公開日 2018/06/04 17:32
残響成分を自身で生成
ソナス・ファベール、ペア1,380万円の新フラグシップスピーカー「AIDA II」
編集部:小澤貴信
(株)ノアは、Sonus faber(ソナス・ファベール)のフラグシップとなるスピーカーシステム「AIDA II」(アイーダ2)を6月1日より発売する。価格は13,800,000円/ペア(税抜)。
2012年に登場した初代「AIDA」の後継機種。外観上の変更点は最小に抑えられているが、先進的な電気音響工学に基づいた新技術を積極的に採用したとのこと。また、エンクロージャーの内部構造を新たに設計して、各ユニットのキャビネット容量を増加させた。ドライバーユニット、パーツ類も一新されている。
初代AIDAで採用したバスレフ・ポートチューニングシステム「ステルス・リフレックス」を進化させたバスレフシステムを搭載。低音域の拡張、バスレフダクトから発生する余分なスプリアス振動を排除することによるノイズの極小化を実現する特許技術「ステルス・ウルトラフレックス」を採用する。
トゥイーターには「アロー・ポイントD.A.D」テクノロジーを採用した「H28 XTR-04」ドライバーを搭載。ソフトドーム型トゥイーターとリングラジエーターの利点を兼ね備えたという28mm径の同社オリジナルトゥイーターで、2017年に登場した「HOMAGE Tradition」などにも先行して搭載されている。また、ユニットの背面には複雑な音響迷路を成形した天然木製の専用チャンバーを備えている。トゥイーターの音量を、リスニングルーム特性やリスナーの好みに合わせて3段階で調整することもできる。
ミッドレンジには、やはり同社が独自に開発したという「M18 XTR-04」ドライバーを搭載。ガンメタル製フレームに組み込まれる振動板には、天然素材のセルロース・パルプを非圧縮で自然乾燥させた180mm径コーンを用い、強力なネオジウム・マグネットで駆動させている。
音色に影響を与えやすく指向性に関わるトゥイーターとミッドレンジはキャビネット前面にインライン配置して、水平方向の指向特性を向上させるように配慮されている。また、両ユニットはキャビネット本体から音響的に独立させたチェンバーにマウントされている。
全面には220mm径の「W22 XTR-12」ウーファーユニットを2基搭載。振動板は、コーティング処理した天然セルロース・パルプ材で中空粒子配合のコア材を挟み込んだ、軽量サンドウィッチ構造となっている。この振動板は非常に軽量で、なおかつミッドレンジと同じ素材特性を持つため、音色マッチングにも優れるという。
ボイスコイルは、エディカレント(渦電流)対策を施した2インチ口径のボイスコイルを採用。高速かつリアリティーに優れたロングストローク磁気回路としており、大振幅信号にも余裕を持って対応できるという。マグネットには小型化しつつ駆動力も維持したネオジウムマグネットを採用。センターキャップには軽量ながら強度に優れたカーボン素材を新たに用い、外観の美しさと高レスポンスを両立させた。
エンクロージャー底面に下方向に向けて配置されたインフラ・サブウーファーには、320mm径の「SW32 XTR-08」ドライバーを採用。55kHz以下の周波数帯域を受け持つ。振動板にはハニカム・サンドイッチ構造コーンを採用。表面にはナノカーボンをコーティングして剛性も確保する。駆動部には4インチという大口径ボイスコイルを備えている。
このサブウーファーは、30mm厚のベースプレートと山型加工した15mmサブベースプレートの間を通して再生されるため、深く伸長しながら360度方向の床面に広がる超低音再生を実現できるという。なお、サブウーファーの音量はも3段階で調整できる。
リアバッフル面には、スピーカーユニットからの直接音と反響音を制御する特許技術「サウンド・シェイパー」2ウェイ・システムを装備。これはエンクロージャー背面に備えた2ウェイ・スピーカーで残響成分を自ら生成することで、リスニングルームの音響特性に依存することなく音場構築が行えるというものだ。
サウンド・シェイパー部は29mm径の「29XTR2」トゥイーターと、80mm径の「M8XTR」ミッドレンジで構成。トゥイーターはフロント同様にアロー・ポイントD.A.Dを装備したネオジウム磁石で駆動するドーム型トゥイーター、ミッドレンジ
にはペーパー・パルプと天然繊維をブレンドしたコーン・ドライバーを2基搭載する。サウンド・シェイパーの効果は4段階調整が可能で、システム自体をバイパスすることもできる。
クロスオーバー・ネットワークは、使用パーツを厳選して音声信号ロスを最小化。また、独自の「パラクロス・トポロジー(位相幾何学)」により振幅/位相特性、空間/時間特性を最適化しつつ、アンプとのマッチングを考慮して低域周波数のインピーダンスも最適に制御するという。
クロスオーバーは55Hz/150Hz/200Hz/3,000Hz。ミッドレンジの再生帯域が200Hzから3,000Hzと広いため、マルチウェイ・スピーカーでありながら高次元の音色統一が図られている点も特徴だという。
「リラ(竪琴)」を模したキャビネット設計を採用。キャビネット内部で平行する面を極力少なくすることで定在波を抑える一方、構造的強度もさらに高めた。キャビネット後部は前部に対して逆方向のカーブを描いており、過去の多くの風洞実験などの結果から実証されている最も空気抵抗の少ない形状となっているという。また、粘弾性の高い素材層によって防振を施す「圧縮積層防振構造」を追求して共振を排除しつつ、キャビネット内部に補強リブを配することで強度も高めた。
キャビネット本体の素材には、マホガニーに似た風合いの広葉樹「オクメ(Aucoumea)」材を採用。サイドパネルの仕上げはウォールナット材を使用した「Red」、ウェンゲ材を使用した「Wenge」の2種類を用意。いずれも職人の手によるハイグロス・ラッカー仕上げを施している。天面はアルミニウム削り出しブロックとガラスを配置。
キャビネット底部は、CNC加工機で成型した30mm厚のアルミニウム・ベースプレートを採用。その上部には独自の「ZVT(Zero Vibration Transmission)」を介して15mmサブベースプレートをマウントし、その上にキャビネットを構築する設計を採用している。
ZVTは、2010年登場の超弩級スピーカー「The Sonus faber」で採用された床面からの振動とスピーカーを遮断する特許技術「LVT(Low Vibration Transmission:低伝播振動)」を進化させたもので、山型加工「ボウ(弓)・スプリング技術」により強度を向上させたサブベースプレートとエラストマー樹脂材により、固有共振を効果的に抑えるという。
キャビネット内部のミッドレンジ+トゥイーター部、ウーファー部×2の3つのチェンバーは、非磁性合金スチール製の心棒で強固に連結させる設計を採用。逆相で振動させることで微小振動を排除する「TMD(Tuned Mass Damper)」も施し、振動対策を徹底している。
スピーカーターミナルは、バナナプラグ対応のトライワイヤリング方式となる。再生周波数帯域は、18Hz〜35kHz、能率は92dB、定格インピーダンスは4Ω。外形寸法は482W×1725H×780Dmm、質量は165kg(1本)となる。
2012年に登場した初代「AIDA」の後継機種。外観上の変更点は最小に抑えられているが、先進的な電気音響工学に基づいた新技術を積極的に採用したとのこと。また、エンクロージャーの内部構造を新たに設計して、各ユニットのキャビネット容量を増加させた。ドライバーユニット、パーツ類も一新されている。
初代AIDAで採用したバスレフ・ポートチューニングシステム「ステルス・リフレックス」を進化させたバスレフシステムを搭載。低音域の拡張、バスレフダクトから発生する余分なスプリアス振動を排除することによるノイズの極小化を実現する特許技術「ステルス・ウルトラフレックス」を採用する。
トゥイーターには「アロー・ポイントD.A.D」テクノロジーを採用した「H28 XTR-04」ドライバーを搭載。ソフトドーム型トゥイーターとリングラジエーターの利点を兼ね備えたという28mm径の同社オリジナルトゥイーターで、2017年に登場した「HOMAGE Tradition」などにも先行して搭載されている。また、ユニットの背面には複雑な音響迷路を成形した天然木製の専用チャンバーを備えている。トゥイーターの音量を、リスニングルーム特性やリスナーの好みに合わせて3段階で調整することもできる。
ミッドレンジには、やはり同社が独自に開発したという「M18 XTR-04」ドライバーを搭載。ガンメタル製フレームに組み込まれる振動板には、天然素材のセルロース・パルプを非圧縮で自然乾燥させた180mm径コーンを用い、強力なネオジウム・マグネットで駆動させている。
音色に影響を与えやすく指向性に関わるトゥイーターとミッドレンジはキャビネット前面にインライン配置して、水平方向の指向特性を向上させるように配慮されている。また、両ユニットはキャビネット本体から音響的に独立させたチェンバーにマウントされている。
全面には220mm径の「W22 XTR-12」ウーファーユニットを2基搭載。振動板は、コーティング処理した天然セルロース・パルプ材で中空粒子配合のコア材を挟み込んだ、軽量サンドウィッチ構造となっている。この振動板は非常に軽量で、なおかつミッドレンジと同じ素材特性を持つため、音色マッチングにも優れるという。
ボイスコイルは、エディカレント(渦電流)対策を施した2インチ口径のボイスコイルを採用。高速かつリアリティーに優れたロングストローク磁気回路としており、大振幅信号にも余裕を持って対応できるという。マグネットには小型化しつつ駆動力も維持したネオジウムマグネットを採用。センターキャップには軽量ながら強度に優れたカーボン素材を新たに用い、外観の美しさと高レスポンスを両立させた。
エンクロージャー底面に下方向に向けて配置されたインフラ・サブウーファーには、320mm径の「SW32 XTR-08」ドライバーを採用。55kHz以下の周波数帯域を受け持つ。振動板にはハニカム・サンドイッチ構造コーンを採用。表面にはナノカーボンをコーティングして剛性も確保する。駆動部には4インチという大口径ボイスコイルを備えている。
このサブウーファーは、30mm厚のベースプレートと山型加工した15mmサブベースプレートの間を通して再生されるため、深く伸長しながら360度方向の床面に広がる超低音再生を実現できるという。なお、サブウーファーの音量はも3段階で調整できる。
リアバッフル面には、スピーカーユニットからの直接音と反響音を制御する特許技術「サウンド・シェイパー」2ウェイ・システムを装備。これはエンクロージャー背面に備えた2ウェイ・スピーカーで残響成分を自ら生成することで、リスニングルームの音響特性に依存することなく音場構築が行えるというものだ。
サウンド・シェイパー部は29mm径の「29XTR2」トゥイーターと、80mm径の「M8XTR」ミッドレンジで構成。トゥイーターはフロント同様にアロー・ポイントD.A.Dを装備したネオジウム磁石で駆動するドーム型トゥイーター、ミッドレンジ
にはペーパー・パルプと天然繊維をブレンドしたコーン・ドライバーを2基搭載する。サウンド・シェイパーの効果は4段階調整が可能で、システム自体をバイパスすることもできる。
クロスオーバー・ネットワークは、使用パーツを厳選して音声信号ロスを最小化。また、独自の「パラクロス・トポロジー(位相幾何学)」により振幅/位相特性、空間/時間特性を最適化しつつ、アンプとのマッチングを考慮して低域周波数のインピーダンスも最適に制御するという。
クロスオーバーは55Hz/150Hz/200Hz/3,000Hz。ミッドレンジの再生帯域が200Hzから3,000Hzと広いため、マルチウェイ・スピーカーでありながら高次元の音色統一が図られている点も特徴だという。
「リラ(竪琴)」を模したキャビネット設計を採用。キャビネット内部で平行する面を極力少なくすることで定在波を抑える一方、構造的強度もさらに高めた。キャビネット後部は前部に対して逆方向のカーブを描いており、過去の多くの風洞実験などの結果から実証されている最も空気抵抗の少ない形状となっているという。また、粘弾性の高い素材層によって防振を施す「圧縮積層防振構造」を追求して共振を排除しつつ、キャビネット内部に補強リブを配することで強度も高めた。
キャビネット本体の素材には、マホガニーに似た風合いの広葉樹「オクメ(Aucoumea)」材を採用。サイドパネルの仕上げはウォールナット材を使用した「Red」、ウェンゲ材を使用した「Wenge」の2種類を用意。いずれも職人の手によるハイグロス・ラッカー仕上げを施している。天面はアルミニウム削り出しブロックとガラスを配置。
キャビネット底部は、CNC加工機で成型した30mm厚のアルミニウム・ベースプレートを採用。その上部には独自の「ZVT(Zero Vibration Transmission)」を介して15mmサブベースプレートをマウントし、その上にキャビネットを構築する設計を採用している。
ZVTは、2010年登場の超弩級スピーカー「The Sonus faber」で採用された床面からの振動とスピーカーを遮断する特許技術「LVT(Low Vibration Transmission:低伝播振動)」を進化させたもので、山型加工「ボウ(弓)・スプリング技術」により強度を向上させたサブベースプレートとエラストマー樹脂材により、固有共振を効果的に抑えるという。
キャビネット内部のミッドレンジ+トゥイーター部、ウーファー部×2の3つのチェンバーは、非磁性合金スチール製の心棒で強固に連結させる設計を採用。逆相で振動させることで微小振動を排除する「TMD(Tuned Mass Damper)」も施し、振動対策を徹底している。
スピーカーターミナルは、バナナプラグ対応のトライワイヤリング方式となる。再生周波数帯域は、18Hz〜35kHz、能率は92dB、定格インピーダンスは4Ω。外形寸法は482W×1725H×780Dmm、質量は165kg(1本)となる。
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