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公開日 2023/06/19 14:30
コニカミノルタ プラネタリアTOKYOにて6/26より一般公開

ピンク・フロイド「狂気」、プラネタリウム向け特別映像上映。圧倒的没入感を一足先に体験してきた

ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
ピンク・フロイドのアルバム『狂気』(原題:The Dark Side of the Moon)が発売されて、今年でちょうど50周年となる。それを記念して、「プラネタリウム」向けのスペシャル映像が制作され、全世界100箇所のプラネタリウムで公開される。そのメディア向け鑑賞会が東京・有楽町のコニカミノルタ プラネタリアTOKYO DOME1で開催された。

プラネタリウム・ショー「The Dark Side Of The Moon」

『狂気』とプラネタリウムでは、意外な組み合わせのようにも思えるが、実は1973年に本作の記者会見が行われたのは、ロンドンのプラネタリウムという縁があるのだという。会見では楽曲に合わせて星空や星座が映し出されたそうで、原題の通り、月、そして宇宙への遥かなイマジネーションが本作と密接に関わり合っていることがわかる。

プラネタリウムは、通常中央にプロジェクターを配置して投影するが、プラネタリアTOKYOでは、壁面7つのプロジェクターで天球に投影するようになっており、非常に輝度の高い映像となっているという。また、音声に関しても元々の音源は5.1chにミックスされたものだが、ここでは22chのスピーカーが組み込まれていることから、この場のためにだけに特別なリミックスが施されているのだという。

座席は、大型のソファクッション(いわゆる“人をダメにするソファ”の類)やリラックスチェアになっており、自由な体勢で鑑賞することができる。ちょうど天頂真下あたりのクッションに陣取り、ほとんど寝っ転がるような体勢になると、視界全体が星空で埋め尽くされ、開演前からすっかりリラックスしたモードに。

すっかりリラックスした体勢で鑑賞スタート

冒頭の心臓の鼓動から、音に合わせてピラミッドに吸い込まれていき…と思ったら宇宙空間が目の前に広がる。無重力空間に突如放り出されたような不思議な感覚に、足元がゾワゾワしてくる(ただ寝っ転がっているだけなのに!)。

歌詞や楽曲の世界観ともマッチした映像表現にひきずりこまれる

そこから始まるめくるめく42分間。この時間は、これまでのすべての「没入感」を超越する体験であった、と言えるかもしれない。視界の端ですべてを捉えきれないほどの大画面、360度あらゆる方向から聴こえてくる音楽、刻々と変わる映像表現、それらすべてが同期して、まるでSF空間の中にいるかのよう。

アルバム全10曲、それぞれの世界観と密接に関わり合いながら、宇宙へのイマジネーションが頭のまわりを一気に駆け巡る。土星の輪の中に飛び込めば、小惑星がぶつかりそうな勢いで飛び込んでくるし、スペースシャトルでは無重力空間をそのまま体験しているよう。

ピンク・フロイドが好きな人はもちろんだが、「インターステラー」などの宇宙映画、あるいは「三体」などの宇宙を舞台にした小説などが好きな人にもオススメしたい。42分間、あっという間なのに長い時間を旅してきたような。「コンタクト」もかくやの体験が味わえる。

人間のイマジネーションの限界に挑戦するような映像と音の奔流、もはや物理VRとでも言いたくなるような圧倒的な没入感。6月26日(月)より7月5日(水)までの期間限定で一般公開されるので、ぜひこの非日常なSF空間を全身で味わってほしい。

■プラネタリウム・ショー「The Dark Side Of The Moon」
上映期間 6月26日(月)から7月5日(水)
上映スケジュールは公式サイトをご確認ください
鑑賞料金 2,600円(税込)
上映時間 44分
映像制作 NSC Creative(イギリス)
配給契約 IPS(国際プラネタリウム協会)
日本配給 合同会社アルタイル
制作 ピンク・フロイド

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