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公開日 2022/10/06 14:14
「くらしスタイルシリーズ」を展開
パナソニック、壁掛け仕様の「ウォールフィットテレビ」。壁から画面まで約3.5cm、アンテナ線はワイヤレスに
編集部:杉山康介
パナソニックは、かんたんな壁掛け設置を実現する新機構を採用した “ウォールフィットテレビ”「TH-55LW1」「TH-55LW1L」を11月18日より発売する。価格はオープンだが、TH-55LW1は税込37万円前後、TH-55LW1Lは税込33万円前後での実売が想定される。
■「テレビ中心の暮らし」でなく「暮らし中心のテレビ」を提案する“くらしスタイルシリーズ”
本日10月6日、都内にて発表イベントが開催された。パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション(株)ビジュアル・サウンドビジネスユニット ビジネスユニット長の阿南 康成氏は冒頭、1960年代にテレビの普及率が上がりお茶の間の中心的存在となったが、近年はネット動画の普及や、スマホやタブレットなどの台頭によりコンテンツ・デバイス共に選択肢が増えていると解説。
対してテレビは4Kなどの高画質化はしながらも、「家の中心的存在」という立ち位置は変えておらず、世間からズレてきているのではないか、と指摘した。
そこで同社では「テレビ中心の暮らし」ではなく、「暮らし中心のテレビ」という新たなテレビのかたちを目指し、2012年に持ち運びができる「プライベートビエラ」、昨年10月にはキャスター付スタンドで動かすことができる「レイアウトフリーテレビ」を発表。
それに続く第3弾として今回のウォールフィットテレビを発表し、これら3モデルを “くらしスタイルシリーズ” として展開。画質・音質にこだわった既存製品群とあわせ、2本柱として事業を牽引していくと意気込みを語った。
■アンテナ線に縛られない「ウォールフィットテレビ」
ウォールフィットテレビは55型有機ELの壁掛けモニターとチューナーが別体になった製品で、4K無線伝送技術によってチューナーからモニターへと映像データを送ることで、部屋のアンテナ端子の位置に依存しない、自由なテレビ設置ができるという。
大きなポイントといえるのが、部屋の壁に馴染みやすい設計・デザインと壁掛けの簡単さだ。従来のテレビも壁掛け設置が可能だが、アンテナ線の接続が必要なことに加え、強固な壁掛け金具を使う必要があるうえ、テレビ自身や壁掛け金具の厚みにより壁からせり出すような見た目になっていた。
それに対し本製品では、徹底した薄型設計を実施。高さを抑えた電源基板の採用や構造体の薄型化を行いつつ、厚みのあるスピーカーボックスを廃止し、代わりに画面振動スピーカーシステムを採用。壁掛け金具も薄く軽量、かつ筐体に入り込む設計としたことで、壁から画面まで約3.5cmという薄さを実現している。
また壁にかかる質量も12.7kgと、 “ビエラ” の据え置き4K有機ELテレビ「55JZ1000」(19.8kg)と比較して約4割の軽量化を実現。それにより、画鋲のように細いピンで固定する専用金具を採用できており、一般的な石膏ボードの壁にも簡単に取り付けられるという。
専用金具は上側用のフックと下側用のマグネットを各2個ずつ用意。製品には紙の設置用ガイドが付属しており、専用業者を呼んだり壁にネジ穴を開けずとも設置ができるとアピール。なお、設置用のピンは跡が目立ちにくく、賃貸物件でも大きな影響はないのではとしながら「契約条項にもよると思うのでお客様の方でも確認をしていただきたい」と述べていた。
モニター部は55型の4K有機ELパネルで、ヘッドホン/イヤホン/サブウーファー出力端子1系統や4K 120p対応のHDMI端子2系統、USB端子2系統を装備。HDMIの1つはeARC/ARCに対応する。外形寸法(突起部含む)は1227W×706H×31mmで、質量は約12.5kg。
チューナー部はBS/CS4Kチューナー2基と地上波/BS/CSチューナー3基を内蔵。2番組同時裏録やネット動画の視聴にも対応。2ラインナップの違いはチューナーにHDDを内蔵しているかどうかであり、TH-55LW1は2TB HDDを内蔵したもの、TH-55LW1LはHDDを内蔵しないものとなる。
TH-55LW1のチューナーはHDMI設定用出力端子やUSB端子(取込用)、USB端子(USB-HDDバックアップ用)、LAN端子を各1系統ずつ装備。外形寸法(突起部含む)は215W×80H×215mmで、質量は約1.8kg。
TH-55LW1LのチューナーはHDMI設定用出力端子、USB端子(USB-HDDバックアップ用)、LAN端子を各1系統ずつ装備。外形寸法(突起部含む)は259W×51H×177mmで、質量は約0.9kg。
付属リモコンも新しくなっており、下部にネット動画用のダイレクトボタンを設置したほか、Bluetooth送信としたことで画面の方に向けなくても操作が可能になっている。
また、レイアウトフリーテレビのHDD非搭載チューナーモデル「TH-43LF1L」も発表。11月中旬の発売を予定しており、価格はオープンだが、税込17万円前後での実売が想定される。
■インテリアに馴染ませるため、テレビでなく鏡・時計などをモチーフに
ウォールフィットテレビの紹介後には、インテリアスタイリストの窪川 勝哉氏、(株)Laugh style代表でインテリアトータルコーディネーターのMAKO氏、そして製品デザインを担当したパナソニックの飯田氏、商品企画担当の野村氏によるトークセッションも実施。野村氏が司会をとり、窪川氏、MAKO氏の両名に質問するかたちで進行された。
最初に従来のテレビの印象を問われると、窪川氏は「家にはソファやテーブルなど床に置くものが多く、飽和したなかに置かないといけないのは場所を取るなと思っていた」、MAKO氏は「テレビアンテナの位置に依存するので、レイアウトがカッコよく決まるか、使えない家具が出てくるかなど、そこで決まるのかなと思う」と回答。
また、テレビを壁にかけることについては「正面から見ると綺麗だけど、回り込むとうーん……となることが多い」(窪川氏)、「既存の住宅だと壁の下地やビス穴の問題があって躊躇する。あとは配線がゴチャゴチャするので、テレビがスッキリしてても……と思うことがある」(MAKO氏)と、両名ともコーディネートするうえでの難しさを口にしていた。
ここで飯田氏が、ウォールフィットテレビのデザインコンセプトは「ウォールファニチャー」だと説明。インテリアに馴染ませるため、既存のテレビの造形ではなく時計や鏡など、すでに家具に溶け込んでいる壁掛けインテリアの造形をモチーフにしたとのことで、「テレビと壁の隙間のギャップが埋まる、壁に溶け込むようなデザインにできたのでは」と自信を見せる。
このデザインの感想を聞かれると、窪川氏は「どこからどう回り込んで見てもノイズになる要素が少ない。唯一出ている電源コードも、一般的な家の壁と同じ白色で、こだわったデザインだと思った」と評価。
またMAKO氏も「テレビは“家電”といった存在感が大きかったが、(本製品は)すごく壁にフィットしてアートのようなデザインになっていて驚いた。色も白で壁に馴染んでいる」と述べると、飯田氏からも「電源コードまで神経を使ったので、気づいてもらえて嬉しい」と喜びを露わにした。
また本イベントでは、くらしスタイルシリーズを取り入れてコーディネートされたモデルルームも5つ用意されており、それぞれを窪川氏、MAKO氏が担当したとのこと。
メインステージにも使われていた部屋は窪川氏の手がけたもので、「部屋は〇〇畳と数えられるが、その実は立方体であり、目に入るのも壁がほとんど。そこでアートなどのアイテムを壁に配置しつつ、テレビも壁掛けして床が広くなった分、大きなソファやテーブルを置いた。床には大きな家具を、壁にはアートフレームなど繊細なアイテムを置いて、大胆さと繊細さをミックスした」という。
またもうひとつ、コバルトブルーのカーペットが特徴的な部屋は窪川氏が自室を再現したものとのことで、「実際の部屋にはテレビを置いていないけど、ここで初めてウォールフィットテレビを置いてみたら、ヴィンテージの家具とも馴染んでくれることにびっくりしている」と、改めてデザイン性の高さに感心していた。
MAKO氏も実際の自室を再現するかたちでコーディネート。MAKO氏もスペース上の都合でテレビを置いていないそうだが、「ウォールフィットテレビなら置けて、スッキリまとまることが表現できているかと思う」と説明。全体的にグレーやベージュの淡い色でまとめつつも、黒い家具や抜け感のあるアイテムなどを入れ、単調にならないようまとめたそうだ。
加えてMAKO氏は、レイアウトフリーテレビを置いた書斎とプライベートビエラを置いた浴室も担当。書斎は「内装材と限られたアイテムだけでもインテリアを楽しめることを表現」、浴室は「棚に好きな小物やお気に入りのソープを置いたり、好きなスツールを置くなどして、プライベートビエラでお風呂時間を楽しく過ごせるコーディネートにした」とのこと。
最後に「今後のくらしスタイルシリーズに期待すること」を聞かれると、2人とも現時点で十分良いとしつつ、「情報が欲しいときに、部屋にある鏡や窓に表示されるようになったら面白いのでは」(窪川氏)、「電源が充電式やワイヤレスになってくれたら嬉しい。あとはサイズやカラーのバリエーションがあると楽しめそう」(MAKO氏)とイメージを語った。
■「テレビ中心の暮らし」でなく「暮らし中心のテレビ」を提案する“くらしスタイルシリーズ”
本日10月6日、都内にて発表イベントが開催された。パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション(株)ビジュアル・サウンドビジネスユニット ビジネスユニット長の阿南 康成氏は冒頭、1960年代にテレビの普及率が上がりお茶の間の中心的存在となったが、近年はネット動画の普及や、スマホやタブレットなどの台頭によりコンテンツ・デバイス共に選択肢が増えていると解説。
対してテレビは4Kなどの高画質化はしながらも、「家の中心的存在」という立ち位置は変えておらず、世間からズレてきているのではないか、と指摘した。
そこで同社では「テレビ中心の暮らし」ではなく、「暮らし中心のテレビ」という新たなテレビのかたちを目指し、2012年に持ち運びができる「プライベートビエラ」、昨年10月にはキャスター付スタンドで動かすことができる「レイアウトフリーテレビ」を発表。
それに続く第3弾として今回のウォールフィットテレビを発表し、これら3モデルを “くらしスタイルシリーズ” として展開。画質・音質にこだわった既存製品群とあわせ、2本柱として事業を牽引していくと意気込みを語った。
■アンテナ線に縛られない「ウォールフィットテレビ」
ウォールフィットテレビは55型有機ELの壁掛けモニターとチューナーが別体になった製品で、4K無線伝送技術によってチューナーからモニターへと映像データを送ることで、部屋のアンテナ端子の位置に依存しない、自由なテレビ設置ができるという。
大きなポイントといえるのが、部屋の壁に馴染みやすい設計・デザインと壁掛けの簡単さだ。従来のテレビも壁掛け設置が可能だが、アンテナ線の接続が必要なことに加え、強固な壁掛け金具を使う必要があるうえ、テレビ自身や壁掛け金具の厚みにより壁からせり出すような見た目になっていた。
それに対し本製品では、徹底した薄型設計を実施。高さを抑えた電源基板の採用や構造体の薄型化を行いつつ、厚みのあるスピーカーボックスを廃止し、代わりに画面振動スピーカーシステムを採用。壁掛け金具も薄く軽量、かつ筐体に入り込む設計としたことで、壁から画面まで約3.5cmという薄さを実現している。
また壁にかかる質量も12.7kgと、 “ビエラ” の据え置き4K有機ELテレビ「55JZ1000」(19.8kg)と比較して約4割の軽量化を実現。それにより、画鋲のように細いピンで固定する専用金具を採用できており、一般的な石膏ボードの壁にも簡単に取り付けられるという。
専用金具は上側用のフックと下側用のマグネットを各2個ずつ用意。製品には紙の設置用ガイドが付属しており、専用業者を呼んだり壁にネジ穴を開けずとも設置ができるとアピール。なお、設置用のピンは跡が目立ちにくく、賃貸物件でも大きな影響はないのではとしながら「契約条項にもよると思うのでお客様の方でも確認をしていただきたい」と述べていた。
モニター部は55型の4K有機ELパネルで、ヘッドホン/イヤホン/サブウーファー出力端子1系統や4K 120p対応のHDMI端子2系統、USB端子2系統を装備。HDMIの1つはeARC/ARCに対応する。外形寸法(突起部含む)は1227W×706H×31mmで、質量は約12.5kg。
チューナー部はBS/CS4Kチューナー2基と地上波/BS/CSチューナー3基を内蔵。2番組同時裏録やネット動画の視聴にも対応。2ラインナップの違いはチューナーにHDDを内蔵しているかどうかであり、TH-55LW1は2TB HDDを内蔵したもの、TH-55LW1LはHDDを内蔵しないものとなる。
TH-55LW1のチューナーはHDMI設定用出力端子やUSB端子(取込用)、USB端子(USB-HDDバックアップ用)、LAN端子を各1系統ずつ装備。外形寸法(突起部含む)は215W×80H×215mmで、質量は約1.8kg。
TH-55LW1LのチューナーはHDMI設定用出力端子、USB端子(USB-HDDバックアップ用)、LAN端子を各1系統ずつ装備。外形寸法(突起部含む)は259W×51H×177mmで、質量は約0.9kg。
付属リモコンも新しくなっており、下部にネット動画用のダイレクトボタンを設置したほか、Bluetooth送信としたことで画面の方に向けなくても操作が可能になっている。
また、レイアウトフリーテレビのHDD非搭載チューナーモデル「TH-43LF1L」も発表。11月中旬の発売を予定しており、価格はオープンだが、税込17万円前後での実売が想定される。
■インテリアに馴染ませるため、テレビでなく鏡・時計などをモチーフに
ウォールフィットテレビの紹介後には、インテリアスタイリストの窪川 勝哉氏、(株)Laugh style代表でインテリアトータルコーディネーターのMAKO氏、そして製品デザインを担当したパナソニックの飯田氏、商品企画担当の野村氏によるトークセッションも実施。野村氏が司会をとり、窪川氏、MAKO氏の両名に質問するかたちで進行された。
最初に従来のテレビの印象を問われると、窪川氏は「家にはソファやテーブルなど床に置くものが多く、飽和したなかに置かないといけないのは場所を取るなと思っていた」、MAKO氏は「テレビアンテナの位置に依存するので、レイアウトがカッコよく決まるか、使えない家具が出てくるかなど、そこで決まるのかなと思う」と回答。
また、テレビを壁にかけることについては「正面から見ると綺麗だけど、回り込むとうーん……となることが多い」(窪川氏)、「既存の住宅だと壁の下地やビス穴の問題があって躊躇する。あとは配線がゴチャゴチャするので、テレビがスッキリしてても……と思うことがある」(MAKO氏)と、両名ともコーディネートするうえでの難しさを口にしていた。
ここで飯田氏が、ウォールフィットテレビのデザインコンセプトは「ウォールファニチャー」だと説明。インテリアに馴染ませるため、既存のテレビの造形ではなく時計や鏡など、すでに家具に溶け込んでいる壁掛けインテリアの造形をモチーフにしたとのことで、「テレビと壁の隙間のギャップが埋まる、壁に溶け込むようなデザインにできたのでは」と自信を見せる。
このデザインの感想を聞かれると、窪川氏は「どこからどう回り込んで見てもノイズになる要素が少ない。唯一出ている電源コードも、一般的な家の壁と同じ白色で、こだわったデザインだと思った」と評価。
またMAKO氏も「テレビは“家電”といった存在感が大きかったが、(本製品は)すごく壁にフィットしてアートのようなデザインになっていて驚いた。色も白で壁に馴染んでいる」と述べると、飯田氏からも「電源コードまで神経を使ったので、気づいてもらえて嬉しい」と喜びを露わにした。
また本イベントでは、くらしスタイルシリーズを取り入れてコーディネートされたモデルルームも5つ用意されており、それぞれを窪川氏、MAKO氏が担当したとのこと。
メインステージにも使われていた部屋は窪川氏の手がけたもので、「部屋は〇〇畳と数えられるが、その実は立方体であり、目に入るのも壁がほとんど。そこでアートなどのアイテムを壁に配置しつつ、テレビも壁掛けして床が広くなった分、大きなソファやテーブルを置いた。床には大きな家具を、壁にはアートフレームなど繊細なアイテムを置いて、大胆さと繊細さをミックスした」という。
またもうひとつ、コバルトブルーのカーペットが特徴的な部屋は窪川氏が自室を再現したものとのことで、「実際の部屋にはテレビを置いていないけど、ここで初めてウォールフィットテレビを置いてみたら、ヴィンテージの家具とも馴染んでくれることにびっくりしている」と、改めてデザイン性の高さに感心していた。
MAKO氏も実際の自室を再現するかたちでコーディネート。MAKO氏もスペース上の都合でテレビを置いていないそうだが、「ウォールフィットテレビなら置けて、スッキリまとまることが表現できているかと思う」と説明。全体的にグレーやベージュの淡い色でまとめつつも、黒い家具や抜け感のあるアイテムなどを入れ、単調にならないようまとめたそうだ。
加えてMAKO氏は、レイアウトフリーテレビを置いた書斎とプライベートビエラを置いた浴室も担当。書斎は「内装材と限られたアイテムだけでもインテリアを楽しめることを表現」、浴室は「棚に好きな小物やお気に入りのソープを置いたり、好きなスツールを置くなどして、プライベートビエラでお風呂時間を楽しく過ごせるコーディネートにした」とのこと。
最後に「今後のくらしスタイルシリーズに期待すること」を聞かれると、2人とも現時点で十分良いとしつつ、「情報が欲しいときに、部屋にある鏡や窓に表示されるようになったら面白いのでは」(窪川氏)、「電源が充電式やワイヤレスになってくれたら嬉しい。あとはサイズやカラーのバリエーションがあると楽しめそう」(MAKO氏)とイメージを語った。