ニュース
HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2016/11/11 17:04
東芝Z20Xで4K HDRと4K SDRを比較視聴
ひかりTVによる“世界初”HDR対応4K-IP中継を見た - 侍ジャパン VS メキシコ
編集部:小澤貴信
(株)NTTぷららと(株)アイキャストは11月10日、ひかりTVにおいて、HDR対応4K-IP放送による生中継として、東京ドームで行われた「侍ジャパン強化試合」(日本対メキシコ)を放送した。
HDR対応の4K-IP放送の生中継は、同社によれば”世界初”とのこと。NTTぷららは同社オフィスにて、2台のテレビによる4K-HDR放送と4K-SDR放送の両画質を比較できるプレス向け視聴会を開催した。
今回は、HDRはHLG(Hybrid Log Gamma)方式で配信し、「ひかりTVチャンネル 4K」で放送。同チャンネルはひかりTVのお値うちプラン、テレビおすすめプラン、ビデオざんまいプラン、基本放送プランのいずれかに加入していれば、プラン料金内で視聴できる。なお4K/HDRのIP放送を視聴できるテレビは現在のところ、東芝のREGZA Z20Xシリーズがある。
視聴会場にも、50Z20X(50インチ)を2台用意。片方は4K-HDRで、もう片方は4K-SDRで放送を受信して、同時に両放送を比較することができた。
今回の放送は、4K-HDRと2K-SDRの2種類で行われているが、いずれも同一のカメラ(ソニー HDC-4300、合計7台)で撮影。撮影したデータはリアルタイムで4K-HDRと2K-SDRにそれぞれエンコードが行われ、2系統で放送が行われた。4K-SDR映像については、4K-HDRの信号を、50Z20XのHDR機能をオフにした状態のものとなる。
今回は、HDR対応の4K-IP放送の生中継という初の試みということもあり、東京ドームの中継車において、各映像を随時確認しながら画質チューニングを行いながら、放送を行ったという。実際、視聴会の会場での質問や要望を担当者が現場にリアルタイムで伝えて、調整を試みるという場面も見られた。
当日会場で4K-HDR映像のエンコードに携わったスタッフは、「侍ジャパンのユニフォームの白が綺麗に見えるように調整していた」とのこと。メキシコチームの「真っ黒」なヘルメットと、アンパイアのユニフォームの「色あせたような黒」のちがいがしっかり表現できることも意識されたという。こうした現場の情報が、メールのやりとりを通じて随時、視聴会会場に伝えられるかたちとなった。
また、HDRによって「通常より絞りを一段上げても白飛びしない」とのことで、より柔軟かつ情報量を引き出す画作りが行えたとのことだった。
会場で説明を行った(株)NTTぷららの技術本部・技術開発部長の宮里系一郎氏によると、東京ドームでは人工芝からの照り返しがテレビで見るより強いとのこと。そのためこれまでは飛ばしていた帯域があったが、これがHDRになるとカバー範囲内になるため、今後の画作りにおいても検討材料になるだろうとのことだった。
なお、今回の放送では信号レベルを最大値の80%において階調がでるように調整しているとのこと。最大の明るさは600〜800nitになるとのことだった。伝送ビットレートは約30Mbpsで、映像ビットレートは従来の4K-IP放送と同じく25Mbpsで行ったという。
宮里氏は、今回が世界初の試みであり、この結果を蓄積することで、4K-HDR放送のノウハウを構築していきたいとした。今回はHDR用の照明は用いていないが、この環境では白を調整するのが難しく、今後はHDRを考慮した演出も必要になるのではとも語っていた。
記者が実際に視聴した印象だが、照明のまぶしさ、正面を反射する人工芝の鮮やかさがひと目みてSDRと大きく違う。さらに中継スタッフの言葉通り、侍ジャパンのユニフォームの白も、布地の艶や質感が画面を通してしっかり伝わってくる。
背景に目をやると、HDR映像のほうが、明らかにディティール情報が多く感じる。スタンドが映されたシーンなど、観客1人1人の服装や表情が、HDRだとより判別できる。一方、HDRではSDRに比べてやや黒が浮いた印象になる。一方で、長時間見ていると、野球中継ならではの表示頻度の多いスーパーにやや目が疲れるという印象も持った。このあたりは、今後の調整によって改善されていくことだろう。
「ひかりTVチャンネル 4K」では、今回の「侍ジャパン強化試合」を、本日10月11日(金・対メキシコ)、12日(土・対オランダ)、13日(日・対オランダ)とあと3試合、生中継する予定だ。視聴環境をお持ちの方は、ぜひ4K-HDRだからこそ可能な臨場感ある映像を体感してほしい。
HDR対応の4K-IP放送の生中継は、同社によれば”世界初”とのこと。NTTぷららは同社オフィスにて、2台のテレビによる4K-HDR放送と4K-SDR放送の両画質を比較できるプレス向け視聴会を開催した。
今回は、HDRはHLG(Hybrid Log Gamma)方式で配信し、「ひかりTVチャンネル 4K」で放送。同チャンネルはひかりTVのお値うちプラン、テレビおすすめプラン、ビデオざんまいプラン、基本放送プランのいずれかに加入していれば、プラン料金内で視聴できる。なお4K/HDRのIP放送を視聴できるテレビは現在のところ、東芝のREGZA Z20Xシリーズがある。
視聴会場にも、50Z20X(50インチ)を2台用意。片方は4K-HDRで、もう片方は4K-SDRで放送を受信して、同時に両放送を比較することができた。
今回の放送は、4K-HDRと2K-SDRの2種類で行われているが、いずれも同一のカメラ(ソニー HDC-4300、合計7台)で撮影。撮影したデータはリアルタイムで4K-HDRと2K-SDRにそれぞれエンコードが行われ、2系統で放送が行われた。4K-SDR映像については、4K-HDRの信号を、50Z20XのHDR機能をオフにした状態のものとなる。
今回は、HDR対応の4K-IP放送の生中継という初の試みということもあり、東京ドームの中継車において、各映像を随時確認しながら画質チューニングを行いながら、放送を行ったという。実際、視聴会の会場での質問や要望を担当者が現場にリアルタイムで伝えて、調整を試みるという場面も見られた。
当日会場で4K-HDR映像のエンコードに携わったスタッフは、「侍ジャパンのユニフォームの白が綺麗に見えるように調整していた」とのこと。メキシコチームの「真っ黒」なヘルメットと、アンパイアのユニフォームの「色あせたような黒」のちがいがしっかり表現できることも意識されたという。こうした現場の情報が、メールのやりとりを通じて随時、視聴会会場に伝えられるかたちとなった。
また、HDRによって「通常より絞りを一段上げても白飛びしない」とのことで、より柔軟かつ情報量を引き出す画作りが行えたとのことだった。
会場で説明を行った(株)NTTぷららの技術本部・技術開発部長の宮里系一郎氏によると、東京ドームでは人工芝からの照り返しがテレビで見るより強いとのこと。そのためこれまでは飛ばしていた帯域があったが、これがHDRになるとカバー範囲内になるため、今後の画作りにおいても検討材料になるだろうとのことだった。
なお、今回の放送では信号レベルを最大値の80%において階調がでるように調整しているとのこと。最大の明るさは600〜800nitになるとのことだった。伝送ビットレートは約30Mbpsで、映像ビットレートは従来の4K-IP放送と同じく25Mbpsで行ったという。
宮里氏は、今回が世界初の試みであり、この結果を蓄積することで、4K-HDR放送のノウハウを構築していきたいとした。今回はHDR用の照明は用いていないが、この環境では白を調整するのが難しく、今後はHDRを考慮した演出も必要になるのではとも語っていた。
記者が実際に視聴した印象だが、照明のまぶしさ、正面を反射する人工芝の鮮やかさがひと目みてSDRと大きく違う。さらに中継スタッフの言葉通り、侍ジャパンのユニフォームの白も、布地の艶や質感が画面を通してしっかり伝わってくる。
背景に目をやると、HDR映像のほうが、明らかにディティール情報が多く感じる。スタンドが映されたシーンなど、観客1人1人の服装や表情が、HDRだとより判別できる。一方、HDRではSDRに比べてやや黒が浮いた印象になる。一方で、長時間見ていると、野球中継ならではの表示頻度の多いスーパーにやや目が疲れるという印象も持った。このあたりは、今後の調整によって改善されていくことだろう。
「ひかりTVチャンネル 4K」では、今回の「侍ジャパン強化試合」を、本日10月11日(金・対メキシコ)、12日(土・対オランダ)、13日(日・対オランダ)とあと3試合、生中継する予定だ。視聴環境をお持ちの方は、ぜひ4K-HDRだからこそ可能な臨場感ある映像を体感してほしい。