トップページへ戻る

ニュース

HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース

公開日 2017/03/08 15:03
デュアルDAC/フルバランス構成

パイオニア、“private”の名を冠した小型DAP「XDP-30R」。バランス対応、39,800円前後

編集部:小澤貴信
オンキヨー&パイオニア イノベーションズは、パイオニアブランドの小型ポータブルオーディオプレーヤーとして、“private”(プライベート)「XDP-30R」を3月中旬より発売する。価格はオープンだが、39,800円前後での実売が予想される。カラーはシルバーとブラックの2色を用意する。

PIONEER「XDP-30R」


同ブランド「XDP-300R」「XDP-100R」に続くハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤー(DAP)。サイズは94W×63H×15Dmm、重さ120gという小型モデルとなる。昨年のIFAで初披露されていたが(関連ニュース)、今回正式発表された。



発表会では、製品企画を担当したオンキヨー&パイオニアイノベーションズの佐野恭平氏が本機の詳細をプレゼン。また、基板設計を担当した湯川聡志氏、ソフトウェア設計を担当した鈴木貴博氏にも各部について聞くことができた。

オンキヨー&パイオニアイノベーションズ(株)ネットワークサービス事業本部 DAP 商品企画部 佐野恭平氏

オンキヨー&パイオニア テクノロジー(株)開発技術グループ 技術4課 鈴木貴博氏(右)と同社 設計部 開発技術グループ 技術2課 湯川聡志氏(左)

パイオニアのDAPは、はじめに登場したXDP-100Rでは2.5mm 4極バランス端子が非搭載だった(後から登場した上位機XDP-300Rは搭載)。だが今回のXDP-30Rはバランス端子の搭載を実現した。300RからはツインDAC構成やフルバランス回路も継承。5.6MHz DSDのネイティブ再生および192kHz/32bitまでのPCM音源の再生に対応する。

2.5mm4極バランス端子も搭載

SDカードスロットは2系統を備える

DAC部にはESS Technology社製のDACチップ「ES9018C2M」を、アンプ部には同じくESSの「9601K」を、それぞれ片chあたり1基の合計2基ずつ搭載。フルバランス回路構成とすることにより、優れたセパレーション、S/Nのよいクリアで広がりのある音を実現したとのこと。

上位機にならってカッパー調の配色が施されたボリュームホイール

背面部は角をとった立体的なデザインとしている

オーディオクロックは44.1kHz/48kHzの2系統を搭載。88.2kHzや176.4kHzなどの音源もネイティブで再生できる。

上述のフルバランス回路によって、2.5mm 4極端子によるバランス駆動に対応。バランス出力は、BTLバランスモード/Active Control GNDモード、ラインアウトモードの3モードから切り替えられる。

BTLバランスモードは、片chあたり2ch分のアンプを用いてイヤホンを鳴らす一般的なバランス駆動。Active Control GND駆動は、2つのDAC出力(L-GND/R-GND)をCOLD側アンプとして単独駆動させて“0V”に強固に固定することで、グランドの揺らぎを排除するというもので、クリアかつパワフルで定位感と奥行き再現に優れたサウンドを実現できるという。

3.5mm端子については、通常のイヤホン出力と、ボリューム固定のライン出力を切り替えられる。実用最大出力はアンバランスで75mW+75mW、バランスで150mW+150mWとなる。

オーディオ基板上にDACとアンプをシンメトリー配置すると共に、オーディオ基板と電気ノイズの多い電源部をセパレート設計とすることで、オーディオ回路へのノイズの影響を排除する。

基板設計においては、筐体がコンパクトなためにオーディオ回路と電源が同一基板に配置されるため、特にノイズ対策には注力したとのこと。音質チューニングについては、本機専任の音質担当が実施している。

XDP-30Rのシャーシ(左)とDP-S1のシャーシ(右)

本体シャーシは、ミクロ単位で緻密に計算してアルミニウムの塊から直接削り出した(総削り出し)というアルミ製シャーシを採用。筐体剛性を向上させるとともに抵抗値を低減できるため、クリアな音質を実現できるという。

再生可能な音楽ファイルは、DSD系がDSF・DSDIFF、PCM系がWAV・AIFF・FLAC・ALAC・AAC・MP3。対応する周波数/量子化ビット数は、DSDが2.8MHz・5.8MHz、PCMが最大192kHz/32bitとなる。後日のアップデートでMQA再生にも対応する。

ディスプレイは2.4インチで、タッチ操作に対応。内蔵メモリーは16GB。microSDカードスロットは2系統を備え、SDHC/SDXCカードに対応。1スロットあたり最大200GBまでの容量に対応する。

Wi-FiおよびBluetoothも内蔵。Wi-Fi接続時には、音楽ストリーミングやインターネットラジオの再生にも対応。現時点で「radiko.jp」および「Tune in」の再生が可能となる。なお、e-onkyo musicからのハイレゾ音源ダウンロードにもアップデートで対応予定だ。

BluetoothはSBCコーデックのみに対応。Bluetooth接続したスマートフォンからDP-S1を操作できる専用アプリが提供される。

ソフトウェアは、XDP-300RやXDP-100Rで採用されたAndroid OSではなく、Linuxベースに開発された独自OSを採用。また、オンキヨーのDP-S1とは異なるユーザーインターフェース(UI)を採用する。

ホーム画面

具体的な差異としては、ホーム画面のアイコン配置のちがいのほか、XDP-30Rのみ、ホーム画面や設定画面の背景に、その時に再生中のアルバムアートが表示される。

UIの背景に再生中のアルバムアートを映したところ

UIの設計においては、本機が片手で持てるコンパクトモデルだけに、片手の親指だけで操作が簡潔することを狙ったという。物理ボタンの位置なども同様の意図をもって配置されている。またディスプレイも小さいため、限られた画面の中でいかに使いやすくかつ必要な情報を伝えられるかも、UIを設計する上でのテーマになったという。

音楽再生中の画面

アルバムアートをフル表示したところ

聴き手の好みに積極的に音質チューニングを行えるように、音質系機能も多数搭載。7ステップの調整からジッターノイズの低減を追い込むことが可能なロックレンジアジャスト機能、SHARP/SLOW/SHORTの3モードで楽曲を楽しめるデジタルフィルターを備える。

ロックレンジアジャストの調整画面

アップサンプリング機能も搭載。MP3などの圧縮音源も96kHzまたは88.2kHz、192kHzまたは176.4kHzに変換して再生が可能だ。本機能は音楽ファイルに加えて、音楽ストリーミングの音源にも適応可能だ。また、iOS/Android向けに用意された専用コントロールアプリ「Pioneer DapController」に対応しており、Bluetooth接続したスマートフォンから本機の再生/停止、音量調整などの基本操作が行える。

16bitまたは24bitの音源を、32bitまで拡張してアナログのような滑らかな音質で再生できるという“Hi-Bitモード”も備えている。

ボリュームは本体側面のノブによって、61ステップの細かな調整が可能となっている。ゲイン設定はLow/Normal/Highの3つを用意。カスタムIEMからヘッドホンまでに対応する。

10バンドのイコライザー機能も搭載。6個のプリセット(Flat/Pop/Rock/Jazz/Dance/Vocal)に加え、プリセットをカスタマイズして最大3個まで保存できる。楽曲の雰囲気に合わせて5段階の調節が可能なBass Enhancerも搭載する。

物理操作ボタンは本体側面に配置。電源のオン/オフ、再生/曲送り/曲戻しなど、画面を見ずに操作できる。また、本体ロックスイッチも用意。画面ホールド時のボリュームノブ、および物理操作ボタンのロック/アンロックを個別に設定できる。

DAP機能関連では、プレイリスト作成機能も搭載。Windows PCから音楽ファイルを簡単に本体へ転送できる無償アプリ“X-DAP Link(クロスダップリンク)も提供される。充電およびデータ転送は、microUSB端子から行える。内蔵バッテリーは1,630mAh/3.8Vで、再生時間は約15時間(FLAC 96kHz/24 bit、アンバランス再生時)。

全高調波歪率は0.006%以下(1kHz/32Ω/1mW時)、S/Nは115 dB以上(1kHz/32Ω/BW=22kHz/A-weighted)、再生周波数帯域は20Hz〜80kHz、インピーダンスはアンバランス:16Ω〜300Ω、バランス:32Ω〜600Ωとなる。

3月11日(土)に発売前先行体験会を開催

3月11日(土)には、発売前先行体験会が東京・大阪でそれぞれ開催される。会場は東京がGibson brands Showroom TOKYO、大阪がオンキヨーカスタムIEMポップアップストア。開催時間は12時から18時までで、事前予約は不要となる。なお各会場で先着50名に、特製モバイルバッテリーチャージャーがプレゼントされる。

関連リンク

製品スペックを見る
  • ジャンルその他
  • ブランドPIONEER
  • 型番XDP-30R
  • 発売日2017年3月中旬
  • 価格¥OPEN(予想実売価格39,800円前後)
【SPEC】●ディスプレイ:2.4型静電容量タッチスクリーン ●内臓メモリ:16GB ●歪率:0.006%以下 ●S/N比:115dB以上 ●再生周波数帯域:20Hz〜80kHz ●外形寸法:63W×94H×15D? ●質量:120g

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 【ミニレビュー】空き電源コンセントに挿入するだけ。オーディオみじんこ「SILVER HARMONIZER AC-ADVANCE」
2 連載:世界のオーディオブランドを知る(3)日本発ブランドの象徴「デノン」の歴史を紐解く
3 ボーズ、ながら聴きTWS「Bose Ultra Open Earbuds」にさらに新色。計7色のカラバリを用意
4 FX-AUDIO-、ヘッドホンアンプ/プリアンプとしても使えるコンパクトDAC「DAC-T3J」。税込7480円
5 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.1】10000円未満のオススメは?
6 日本発、高コスパイヤホン新本命。final「ZE3000SV」は機能充実、そして何より音が良い!
7 BenQ、ノングレアIPSパネル搭載のプログラミング向け31.5型4Kモニター「RD320U」
8 e☆イヤホン、2025年「福耳袋」を12/20から順次販売開始。スタッフセレクト袋や100万円の「超福耳袋」も
9 装着性が向上してさらに進化! “ハイルドライバー” AMT搭載のオープン型ヘッドホン「HEDDphone TWO」を聴く
10 【インタビュー】エソテリックとティアック、進化し続ける2ブランド。世界にアピールする技術力でオーディオを推進
12/18 9:21 更新

WEB