーマチュア(BA)型ドライバー1基を掛け合わせた、3WAY3ドライバー構成となっています。従来のソニーのハイブリッド型イヤホンは、力強さが必要とされる低域から中域をダイナミック型に任せて、繊細さが必要とされる高域をBAでカバーする構成を採用していました。
ーー 他社でも、その構成が一般的ですよね。
桑原 しかしIER-Z1Rでは一歩先のステージ、ハイレゾ音源が持つ音場感や空気感をさらにリアルに表現するために、ダイナミック型ドライバーが超高域を受け持つ、ソニーとして初めてとなる、異色の構成としています。これによって、再生周波数帯域は3〜100,000Hzにまで拡大できました。
ーー 現状のBA型ドライバーでは、再生周波数帯域の幅に限界がありますからね。よりリアルなハイレゾ再生を追求するなら、超高域側をダイナミック型に任せるのは合理的な判断です。
桑原 超高域を受け持つダイナミック型ドライバーは、アルミコートLCP振動板と外磁型磁気回路を組み合わせ、さらに口径5mmにまで小型化を実現しました。コンパクトにすることで、音導管に対して同軸線上にドライバーを配置し、減衰し易い高音をスムーズに伝達できるようになりました。
ーー そのほかの2つのドライバーについても、ソニー独自のものが採用されていますね?
桑原 はい。主に低域から中高域を受け持つ口径12mmのダイナミック型ドライバーは、フラグシップヘッドホン「MDR-Z1R」と同じように、振動板中央のドーム部にマグネシウム合金を使っています。とても繊細な製造技術が要求されるため、国内にあるソニーの工場で生産されています。高域を受け持つBA型ドライバーについても、振動板をマグネシウム合金としました。マグネシウム合金は内部損失が高く、理想的な音響特性を持っています。
ーー そういえば3つのドライバーを格納するインナーハウジングにも、マグネシウム合金が採用されていますね。
桑原 軽量かつ剛性が高く、それぞれのドライバーから発生する不要振動を抑えるため、理想的な素材です。
ーー ちなみに各ドライバーのネットワーク設定、クロスオーバー設定はどういった設定になっているのでしょうか。例えばBA型ドライバーは、どの帯域をカバーしているのですか?
桑原 高域をメインとしているのですが、単体のみでそこをカバーしているわけではありません。それぞれのドライバーで受け持つ帯域がはっきり分かれているわけではなく、たとえば、特に10,000Hz帯くらいの高域表現は3つのドライバーの音が複雑に組み合わさって、自然な音色を実現しています。ドライバーごとに帯域を完全に分けるより、混ぜ合わせた方が可能性が広がります。
ーー ダイナミック型ドライバーとBA型ドライバーの組み合わせですと、音色的にうまく融合しないという難しさもあります。音色としてもいかに上手にまとめるか、そこにノウハウがあるわけですね。
桑原 はい、そのとおりです。それぞれのドライバーの音が正しい位相特性になるように、3つのドライバーの音の経路を最適化する「リファインドフェイズ・ストラクチャー」も試行錯誤の中で生まれたものです。ここの開発は非常に苦労した部分で、コンピューターによる解析シミュレーションを何度も繰り返し、そこからさらに100を超えるサンプルを作って聴くことで、最適な解を導き出しました。
ーー 最先端のテクノロジーと、エンジニアの経験と感性が掛け合わされて、はじめて実現できたサウンドといえるかもしれませんね。
■色褪せないフラグシップ
ーー ラグジュアリーで存在感のある、美しいデザインも印象的ですね。
増山 ハウジングのジルコニウム合金は、磨きだけで、本物の輝きを放つように工夫しています。フェイスプレートには、高級時計のムーブメントなどに用いられているペルラージュ加工で模様を入れています。
ーー オーディオ商品としては、非常に珍しい装飾方法ですね。また、経年劣化につながる塗装やコーティングを施していない、というのもポイントですね。
増山 はい、そのとおりです。一生モノのイヤホンとして長い間使い続けていただくことを念頭に置いていたため、耐久性には非常にこだわりました。ソニーロゴもレーザー加工で彫り込んでいます。ジルコニウム合金は表面硬度が鉄やチタンよりも高く、キズに強い上、サビにも強く、長くご愛用いただける製品を作り上げられたと自負しています。
桑原 また、マグネシウム合金のインナーハウジングと組み合わせるアウターハウジングの素材として、今回の製品としては音響面でもベストマッチだった、ということが言えます。
増山 加工方法もポイントですね。カッティングだけではなく、型に流し込んでも成形できる金属なので、最終的に音響面で理想的で、かつ耳にぴったりフィットする複雑な形状を実現できました。
ーー 機能から来る美しさを感じさせてくれますね。付属品も豪華です。
増山 4.4mm5極のバランスケーブルを付属しています。なお、ケーブルの導体には表面に純銀コートをかけたOFCを採用しており、ノイズの影響を低減するためにツイストペア構造としています。さらに「トリプルコンフォートイヤーピース」についても、イヤホン本体のカラーに合わせて、専用のものを新たに調色して作りました。
ーー 徹底的にこだわって制作されたイヤホンであることが、とてもよくわかりました。おふたりともに、完成度には満足されていますか?
増山 はい!
桑原 もちろん、満足していなければ、Signature Seriesは発売できません!(笑)
ーー Signature Series同士の組み合わせというのは、意識されましたか?
桑原 はい、チューニングを進める際、他のSignature Seriesとの接続も当然確認しています。特にウォークマン「NW-WM1A」および「NW-WM1Z」と組み合わされることを想定していますが、超弩級のデジタルオーディオプレーヤー「DMP-Z1」との組み合わせでも、素晴らしい音の世界が体感できることは確認しています。
ーー ポータブルとしてはかなり大柄ですけど、バッテリーが内蔵されていて外出先でも使えますから、ソニー最高峰の組み合わせとしてマニアだけでなく幅広い人にトライしてみてほしいですね(笑)。本日はどうもありがとうございました。
<野村ケンジ氏による音質レビュー>
まず、製品を聴き始める前に感じたのがフィット感の良好さだ。金属筐体を持ち、ダイナミック型ドライバーを2基(+BA型ドライバーも1基)搭載する「IER-Z1R」のイヤホン本体は、決して小柄とはいえないサイズになっているのだが、いざ装着してみると重さをあまり感じず、頭を振ってもポロリとこぼれ落ちることがない。なかなかに巧みなデザインといえる。
そして、肝心のサウンドはというと、イヤホンという枠組みを超えた自然な音場表現と表情の豊かさに驚かされた。低域にたっぷりとした量感を持ち、それにエッジの効いた高域を組み合わせた、パワフルさとクリアさが巧みに融合したソニーならではのサウンドキャラクターはこのIER-Z1Rにも受け継がれているが、カナル型イヤホンによくある近距離にエネルギー感が集中した筋肉質なサウンドではなく、音場がとても自然に広がった、ニュートラルバランスの音色と音場を持ち合わせている。結果として、音数が多く重層的な表現をしているのにもかかわらず、開放型ヘッドホンやニアフィールドスピーカーを聴いているかのような、肩の力が抜けた自然なサウンドを楽しむことができる。
いっぽうで、音色の色鮮やかさや表現力の高さも特筆だ。ピアノはとてものびのびとした音を聴かせてくれるし、弦楽器はボーイングの微妙なビブラートまでしっかり再現してくれる。おかけで、演奏がとてもリアルに感じられ、聴き慣れたはずの楽曲が普段より格段に臨場感の高いサウンドに生まれ変わってくれる。歌声が、演奏が、とても活き活きとしている。聴いていて、とても楽しいサウンドだ。
なお、IER-Z1Rには、異なる2タイプのイヤーピースが付属している。このうち「ハイブリッドイヤーピース」は、パワフルさとクリアさが巧みに両立された、「IER-Z1R」ならではの重層的でパワフルなサウンドを楽しむことができる。いっぽうで「トリプルコンフォートイヤーピース」のほうは、ハイブリッドに対してほんの少し優しい音色傾向へと変化する。演奏全体の纏まりも良くなってくれるので、長時間聴き続ける人にはこちらの方がよさそうだ。サイズのチョイスも含め、自分にとってのベストはどちらか、じっくり選び出してほしい。
(PR企画 協力:ソニーマーケティング株式会社)
■コンサートホールの特等席を目指して
ーー ソニーにとって「IER-M9」と「IER-M7」は、プロフェッショナル向けの「ステージモニター」というコンセプトのもとで開発されたイヤホンでした。それに対して、この「IER-Z1R」は、どういった位置付けになるのでしょうか?
増山 ソニーのオーディオ機器の最高峰Signature Series(シグネチャー・シリーズ)として、ソニーが持つ音響技術を余すことなく注ぎ込んだ、究極のリスニング用イヤホンがコンセプトです。単に音楽を聴く道具ということではなく、愛着を持って長く使っていただけるように、宝石箱のようなパッケージングまで含めて、お客様に感動していただける体験を提供したい、という想いで商品を企画しました。
桑原 音楽を「聴く」という行為を「感じる」という領域まで昇華させたいという思いで、音のチューニングを妥協なく追い込みました。イヤホンの常識を覆すような広い音場感、ひとつひとつの楽器のリアルな音色、オーケストラの配置や、演奏されている現場の空気感までリアルに再現できるのはIER-Z1Rならではの特長といえると思います。
ーー 音楽ファン向けのリスニング用ではあるけれども、美音でごまかすのではなく、あくまで「リアル」を追求しているわけですね?
桑原 はい、そのとおりです。もしかすると「モニター」が正しい音で、「リスニング」はメーカーによって色付けされた音だと区別されている方もいらっしゃるかもしれませんが、ソニーはそうは考えていません。だから、モニター用の方がフラットな音、というような表現はしていません。世の中には無数の原音があります。例えばリスニング用途としてCDやハイレゾ音源が作られるとき、どんな音楽体験をリスナーに届けたいかというアーティストの思いがあると思います。それはライブなのかスタジオなのか様々ですが、ヘッドホンとしてはそれらクリエイターの意図した音を、なるべくその通りに再現したいと思っています。どういう場所、どういう音場の再現を目指しているかが重要で、それによってモデルの立ち位置を分けています。IER-Z1Rでは、まるでコンサートホールの特等席で聴いているかのようなリスニング体験を目指しています。
■独創のHDハイブリッドドライバーシステム
ーー IER-Z1Rはハイブリッド型イヤホンということですが、具体的にはどんな構成になっているのでしょうか?
桑原 ダイナミック型ドライバー2基とバランスド・アーマチュア(BA)型ドライバー1基を掛け合わせた、3WAY3ドライバー構成となっています。従来のソニーのハイブリッド型イヤホンは、力強さが必要とされる低域から中域をダイナミック型に任せて、繊細さが必要とされる高域をBAでカバーする構成を採用していました。
ーー 他社でも、その構成が一般的ですよね。
桑原 しかしIER-Z1Rでは一歩先のステージ、ハイレゾ音源が持つ音場感や空気感をさらにリアルに表現するために、ダイナミック型ドライバーが超高域を受け持つ、ソニーとして初めてとなる、異色の構成としています。これによって、再生周波数帯域は3〜100,000Hzにまで拡大できました。
ーー 現状のBA型ドライバーでは、再生周波数帯域の幅に限界がありますからね。よりリアルなハイレゾ再生を追求するなら、超高域側をダイナミック型に任せるのは合理的な判断です。
桑原 超高域を受け持つダイナミック型ドライバーは、アルミコートLCP振動板と外磁型磁気回路を組み合わせ、さらに口径5mmにまで小型化を実現しました。コンパクトにすることで、音導管に対して同軸線上にドライバーを配置し、減衰し易い高音をスムーズに伝達できるようになりました。
ーー そのほかの2つのドライバーについても、ソニー独自のものが採用されていますね?
桑原 はい。主に低域から中高域を受け持つ口径12mmのダイナミック型ドライバーは、フラグシップヘッドホン「MDR-Z1R」と同じように、振動板中央のドーム部にマグネシウム合金を使っています。とても繊細な製造技術が要求されるため、国内にあるソニーの工場で生産されています。高域を受け持つBA型ドライバーについても、振動板をマグネシウム合金としました。マグネシウム合金は内部損失が高く、理想的な音響特性を持っています。
ーー そういえば3つのドライバーを格納するインナーハウジングにも、マグネシウム合金が採用されていますね。
桑原 軽量かつ剛性が高く、それぞれのドライバーから発生する不要振動を抑えるため、理想的な素材です。
ーー ちなみに各ドライバーのネットワーク設定、クロスオーバー設定はどういった設定になっているのでしょうか。例えばBA型ドライバーは、どの帯域をカバーしているのですか?
桑原 高域をメインとしているのですが、単体のみでそこをカバーしているわけではありません。それぞれのドライバーで受け持つ帯域がはっきり分かれているわけではなく、たとえば、特に10,000Hz帯くらいの高域表現は3つのドライバーの音が複雑に組み合わさって、自然な音色を実現しています。ドライバーごとに帯域を完全に分けるより、混ぜ合わせた方が可能性が広がります。
ーー ダイナミック型ドライバーとBA型ドライバーの組み合わせですと、音色的にうまく融合しないという難しさもあります。音色としてもいかに上手にまとめるか、そこにノウハウがあるわけですね。
桑原 はい、そのとおりです。それぞれのドライバーの音が正しい位相特性になるように、3つのドライバーの音の経路を最適化する「リファインドフェイズ・ストラクチャー」も試行錯誤の中で生まれたものです。ここの開発は非常に苦労した部分で、コンピューターによる解析シミュレーションを何度も繰り返し、そこからさらに100を超えるサンプルを作って聴くことで、最適な解を導き出しました。
ーー 最先端のテクノロジーと、エンジニアの経験と感性が掛け合わされて、はじめて実現できたサウンドといえるかもしれませんね。
■色褪せないフラグシップ
ーー ラグジュアリーで存在感のある、美しいデザインも印象的ですね。
増山 ハウジングのジルコニウム合金は、磨きだけで、本物の輝きを放つように工夫しています。フェイスプレートには、高級時計のムーブメントなどに用いられているペルラージュ加工で模様を入れています。
ーー オーディオ商品としては、非常に珍しい装飾方法ですね。また、経年劣化につながる塗装やコーティングを施していない、というのもポイントですね。
増山 はい、そのとおりです。一生モノのイヤホンとして長い間使い続けていただくことを念頭に置いていたため、耐久性には非常にこだわりました。ソニーロゴもレーザー加工で彫り込んでいます。ジルコニウム合金は表面硬度が鉄やチタンよりも高く、キズに強い上、サビにも強く、長くご愛用いただける製品を作り上げられたと自負しています。
桑原 また、マグネシウム合金のインナーハウジングと組み合わせるアウターハウジングの素材として、今回の製品としては音響面でもベストマッチだった、ということが言えます。
増山 加工方法もポイントですね。カッティングだけではなく、型に流し込んでも成形できる金属なので、最終的に音響面で理想的で、かつ耳にぴったりフィットする複雑な形状を実現できました。
ーー 機能から来る美しさを感じさせてくれますね。付属品も豪華です。
増山 4.4mm5極のバランスケーブルを付属しています。なお、ケーブルの導体には表面に純銀コートをかけたOFCを採用しており、ノイズの影響を低減するためにツイストペア構造としています。さらに「トリプルコンフォートイヤーピース」についても、イヤホン本体のカラーに合わせて、専用のものを新たに調色して作りました。
ーー 徹底的にこだわって制作されたイヤホンであることが、とてもよくわかりました。おふたりともに、完成度には満足されていますか?
増山 はい!
桑原 もちろん、満足していなければ、Signature Seriesは発売できません!(笑)
ーー Signature Series同士の組み合わせというのは、意識されましたか?
桑原 はい、チューニングを進める際、他のSignature Seriesとの接続も当然確認しています。特にウォークマン「NW-WM1A」および「NW-WM1Z」と組み合わされることを想定していますが、超弩級のデジタルオーディオプレーヤー「DMP-Z1」との組み合わせでも、素晴らしい音の世界が体感できることは確認しています。
ーー ポータブルとしてはかなり大柄ですけど、バッテリーが内蔵されていて外出先でも使えますから、ソニー最高峰の組み合わせとしてマニアだけでなく幅広い人にトライしてみてほしいですね(笑)。本日はどうもありがとうございました。
<野村ケンジ氏による音質レビュー>
まず、製品を聴き始める前に感じたのがフィット感の良好さだ。金属筐体を持ち、ダイナミック型ドライバーを2基(+BA型ドライバーも1基)搭載する「IER-Z1R」のイヤホン本体は、決して小柄とはいえないサイズになっているのだが、いざ装着してみると重さをあまり感じず、頭を振ってもポロリとこぼれ落ちることがない。なかなかに巧みなデザインといえる。
そして、肝心のサウンドはというと、イヤホンという枠組みを超えた自然な音場表現と表情の豊かさに驚かされた。低域にたっぷりとした量感を持ち、それにエッジの効いた高域を組み合わせた、パワフルさとクリアさが巧みに融合したソニーならではのサウンドキャラクターはこのIER-Z1Rにも受け継がれているが、カナル型イヤホンによくある近距離にエネルギー感が集中した筋肉質なサウンドではなく、音場がとても自然に広がった、ニュートラルバランスの音色と音場を持ち合わせている。結果として、音数が多く重層的な表現をしているのにもかかわらず、開放型ヘッドホンやニアフィールドスピーカーを聴いているかのような、肩の力が抜けた自然なサウンドを楽しむことができる。
いっぽうで、音色の色鮮やかさや表現力の高さも特筆だ。ピアノはとてものびのびとした音を聴かせてくれるし、弦楽器はボーイングの微妙なビブラートまでしっかり再現してくれる。おかけで、演奏がとてもリアルに感じられ、聴き慣れたはずの楽曲が普段より格段に臨場感の高いサウンドに生まれ変わってくれる。歌声が、演奏が、とても活き活きとしている。聴いていて、とても楽しいサウンドだ。
なお、IER-Z1Rには、異なる2タイプのイヤーピースが付属している。このうち「ハイブリッドイヤーピース」は、パワフルさとクリアさが巧みに両立された、「IER-Z1R」ならではの重層的でパワフルなサウンドを楽しむことができる。いっぽうで「トリプルコンフォートイヤーピース」のほうは、ハイブリッドに対してほんの少し優しい音色傾向へと変化する。演奏全体の纏まりも良くなってくれるので、長時間聴き続ける人にはこちらの方がよさそうだ。サイズのチョイスも含め、自分にとってのベストはどちらか、じっくり選び出してほしい。
(PR企画 協力:ソニーマーケティング株式会社)