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公開日 2019/04/03 17:38
高画質化、小型化が推進
霧や球体に映像投写、超音波・風でVRに触覚をプラス。「先端デジタルテクノロジー展」レポート
編集部:押野 由宇
本日4月3日から5日の3日間にわたり、東京ビッグサイトにて最先端のコンテンツ事業や技術を展示する「コンテンツEXPO東京」が開催されている。本稿では、同会場にて実施の「第5回先端デジタルテクノロジー展」の模様をレポートしたい。
先端デジタルテクノロジー展では、VR・AR・MRや4K8K、立体音響などの次世代映像・サウンドソリューションに関する様々な技術展示が行われている。各ブースを見て回ると、映像の高画質化の推進や立体音響システムの簡易化という方向性に加え、視覚・聴覚以外に訴えるシステムが多い印象を受けた。
そんななかで、ソニーは空間音響技術「Sonic Surf VR」を用いたデモを展示。これは前面に設置されたスピーカーのみで、空間上にオブジェクト音源を定位させるもので、シアターシステムのように実際に背後や頭上にスピーカーを設置する必要がないことが大きな特徴となる。
ブースに用意されたのは、波面合成に最適化されたSonic Surf VR専用のマルチチャンネルアクティブスピーカー12台。1台あたり8chのユニットを内蔵しており、そのユニットの配置距離も重要になっているという。これらを横一列に並べて、専用プレーヤーおよびオーサリングソフトウェアを組み合わせることで立体音響を実現させる。現状では高価なシステムとなるため、美術館やイベント会場、ホールなど主にBtoBでの使用を想定。今後は専門学校に導入し、本システムを使うクリエイターの母数を増やし、大量生産による原価減を目指す。
パイオニアも、音声補正技術「Dirac」を用いた立体音響をデモ。スピーカーの左右から出る音を、人間の左耳/右耳に適切に届けることで、小型のフロントスピーカーであってもスピーカーが外に飛び出したような広いステージでの立体感あるサウンドを実現するというもの。パソコンに「Dirac Panorama Sound」を実装したFMVの「ESPRIMO DH」シリーズ(関連ニュース)が設置され、実際に効果を体験することができた。
ヘッドマウントディスプレイは、Pico Technology Japan「pico G2」やクリーク・アンド・リバー「IDEALENS K4」など4K解像度のディスプレイ搭載対応を謳うスタンドアロン型モデルが多く登場していた。これらはともに、多くのコンテンツでさらなる没入感を得られることをアピールしている。
また、NTTテクノクロスは「VIVE PRO」を用いた “12K-Ready” の360度高画質映像再生を用意。これはHMDを装着したユーザーが見ている方向の映像のみ8K解像度で配信、それ以外の全体映像は低解像度にすることで、配信などでの回線やハードウェアスペックの負担を減らすことができるもので、12Kクラスの映像素材にも対応でき、技術的には16Kにも対応が可能とのことだ。
また、ディスプレイそのものの形状を変える取り組みも各社が実践する。スコットランドのパファーフィッシュ社は4K対応という球体ディスプレイを展示。底面よりレーザープロジェクターで映像を内部から投写する仕組みで、赤外線センサーを複数搭載しており、指などで触ることで画面上を操作することができるようになっている。
また、ポーランドION Concept社は天井吊り下げ式のミストディスプレイをデモ。霧(ミスト)を噴射し、そこにレーザープロジェクターで映像を投写するというもので、映像をくぐり抜けるなどの体験が可能なため、ライブの演出などにも用いることができるとしている。
AGCは、ガラスサイネージ「Glascene F」をアピール。ショーウインドウなどのガラスに貼って使用する透過型のスクリーンフィルムで、リア投写型とフロント投写型、さらに透明性重視のクリアタイプと映像の明るさを重視したブライトタイプをラインナップしており、内装や外装など幅広いシーンで活用できるという。
ウルトラハプティクス社は、超音波により触感を生成する空中ハプティクス技術を展示。VRコンテンツに触感をプラスすることでさらにリアルさを増す演出や、壊れやすい豆を砕くなどプチプチを潰すようなストレス解消コンテンツにも活用できるほか、クルマの運転中に直感的な操作を可能にする車載向けHMIとの融合など、発展性の高い技術として強くアピールされていた。
MOAI設計は、圧縮空気による “VR触覚装置” を展示した。これはバンダイナムコアクセラレータープログラムにも採択されているもので、触覚の要素として風を利用したシステムとなる。会場ではヘッドホンに圧縮空気放出装置を一体化した「Voiceture system」が展示されており、ささやき声に合わせて温かい吐息を感じさせる空気が出てくるようになっていた。
VRコンテンツについては、VR映像配信プラットフォーム「360Channel(サンロクマルチャンネル)」を運営する360Channel担当者によれば、コンテンツの数や自社制作できる会社などもこれからという段階にあるという。同社ではVR映像の制作も請け負っているが、配信に対して制作を求められる割合が高いとのこと。
またVRのほか、動画コンテンツの1つのかたちとしてインタラクティブ動画が注目を集めている。「東北新社×タッチスポット」で提供するTouchSpotでは、動画にタグを埋め込むことで、ノベルゲームのように視聴者が動画の展開を選択できる動画作成サービスを展開。双方向での映像体験により没入感が高まるほか、例えば動画広告などに活用した場合でもより高い効果が期待できるという。
先端デジタルテクノロジー展では、VR・AR・MRや4K8K、立体音響などの次世代映像・サウンドソリューションに関する様々な技術展示が行われている。各ブースを見て回ると、映像の高画質化の推進や立体音響システムの簡易化という方向性に加え、視覚・聴覚以外に訴えるシステムが多い印象を受けた。
そんななかで、ソニーは空間音響技術「Sonic Surf VR」を用いたデモを展示。これは前面に設置されたスピーカーのみで、空間上にオブジェクト音源を定位させるもので、シアターシステムのように実際に背後や頭上にスピーカーを設置する必要がないことが大きな特徴となる。
ブースに用意されたのは、波面合成に最適化されたSonic Surf VR専用のマルチチャンネルアクティブスピーカー12台。1台あたり8chのユニットを内蔵しており、そのユニットの配置距離も重要になっているという。これらを横一列に並べて、専用プレーヤーおよびオーサリングソフトウェアを組み合わせることで立体音響を実現させる。現状では高価なシステムとなるため、美術館やイベント会場、ホールなど主にBtoBでの使用を想定。今後は専門学校に導入し、本システムを使うクリエイターの母数を増やし、大量生産による原価減を目指す。
パイオニアも、音声補正技術「Dirac」を用いた立体音響をデモ。スピーカーの左右から出る音を、人間の左耳/右耳に適切に届けることで、小型のフロントスピーカーであってもスピーカーが外に飛び出したような広いステージでの立体感あるサウンドを実現するというもの。パソコンに「Dirac Panorama Sound」を実装したFMVの「ESPRIMO DH」シリーズ(関連ニュース)が設置され、実際に効果を体験することができた。
ヘッドマウントディスプレイは、Pico Technology Japan「pico G2」やクリーク・アンド・リバー「IDEALENS K4」など4K解像度のディスプレイ搭載対応を謳うスタンドアロン型モデルが多く登場していた。これらはともに、多くのコンテンツでさらなる没入感を得られることをアピールしている。
また、NTTテクノクロスは「VIVE PRO」を用いた “12K-Ready” の360度高画質映像再生を用意。これはHMDを装着したユーザーが見ている方向の映像のみ8K解像度で配信、それ以外の全体映像は低解像度にすることで、配信などでの回線やハードウェアスペックの負担を減らすことができるもので、12Kクラスの映像素材にも対応でき、技術的には16Kにも対応が可能とのことだ。
また、ディスプレイそのものの形状を変える取り組みも各社が実践する。スコットランドのパファーフィッシュ社は4K対応という球体ディスプレイを展示。底面よりレーザープロジェクターで映像を内部から投写する仕組みで、赤外線センサーを複数搭載しており、指などで触ることで画面上を操作することができるようになっている。
また、ポーランドION Concept社は天井吊り下げ式のミストディスプレイをデモ。霧(ミスト)を噴射し、そこにレーザープロジェクターで映像を投写するというもので、映像をくぐり抜けるなどの体験が可能なため、ライブの演出などにも用いることができるとしている。
AGCは、ガラスサイネージ「Glascene F」をアピール。ショーウインドウなどのガラスに貼って使用する透過型のスクリーンフィルムで、リア投写型とフロント投写型、さらに透明性重視のクリアタイプと映像の明るさを重視したブライトタイプをラインナップしており、内装や外装など幅広いシーンで活用できるという。
ウルトラハプティクス社は、超音波により触感を生成する空中ハプティクス技術を展示。VRコンテンツに触感をプラスすることでさらにリアルさを増す演出や、壊れやすい豆を砕くなどプチプチを潰すようなストレス解消コンテンツにも活用できるほか、クルマの運転中に直感的な操作を可能にする車載向けHMIとの融合など、発展性の高い技術として強くアピールされていた。
MOAI設計は、圧縮空気による “VR触覚装置” を展示した。これはバンダイナムコアクセラレータープログラムにも採択されているもので、触覚の要素として風を利用したシステムとなる。会場ではヘッドホンに圧縮空気放出装置を一体化した「Voiceture system」が展示されており、ささやき声に合わせて温かい吐息を感じさせる空気が出てくるようになっていた。
VRコンテンツについては、VR映像配信プラットフォーム「360Channel(サンロクマルチャンネル)」を運営する360Channel担当者によれば、コンテンツの数や自社制作できる会社などもこれからという段階にあるという。同社ではVR映像の制作も請け負っているが、配信に対して制作を求められる割合が高いとのこと。
またVRのほか、動画コンテンツの1つのかたちとしてインタラクティブ動画が注目を集めている。「東北新社×タッチスポット」で提供するTouchSpotでは、動画にタグを埋め込むことで、ノベルゲームのように視聴者が動画の展開を選択できる動画作成サービスを展開。双方向での映像体験により没入感が高まるほか、例えば動画広告などに活用した場合でもより高い効果が期待できるという。