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公開日 2020/03/31 19:07
オンライン配信で説明会を実施
エプソン、技術力を武器にプリントヘッド外販を展開。2025年度で900億円を売上目標に
Senka21編集部 徳田ゆかり
セイコーエプソンは、同社のプリントヘッド外販事業についての説明会を開催。このたびは、新型コロナウィルスの感染防止策として、オンライン配信によって実施された。
セイコーエプソン株式会社 代表取締役社長の碓井稔氏は冒頭、同社のインクジェット技術の要であるマイクロピエゾ技術について説明した。「印刷とは、対象物に対して適切な量のインクを適切な場所に定着させること。我々はプリンターの会社としてこれを突き詰めた結果、究極の技術としてピエゾ方式を進化させてきた」。インクジェットの技術を左右する大きな役割をもつプリントヘッドにおいて、「高精度・コンパクト」「インク対応性」「耐久性」の3点での進化により大きく差別化。
さらに、ホームやオフィスのプリンター市場で磨き抜かれた技術力と競争力で大きな優位性をもつ。「エプソンのプリンターの完成品の販売台数1600万台に対して、プリントヘッドの外販市場における合計ヘッド数は約70万個にとどまっている。この市場にマスで鍛えた技術を展開していく」。複雑な生産プロセスを要するPrecisionCoreプリントヘッドチップに対し、すでに生産体制も完備。現在の諏訪南事業所に加えて、広丘事業所に工場を設置した。「マスマーケットも外販も、すべての印刷領域をPrecisionCoreに替える。志を同じくする皆様と、新しいものづくりの世界をつくる準備ができた」と気を吐く碓井氏。保有する多くの特許もその後ろ盾となる、とした。
続いて、4月1日に新社長に就任する取締役 常務執行役員の小川恭範氏が、外販のビジネスと、これを超えてのさらなる新たな展開に対する戦略を説明。冒頭に「エプソンの価値創造ストーリー」として、「解決すべき社会課題を、省・小・精の技術で、価値向上を実現し、持続可能な社会の実現を目指す」と語った。
価値創造ストーリーの事例として「デジタル捺染」について触れ、「アナログ捺染の作業工程は煩雑で廃棄物が多い。デジタル捺染により、省資源、高効率生産プロセスを実現する。クリーンで安全な印刷環境を実現することができる」とし、それをエプソンが担っていくとアピールする。
こうした産業印刷の市場概況について、「デジタル化で大きな成長の機会がある。現状の22兆円規模の市場でデジタル展開はまだ2兆円ほど。グラフィック、サイン、コーポレートの市場はデジタル化が拡大中で新たな成長機会もある。生産プロセスの革新によりこれを実現していく」とし、エプソンブランドの商業・産業インクジェットプリンターの完成品のラインナップ拡大で成長を加速させる。
こうした中で新たに展開するのが、プリントヘッドの外販事業である。プリントヘッドの外販市場は、1000億円規模で6%の成長率。地域構成比は中国が圧倒的に高く、アプリケーションの構成比はグラフィック、サイン、コーポレートが中心となっている。小川氏は「中国や欧米にもビジネスを拡大させ、利益成長に貢献する。新規領域創出でさらなる成長を狙う」とする。2021年度で300億円、2025年度で900億円の売り上げ目標を掲げる。
広丘事業所のプリントチップ工場の完成で取り組みに向けた準備は完了、と胸を張る。「キャパは手に入れた。完成品の競争力も上がるので、外販とカニバる心配もない。中国と欧米で、他社からの置き換えを進めていくとともに、ボードメーカーやインクメーカーとの協業も進め、エプソンの正規流通プリントヘッドを使える環境を提供する」。エプソンの完成品プリンターから抜き出されたヘッドが流通しているという現状を打破する考えである。
プリントヘッドの外販に対する認知活動として、2019年9月開催の上海サインショーなどイベント出展、お客様の工場見学ツアーなどを実施して理解を高めている。さらに販売・サポート体制も強化。中国市場で技術営業スタッフを配置するなどサポート体制を構築している。
さらに、プリントヘッド技術のアプリケーションも拡大していく。「細胞を飛ばす」ことで内臓や血管の再生、未来の手術への応用を、「金属を飛ばす」ことでフレキシブル基板や未来のプロダクト作成の実現を見据えるとして、実験や検証を進めているという。
小川氏は「PrecisionCoreでモノづくりの革新を実現することにより、社会課題を解決する」として、新たな領域を「期待のもてる事業である」と語り、大きな期待を込めた。
セイコーエプソン株式会社 代表取締役社長の碓井稔氏は冒頭、同社のインクジェット技術の要であるマイクロピエゾ技術について説明した。「印刷とは、対象物に対して適切な量のインクを適切な場所に定着させること。我々はプリンターの会社としてこれを突き詰めた結果、究極の技術としてピエゾ方式を進化させてきた」。インクジェットの技術を左右する大きな役割をもつプリントヘッドにおいて、「高精度・コンパクト」「インク対応性」「耐久性」の3点での進化により大きく差別化。
さらに、ホームやオフィスのプリンター市場で磨き抜かれた技術力と競争力で大きな優位性をもつ。「エプソンのプリンターの完成品の販売台数1600万台に対して、プリントヘッドの外販市場における合計ヘッド数は約70万個にとどまっている。この市場にマスで鍛えた技術を展開していく」。複雑な生産プロセスを要するPrecisionCoreプリントヘッドチップに対し、すでに生産体制も完備。現在の諏訪南事業所に加えて、広丘事業所に工場を設置した。「マスマーケットも外販も、すべての印刷領域をPrecisionCoreに替える。志を同じくする皆様と、新しいものづくりの世界をつくる準備ができた」と気を吐く碓井氏。保有する多くの特許もその後ろ盾となる、とした。
続いて、4月1日に新社長に就任する取締役 常務執行役員の小川恭範氏が、外販のビジネスと、これを超えてのさらなる新たな展開に対する戦略を説明。冒頭に「エプソンの価値創造ストーリー」として、「解決すべき社会課題を、省・小・精の技術で、価値向上を実現し、持続可能な社会の実現を目指す」と語った。
価値創造ストーリーの事例として「デジタル捺染」について触れ、「アナログ捺染の作業工程は煩雑で廃棄物が多い。デジタル捺染により、省資源、高効率生産プロセスを実現する。クリーンで安全な印刷環境を実現することができる」とし、それをエプソンが担っていくとアピールする。
こうした産業印刷の市場概況について、「デジタル化で大きな成長の機会がある。現状の22兆円規模の市場でデジタル展開はまだ2兆円ほど。グラフィック、サイン、コーポレートの市場はデジタル化が拡大中で新たな成長機会もある。生産プロセスの革新によりこれを実現していく」とし、エプソンブランドの商業・産業インクジェットプリンターの完成品のラインナップ拡大で成長を加速させる。
こうした中で新たに展開するのが、プリントヘッドの外販事業である。プリントヘッドの外販市場は、1000億円規模で6%の成長率。地域構成比は中国が圧倒的に高く、アプリケーションの構成比はグラフィック、サイン、コーポレートが中心となっている。小川氏は「中国や欧米にもビジネスを拡大させ、利益成長に貢献する。新規領域創出でさらなる成長を狙う」とする。2021年度で300億円、2025年度で900億円の売り上げ目標を掲げる。
広丘事業所のプリントチップ工場の完成で取り組みに向けた準備は完了、と胸を張る。「キャパは手に入れた。完成品の競争力も上がるので、外販とカニバる心配もない。中国と欧米で、他社からの置き換えを進めていくとともに、ボードメーカーやインクメーカーとの協業も進め、エプソンの正規流通プリントヘッドを使える環境を提供する」。エプソンの完成品プリンターから抜き出されたヘッドが流通しているという現状を打破する考えである。
プリントヘッドの外販に対する認知活動として、2019年9月開催の上海サインショーなどイベント出展、お客様の工場見学ツアーなどを実施して理解を高めている。さらに販売・サポート体制も強化。中国市場で技術営業スタッフを配置するなどサポート体制を構築している。
さらに、プリントヘッド技術のアプリケーションも拡大していく。「細胞を飛ばす」ことで内臓や血管の再生、未来の手術への応用を、「金属を飛ばす」ことでフレキシブル基板や未来のプロダクト作成の実現を見据えるとして、実験や検証を進めているという。
小川氏は「PrecisionCoreでモノづくりの革新を実現することにより、社会課題を解決する」として、新たな領域を「期待のもてる事業である」と語り、大きな期待を込めた。
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