公開日 2025/01/09 06:30
DGPイメージングアワード2024受賞:キヤノンMJ 吉田雅彦氏
【インタビュー】イメージング市場を鼓舞するキヤノン。「EOS R5 Mark II」が技術トレンド創造へ先陣を切る
編集部:竹内 純
DGPイメージングアワード2024
受賞インタビュー:キヤノンマーケティングジャパン
キヤノン「EOS R5 Mark II」が「DGPイメージングアワード2024」で総合金賞を獲得した。業界をけん引していくまさに決意表明とも言える同モデルのデビューに、キヤノンマーケティングジャパン・吉田雅彦氏の鼻息も荒い。変化する市場、需要喚起への新提案、カメラ文化を育む同社ならではのユニークな取り組みなど、市場創造へ向けた意気込みを聞く。
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
理事
コンスーマビジネスユニット
カメラ統括本部 統括本部長
吉田雅彦氏
プロフィール/1968年1月23日生まれ、長崎県長崎市出身。1990年 キヤノン販売株式会社(現キヤノンマーケティングジャパン株式会社)入社、2018年 キヤノンカスタマーサービス(株)出向・常務取締役、2023年 キヤノンマーケティングジャパン(株)カメラ統括本部・統括本部長に就任。趣味は音楽、座右の銘は「疾風に勁草を知る」
―― 「DGPイメージングアワード2024」におきまして、静止画・動画において高い撮影性能を実現しながら優れた機動性を兼ね備えたプロ・ハイアマチュア向けフルサイズミラーレスカメラ、キヤノン「EOS R5 Mark II」が総合金賞を受賞されました。おめでとうございます。
吉田 今回の受賞を大変光栄に感じております。EOSでは「5」を冠する商品は歴代、その時代時代にキヤノンが有する最新のテクノロジーを反映した商品であり、おこがましい言い方になりますが、まさに業界全体を引っ張っていくリーディングカメラであり、技術面からも新しいトレンドを創造していく役割を担うカメラとなります。
「DIGIC Accelerator」を搭載した次世代のエンジンシステムは、その効用はAF性能をはじめ、高速性能や静止画の画質、さらに、映画業界でも使用していただいている実績もあり、動画性能もしっかりと進化しています。
ご販売店やエンドユーザーの皆様から非常に高い評価をいただいております。現在、お手元に届くまで少々お時間を頂戴しており、それについては申し訳ない限りです。一日も早くお手元に届くように、キヤノン株式会社が増産に努めております。
―― 審査会においてはやはり、瞬時に膨大な解析を行う「DIGIC Accelerator」を搭載した新世代のエンジンシステムに注目が集まりました。ディープラーニング技術を融合させ、今回実現されているアクション優先AFモードやカメラ内アップスケーリングの開発は、同時に技術/企画賞も受賞されています。完成度が高まりつつあるカメラのさらに “その先” を見せてくれているモデルであると大きな評価を集めました。
吉田 撮り手のAFの操作に先んじて、カメラが瞬時に判断してサポートを行う「デュアルピクセル Intelligent AF」に対しては、私たちの想像を上回る高いご評価をいただいています。スペック面の情報が先行しがちですが、実際に手に取って使ってみて、大変驚かれたという方も少なくないようです。
「EOS R5 Mark II」は元々期待値の大変大きな商品でしたが、実際に発売して、それ以上のインパクトを実感しています。
―― 「EOS R5 Mark II」をはじめ各社からも新製品が投入され、イメージング市場も活気を取り戻しつつあります。CIPA(一般社団法人 カメラ映像機器工業会)の最新統計データでは、デジタルカメラ、交換レンズのいずれも、数量・金額ベースともにほぼ2桁増と好調に推移していますが、その背景をどのように見られていらっしゃいますか。
吉田 約1年前、2023年の10月、11月くらいから急に2桁成長のフェーズに入りましたが、そこには為替による影響が少なからずあります。日本で購入した方が安いという情報を得たインバウンドのお客様が敏感に反応されています。
したがって、実際の国内需要に関しては、2024年ほぼ前年並みと見ています。コロナ禍の後、撮影イベント等も増えて来てはいますが、国内で2桁成長しているような力強さはあまり感じられません。なお、インバウンドの影響は1ドル160円前後をつけた2024年6月、7月を山場に、円高に進んだ直近は少し落ち着いてきているようです。
―― 国内のマーケットを活性化し、さらなる成長を目指す上では、若年層を中心とした新規需要の掘り起こしが課題としてよく指摘されます。また、写真や映像への接し方、楽しみ方も多様化してきています。
吉田 キヤノンでは2023年6月に、初めてカメラを使用するユーザーでも気軽に本格的な動画撮影を楽しめるVlogカメラ「PowerShot V10」を発売しました。従来の本格派カメラユーザーではなく、Vloggerや動画を撮って楽しまれる若年層をターゲットにした商品です。無線ライブ配信や高画質なウェブカメラとしても使用でき、プロモーションも若年層にフォーカスを当てています。
2024年11月29日には、既存のブラック、シルバーに加え、新しくホワイトモデルを発売しました。ボディカラーはとても重要なファクターで、ご販売店やエンドユーザーからも数多くいただいていた「もっと軟らかい色のカラバリを揃えてほしい」との声に応えたものです。
ユーザーインターフェースは本格的なカメラに近く、「PowerShot V10」に慣れ親しんでいただいたユーザーが後々ステップアップして本格的にカメラを楽しまれる、そんな気づきになることも期待しています。
新しいチャレンジとしてもうひとつ、ゴルフ距離計「PowerShot GOLF」を2024年7月に発売しています。同じようなスタイルの商品として、単眼の望遠鏡にもなる「PowerShot ZOOM」というカメラがありましたが、今回はゴルフの距離計になります。
ゴルフを楽しまれている方からの要望は、手軽にズボンのポケットに入れられるコンパクトさ。そこをカメラメーカーならではの技術でお応えしました。動画も静止画も撮影することができ、いままでにない新しいお客様にチャレンジした商品となります。
―― 多様化する使い方や楽しみ方に応えた新しい価値を伝えていく上で、リアルな場となる店頭の意義も高まっていくのではないでしょうか。
吉田 スペックだけでしたらオンラインで得られる情報だけでも事足ります。しかし、実際に商品に触れて、ご販売員の方がお客様それぞれのニーズを引き出しながら接客していただく店頭はとても重要です。
そこで、お客様が必要としている情報をわかりやすくお伝えできるように、私たちからもご販売店に対し、商品の勉強会や学習会の開催に精力的に取り組んでいます。コロナ禍で活用したリモートという手段を活かしてブラッシュアップを図り、リアルとリモートのハイブリッドでそれぞれの状況に合わせて実施しています。
人と人とのインタラクティブなコミュニケーションはとても大切です。実機を前にして実際に手に取り、使いながら接客ができることは、文字の情報だけでは理解することができない、店頭の持つ大きな強みと言えます。
―― 2024年は来場者数に伸長が見られた「CP+」も、店頭と並び重要な場になりますね。
吉田 元々の数字からすれば、来場者数はもっと伸びていいはずですし、さらに伸びしろを感じています。特に来場者の内訳から、約3割が新しいお客様という点は見逃せないポイントです。
内容は少しずつ変わってきています。当社もそうですが、機能の進化やテクノロジーの最先端をお見せすることが、この展示会のミッションであることに変わりはありませんが、一方ではまた、新しいソリューションがあります。
例えばVRです。通常の静止画では表現できなかった立体の画像で、こうした切り口から新しい需要喚起が期待されます。動画もそうですね。レンズには従来の繰り出し式とは異なりレンズの長さが変わらないインナーズームやF値を調整するためのアイリスリンクがありますが、これらは動画の潮流に対応して進化したもの。お客様が満足のいく動画性能を引き出すためのものです。
AFや静止画の画質など従来のトラディショナルな進化と、動画やVRなどの新しい進化の2つの軸があり、それぞれに数多くのお客様にインタラクティブにアピールできるCP+は、店頭と同様に非常に重要なリアルな場。2025年2月27日(木)から3月2日(日)まで開催される「CP+2025」のキヤノンブースにも是非ご期待ください。
―― 年末年始商戦では「Canon冬のキャッシュバック-ぽかぽかフォトキャンペーン-」を1月14日まで開催されていますが、商品や販促施策のほかにも、写真文化を創造するユニークな取り組みをキヤノンさんでは展開されていらっしゃいます。
吉田 そのひとつに「部活」があります。被写体別のイベントで写真仲間とつながり、もっともっと写真を楽しんでいただきたいとの思いを込め、撮影会やオンラインセミナーなどのイベントを開催しています。
「鉄道部」「飛行機部」「旅スナップ部」「スポーツ部」など9つのジャンルがあり、撮影会に単に参加して終わりというのではなしに、講師としてお迎えするそのジャンルのトップランナーの先生や同じ趣味を持つ “部員” のみなさんと、楽しく写真の世界を広げていただきたい。Canon IDをお持ちであれば、どなたでもご参加いただけます。
写真教室の「EOS学園」では、これまで静止画の教室は数多くありましたが、今、動画と静止画を一緒に勉強する講座を充実させています。動画は写真の楽しみ方のひとつのバリエーションです。これから動画編集にチャレンジしてみたいという方にもぴったりな講座をご用意しています。
―― イメージングの世界では、BtoBとBtoCの垣根がどんどん低くなっているように感じます。
吉田 YouTuberなんかまさにそうですね。購入するときは個人ですが、使用されるときはBtoBで商用利用されています。さきほど新しい進化の軸としてお話したVRや3Dでは、個人はもちろんですが、BtoBの世界にも大きなチャンスがあると考えています。需要をどのように掘り起こしていくか。ご販売店さんでも一般のお客様とは別に、法人営業部などをお持ちのところもあり、そうした皆様とのパートナーシップも強化し、新しい需要にアプローチして参りたいと思います。
―― 若い方がカメラを始めようとしたときに、価格面のハードルの高さからなかなか手が出せないケースも見受けられます。「EOS R3」「EOS R1」、そして、「EOS R5 Mark II」が登場し、そこで培われた数々の最新技術が今後、ASP-Cモデルなど下位モデルへと活かされ、スマホからカメラへという流れをさらに後押しする強力な力となることが期待されています。
吉田 写真や動画の楽しみ方が多様化していくなか、お客様の夢を叶えることができる、要望を実現することができるカメラやレンズを順次お届けして参ります。「部活」「EOS学園」をはじめとするユニークな取り組みも一層充実して参りますので、2025年のキヤノンにどうぞご期待ください。
受賞インタビュー:キヤノンマーケティングジャパン
キヤノン「EOS R5 Mark II」が「DGPイメージングアワード2024」で総合金賞を獲得した。業界をけん引していくまさに決意表明とも言える同モデルのデビューに、キヤノンマーケティングジャパン・吉田雅彦氏の鼻息も荒い。変化する市場、需要喚起への新提案、カメラ文化を育む同社ならではのユニークな取り組みなど、市場創造へ向けた意気込みを聞く。
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
理事
コンスーマビジネスユニット
カメラ統括本部 統括本部長
吉田雅彦氏
プロフィール/1968年1月23日生まれ、長崎県長崎市出身。1990年 キヤノン販売株式会社(現キヤノンマーケティングジャパン株式会社)入社、2018年 キヤノンカスタマーサービス(株)出向・常務取締役、2023年 キヤノンマーケティングジャパン(株)カメラ統括本部・統括本部長に就任。趣味は音楽、座右の銘は「疾風に勁草を知る」
■次世代を創造するリーディングカメラ「EOS R5 Mark II」が総合金賞
―― 「DGPイメージングアワード2024」におきまして、静止画・動画において高い撮影性能を実現しながら優れた機動性を兼ね備えたプロ・ハイアマチュア向けフルサイズミラーレスカメラ、キヤノン「EOS R5 Mark II」が総合金賞を受賞されました。おめでとうございます。
吉田 今回の受賞を大変光栄に感じております。EOSでは「5」を冠する商品は歴代、その時代時代にキヤノンが有する最新のテクノロジーを反映した商品であり、おこがましい言い方になりますが、まさに業界全体を引っ張っていくリーディングカメラであり、技術面からも新しいトレンドを創造していく役割を担うカメラとなります。
「DIGIC Accelerator」を搭載した次世代のエンジンシステムは、その効用はAF性能をはじめ、高速性能や静止画の画質、さらに、映画業界でも使用していただいている実績もあり、動画性能もしっかりと進化しています。
ご販売店やエンドユーザーの皆様から非常に高い評価をいただいております。現在、お手元に届くまで少々お時間を頂戴しており、それについては申し訳ない限りです。一日も早くお手元に届くように、キヤノン株式会社が増産に努めております。
―― 審査会においてはやはり、瞬時に膨大な解析を行う「DIGIC Accelerator」を搭載した新世代のエンジンシステムに注目が集まりました。ディープラーニング技術を融合させ、今回実現されているアクション優先AFモードやカメラ内アップスケーリングの開発は、同時に技術/企画賞も受賞されています。完成度が高まりつつあるカメラのさらに “その先” を見せてくれているモデルであると大きな評価を集めました。
吉田 撮り手のAFの操作に先んじて、カメラが瞬時に判断してサポートを行う「デュアルピクセル Intelligent AF」に対しては、私たちの想像を上回る高いご評価をいただいています。スペック面の情報が先行しがちですが、実際に手に取って使ってみて、大変驚かれたという方も少なくないようです。
「EOS R5 Mark II」は元々期待値の大変大きな商品でしたが、実際に発売して、それ以上のインパクトを実感しています。
■新しい楽しみ方に応えた新提案「PowerShot V10」「PowerShot GOLF」
―― 「EOS R5 Mark II」をはじめ各社からも新製品が投入され、イメージング市場も活気を取り戻しつつあります。CIPA(一般社団法人 カメラ映像機器工業会)の最新統計データでは、デジタルカメラ、交換レンズのいずれも、数量・金額ベースともにほぼ2桁増と好調に推移していますが、その背景をどのように見られていらっしゃいますか。
吉田 約1年前、2023年の10月、11月くらいから急に2桁成長のフェーズに入りましたが、そこには為替による影響が少なからずあります。日本で購入した方が安いという情報を得たインバウンドのお客様が敏感に反応されています。
したがって、実際の国内需要に関しては、2024年ほぼ前年並みと見ています。コロナ禍の後、撮影イベント等も増えて来てはいますが、国内で2桁成長しているような力強さはあまり感じられません。なお、インバウンドの影響は1ドル160円前後をつけた2024年6月、7月を山場に、円高に進んだ直近は少し落ち着いてきているようです。
―― 国内のマーケットを活性化し、さらなる成長を目指す上では、若年層を中心とした新規需要の掘り起こしが課題としてよく指摘されます。また、写真や映像への接し方、楽しみ方も多様化してきています。
吉田 キヤノンでは2023年6月に、初めてカメラを使用するユーザーでも気軽に本格的な動画撮影を楽しめるVlogカメラ「PowerShot V10」を発売しました。従来の本格派カメラユーザーではなく、Vloggerや動画を撮って楽しまれる若年層をターゲットにした商品です。無線ライブ配信や高画質なウェブカメラとしても使用でき、プロモーションも若年層にフォーカスを当てています。
2024年11月29日には、既存のブラック、シルバーに加え、新しくホワイトモデルを発売しました。ボディカラーはとても重要なファクターで、ご販売店やエンドユーザーからも数多くいただいていた「もっと軟らかい色のカラバリを揃えてほしい」との声に応えたものです。
ユーザーインターフェースは本格的なカメラに近く、「PowerShot V10」に慣れ親しんでいただいたユーザーが後々ステップアップして本格的にカメラを楽しまれる、そんな気づきになることも期待しています。
新しいチャレンジとしてもうひとつ、ゴルフ距離計「PowerShot GOLF」を2024年7月に発売しています。同じようなスタイルの商品として、単眼の望遠鏡にもなる「PowerShot ZOOM」というカメラがありましたが、今回はゴルフの距離計になります。
ゴルフを楽しまれている方からの要望は、手軽にズボンのポケットに入れられるコンパクトさ。そこをカメラメーカーならではの技術でお応えしました。動画も静止画も撮影することができ、いままでにない新しいお客様にチャレンジした商品となります。
■インタラクティブに情報が発信できる “売り場” の重要性
―― 多様化する使い方や楽しみ方に応えた新しい価値を伝えていく上で、リアルな場となる店頭の意義も高まっていくのではないでしょうか。
吉田 スペックだけでしたらオンラインで得られる情報だけでも事足ります。しかし、実際に商品に触れて、ご販売員の方がお客様それぞれのニーズを引き出しながら接客していただく店頭はとても重要です。
そこで、お客様が必要としている情報をわかりやすくお伝えできるように、私たちからもご販売店に対し、商品の勉強会や学習会の開催に精力的に取り組んでいます。コロナ禍で活用したリモートという手段を活かしてブラッシュアップを図り、リアルとリモートのハイブリッドでそれぞれの状況に合わせて実施しています。
人と人とのインタラクティブなコミュニケーションはとても大切です。実機を前にして実際に手に取り、使いながら接客ができることは、文字の情報だけでは理解することができない、店頭の持つ大きな強みと言えます。
―― 2024年は来場者数に伸長が見られた「CP+」も、店頭と並び重要な場になりますね。
吉田 元々の数字からすれば、来場者数はもっと伸びていいはずですし、さらに伸びしろを感じています。特に来場者の内訳から、約3割が新しいお客様という点は見逃せないポイントです。
内容は少しずつ変わってきています。当社もそうですが、機能の進化やテクノロジーの最先端をお見せすることが、この展示会のミッションであることに変わりはありませんが、一方ではまた、新しいソリューションがあります。
例えばVRです。通常の静止画では表現できなかった立体の画像で、こうした切り口から新しい需要喚起が期待されます。動画もそうですね。レンズには従来の繰り出し式とは異なりレンズの長さが変わらないインナーズームやF値を調整するためのアイリスリンクがありますが、これらは動画の潮流に対応して進化したもの。お客様が満足のいく動画性能を引き出すためのものです。
AFや静止画の画質など従来のトラディショナルな進化と、動画やVRなどの新しい進化の2つの軸があり、それぞれに数多くのお客様にインタラクティブにアピールできるCP+は、店頭と同様に非常に重要なリアルな場。2025年2月27日(木)から3月2日(日)まで開催される「CP+2025」のキヤノンブースにも是非ご期待ください。
■「部活」「EOS学園」など写真文化を創造するユニークな活動にも注力
―― 年末年始商戦では「Canon冬のキャッシュバック-ぽかぽかフォトキャンペーン-」を1月14日まで開催されていますが、商品や販促施策のほかにも、写真文化を創造するユニークな取り組みをキヤノンさんでは展開されていらっしゃいます。
吉田 そのひとつに「部活」があります。被写体別のイベントで写真仲間とつながり、もっともっと写真を楽しんでいただきたいとの思いを込め、撮影会やオンラインセミナーなどのイベントを開催しています。
「鉄道部」「飛行機部」「旅スナップ部」「スポーツ部」など9つのジャンルがあり、撮影会に単に参加して終わりというのではなしに、講師としてお迎えするそのジャンルのトップランナーの先生や同じ趣味を持つ “部員” のみなさんと、楽しく写真の世界を広げていただきたい。Canon IDをお持ちであれば、どなたでもご参加いただけます。
写真教室の「EOS学園」では、これまで静止画の教室は数多くありましたが、今、動画と静止画を一緒に勉強する講座を充実させています。動画は写真の楽しみ方のひとつのバリエーションです。これから動画編集にチャレンジしてみたいという方にもぴったりな講座をご用意しています。
―― イメージングの世界では、BtoBとBtoCの垣根がどんどん低くなっているように感じます。
吉田 YouTuberなんかまさにそうですね。購入するときは個人ですが、使用されるときはBtoBで商用利用されています。さきほど新しい進化の軸としてお話したVRや3Dでは、個人はもちろんですが、BtoBの世界にも大きなチャンスがあると考えています。需要をどのように掘り起こしていくか。ご販売店さんでも一般のお客様とは別に、法人営業部などをお持ちのところもあり、そうした皆様とのパートナーシップも強化し、新しい需要にアプローチして参りたいと思います。
―― 若い方がカメラを始めようとしたときに、価格面のハードルの高さからなかなか手が出せないケースも見受けられます。「EOS R3」「EOS R1」、そして、「EOS R5 Mark II」が登場し、そこで培われた数々の最新技術が今後、ASP-Cモデルなど下位モデルへと活かされ、スマホからカメラへという流れをさらに後押しする強力な力となることが期待されています。
吉田 写真や動画の楽しみ方が多様化していくなか、お客様の夢を叶えることができる、要望を実現することができるカメラやレンズを順次お届けして参ります。「部活」「EOS学園」をはじめとするユニークな取り組みも一層充実して参りますので、2025年のキヤノンにどうぞご期待ください。
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