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公開日 2020/12/08 11:17
【特別連載 第8回】Ritek Pro“CG”/「VGP2021」受賞

プロが認める高品質ディスク「Ritek Pro“CG”」がVGP2021メディア部門「金賞」と「企画賞」に輝く

PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
高品質光ディスク「Ritek Pro“CG”」(CD-R/DVD-R)が、11月25日に発表された国内最大級を誇るオーディオビジュアル機器の総合アワード「VGP2021」において、メディア部門のCD-RとDVD-Rの両ジャンルで見事に「金賞」を受賞した。さらに、高品質な業務用CD-R/DVD-Rの商品企画に対する取り組みが「企画賞」を獲得。満を持して挑んだ成果が改めて高く評価された。

「VGP2021」で見事にディスク部門のCD-R、DVD-Rの両部門での「金賞」と「企画賞」のダブル受賞となった「Ritek Pro“CG”」(CD-R/DVD-R)

今後、BD-Rやさらなる高音質CD-Rなど、Ritekの次なる一手に対する期待の声が早くも各方面で高まりつつある。そこで、圧倒的なこだわりのもとに目指す高品質を実現した受賞モデル「Ritek Pro“CG”」の何が凄いのか、市場での意義を中心に岩井 喬氏、CD-Rの音質評価を中心に林 正儀氏、VGP審査委員両氏の声をお届けする。

■レコーダー文化が根強い日本市場に現れた心強い存在


VGP審査委員・岩井 喬氏

That’sブランドの光ディスク事業撤退のニュースはさまざまな方面に衝撃を与えた。その跡を継ぎつつThat’s以上のクオリティを目指して、重責あるBtoBディスク市場へ参入を果たしたRitekの存在は、縮小傾向にあるブランクディスク市場において一つの光明となっている。音質、品質、そして梱包体系に至るまで、That’sを超える業務用CD-R、DVD-Rディスクとして誕生した「Ritek Pro“CG”」は、VGP2021でも高く評価された。

プレス用のマスターとして、ファイルデータではなくディスク形態で納品する事例もまだまだ存在する。また、コピーサービスで記録用ディスクメディアを必要としている業種も多く、品質の優れたCD-R、DVD-Rを待ち望む声も少なくない。市場としてはファイルデータでのやりとりが増えてはいるものの、例えば、子どもの合唱会や運動会をビデオ撮影したデータを提供する場合でも、一般的に普及しているDVDプレーヤーやPCでの再生を見越してDVD-RやCD-Rで販売するサービスが重宝されている。老若男女問わず、手軽に再生できるディスクメディアの浸透率・認知度を考えると、主流ではないかもしれないが、まだまだ廃れてはいない分野であるともいえるだろう。

そうした情勢下、高速書き込みを行うドライブやデュプリケーターでの作成でもエラーが出にくいこと、クオリティの高いダビングができること、耐久性や読み込みがしやすいことなど、理想的な特性を持つCD-R、DVD-Rが減少していく中、「Ritek Pro“CG”」の存在は非常に心強い。

さらに音楽制作現場でもまだまだブランクディスクは必要とされている。レコーディングスタジオでは作業終わりにラフミックスを作成し、関係者へCD-Rにダビングすることが日常的に行われているが、大元のファイルとCD-Rに書き込んだ後の音質変化が少ないことが求められる。Ritek Pro“CG”はその点の配慮もされていることが優位点であり、安心感も高い。今後さらに高音質な上位グレードが誕生してほしいと思う次第だ。

現在BD-Rの開発も進めているという。業務用ということもあり、一般的にはまだまだ目にすることは少ない。ゆえに今後はBDレコーダーでも使用できるAACS対応BD-RやCPRMに対応したDVD-Rなど、コンシューマー向け製品もぜひとも期待したい。

8K、4K放送もより拡充されていく中、地デジ放送が主流である現在においてもお気に入りの番組を保存する手段としてBD-Rは欠かせないものだ。BDレコーダーではHDDからのダビングにおいて、高速パラメーターを使用することが一般的となっているが、「Ritek Pro“CG”」のような光学的・機械的特性の良いディスクを使うことでエラーやジッターの発生も抑えられる。

レコーダー文化が根強い日本の市場にとって、品質の良いブランクディスクの存在価値は非常に高いものであり、その分野で技術を積み上げてきたRitekこそ、“次なるデファクトスタンダード”となり得るのではないだろうか。業務用はもちろんのこと、コンシューマー向け製品の展開にも大いに期待したい。

■女性ジャズボーカルの透明な響き、空気感は秀逸


VGP審査委員・林 正儀氏

私はThat’sの福島工場を以前見学している。クリーンな環境、整然と管理されたライン。高品質の光ディスクが次々に生み出されいく様子が目に浮かぶようだ。しかし、我らオーディオファンから惜しまれつつ、That’sは2015年に光ディスク事業から撤退。その高度な技術と品質を受け継ぐ存在と言えるのがRitek社だ。

Ritek社の日本市場での知名度はまだこれからと言えるが、台湾を拠点とする世界有数の光ディスクメーカーであり、なんとアナログレコードのカッティングからスタートした生い立ちは注目せずにはいられない。

「Ritek Pro“CG”」シリーズは、第一弾は業務用をメインとして、CD-RとDVD-Rを今春リリースした。That’sを彷彿とせる品質とそのサウンドクオリティから、VGPのディスク部門の「金賞」と「企画賞」、栄えある受賞となった。評価データに裏づけられた品質のすばらしさは、本連載で紹介されたとおり。記録を書き込む際の「エラーレート」「ジッター値」ほか、ディスクの機械的な「反り値」や「偏心値」。さらに「寿命加速試験」においても、他社ブランドの製品を大きく引き離していることに感嘆する。海外メーカーでここまで公開するとは、自信を持っている証しだろう。

今回試したのはCD-Rだ。データ用なのでPCで焼いて記録する。音源はダウンロードしたものとCDソフトからのリッピングだが、いずれもディスク振動や面ブレのない、精密かつ静かでスムーズなものだ。

音質チェックはPCからDAC経由で、筆者のオーディオシステムにて再生。また直接デノンやラックマンのCDプレーヤーにかけてみたが、全域でうねりのないフラットレスポンス。S/Nや鮮度感にすぐれ、原音と聴き比べても劣化やトーンバランスの変化を感じることのない、見事なハイクオリティサウンドが得られていた。「Ritek Pro“CG”」専用のラインをしつらえた生産管理と品質のよさが、音楽そのものに出た印象である。

特筆したいのは高音が伸びていることによる空気感だ。透明な響きに包まれる北欧系の女性ヴォーカルや、クラシックの管弦楽ものは細部まで描写が丁寧で分厚いハーモニーの動きもよく描く。Jazzでは山中千尋の「ROSA」が、リラックスした雰囲気の中にも爽快にスイングする演奏者の呼吸や体温感を生々しく伝えてくれた。

スタジオでの実績あるRitek Pro“CG”だからこその存在価値だろう。ここに秘めた技術力は折り紙つきだ。ストリーミングの時代に縮小するディスク市場ではあるが、いまこそ“もの”としてのアーカイブの魅力を共有し、CD-RやDVD-Rを積極的に活用したいものだ。自分で音源を集め、ディスクに整理するのは楽しい。若い人たちにもぜひディスク文化を継承していってほしいと思う。 個人的には、コンシューマー向けに、CDレコーダーで手軽に記録できる「音楽用CD-R」の発売を要望したい。最後に来年予定されているというBD-Rについて、4Kテレビがもはや当たり前になりつつある現状から、Ritekブランドの展開に大いに期待している。

(協力:Ritek)

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