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公開日 2022/11/03 10:09
スキップ回数も制限
Amazon Musicは“改悪”したのか?1億曲になっても聴きたい曲が再生できない
編集部:押野 由宇
Amazon Musicが11月1日にアップデートされ、聴き放題楽曲の対象曲数が200万曲から1億曲以上となった。大幅な進化を遂げたかと思いきや、使い勝手の面では疑問を感じる変更となっていた。
そもそもAmazon Musicは、Amazonプライム会員向けの特典として提供されている音楽サービスだ。プライム会員は年間4,900円または月間500円(ともに税込)という金額設定ながら、Amazon Musicほか、Amazon Prime Video、Amazon Photos、Prime Readingといったサービスが特典として追加料金なしで楽しめるし、単純にAmazonでの買い物に便利だ。
またAmazonでは、音楽配信サービス「Amazon Music Unlimited」を別途用意している。こちらは月額980円(プライム会員なら880円)で1億曲以上を用意、さらには最大192kHz/24bitのULTRA HD音源や、ドルビーアトモスおよび360 Reality Audioによる空間オーディオ楽曲も提供する。
Amazon Music Unlimitedが存在する以上、Amazon Musicはある意味 “オマケ” 扱いともいえるが、それにも関わらずUnlimited同様の楽曲数を提供するとは、なんと太っ腹なのか。
今回のアップデートに対して当初はそう思ったが、実際に使ってみると、そうでもないことがわかってきた。
Amazon Music Unlimitedとの大きな違いは、「シャッフル再生のみ」「SD音質のみ」の再生となる点だ。この際、SD音質については置いておこう。音質の重要性は言うまでもないのだが、そこに辿り着く前にシャッフル再生のみのハードルが高すぎるからだ。
とにかく、聴きたい曲が聴けない。検索して目当ての曲を探し、いざ再生しようとすると強制シャッフルが行われ、同じアーティスト、もしくはアルバムの別の曲が流れ出す。用意されたプレイリストから曲を選んだ場合は、そのプレイリスト内の別の曲が再生される。
具体的な例を挙げると、「Best of BUMP OF CHICKEN」というプレイリストがあったため、そのなかの「SOUVENIR」を聴きたいと思いカーソルをあわせると、「再生」アイコンではなく「シャッフル」アイコンが表示される。そのままクリックすると、同プレイリストにある「ダイヤモンド」が流れ出した。好きな曲だが、いま聴きたいのは別の曲だ。
このプレイリストは67曲が入っているので、ランダムでいつかは当たるだろうと曲送りを繰り返してシャッフルを続けていると、10曲もいかないうちに飛ばせなくなった。そんなことがあると思っていなかったので数えていなかったが、およそ5 - 6曲くらい飛ばした時点で、「スキップ回数の上限に達しました」というメッセージとともに、Unlimitedへの加入を促す画面が表示された。
このおせっかいな画面を消し、「ダイヤモンド」をとりあえず終わらせて次に移ろうとシークバーを曲の終盤に移動させようとしたところ、今度は「この機能はAmazon Music Unlimitedでのみご利用いただけます」というメッセージと「今すぐ登録する」ボタンが表示されてきた。曲のスキップも早送りも許されていない。
仕方ないので、「SOUVENIR」を自分で作ったプレイリストに追加することにした。1曲だけのプレイリストなので、シャッフルしてもほかに選択肢がないため「SOUVENIR」が流れるだろうと考えたのだ。
しかし、予想外の出来事が起きた。「SOUVENIR」のみのプレイリストから再生したところ、流れたのはMAISONdes[feat.花譜&ツミキ]の「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」。もはやバンプですらなくなった。なにか押し間違えたのか?ともう一度曲を選んでみても、スキップの上限に達しているためか「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」のジャケットが大きく表示されるだけだった。プレイリストの意味を疑う。
唯一、自分で選んだ曲を聴けるのは、用意された「曲を選んで再生できる厳選プレイリスト」を開いたときのみ。これを自分で選んだと言っていいか微妙なところだが、調べたタイミングでは 「Hot In Japan」「Trending Today」といったプレイリストが15個あったため、話題曲や最新曲は見つけやすいだろう。
ネガティブな話ばかりではなく、プラスの情報としては、お笑いタレントの木村祐一がインタビュアーとなり、吉本興業所属の芸人合計24組の素顔に迫るドキュメンタリー「ワレワレハワラワレタイNEXT」をはじめ、みちょぱこと池田美優出演の「#みちょパラ」、俳優 山崎育三郎が趣味や出演作品についての話やゲストとのスペシャルトークを展開する「山崎育三郎のI AM 1936」といったポッドキャスト番組が新たに追加された。
同社はより多くの音楽をユーザーに届ける「More Music」と、音楽をより楽しんでもらうために音楽以外のコンテンツもユーザーに届ける「More Than Music」という考えを背景に、ファンとアーティストの距離を近づけ、ユーザーの音楽体験をより豊かにすると、今回の楽曲拡大やポッドキャスト強化について説明している。
しかし、聴きたい曲を聴けない状態は、気持ちの良い音楽体験とは言いづらい。思いもよらない音楽との出会いの機会と捉えることもできなくはないが、出会い頭に強制マッチングされた曲と真摯に向き合うことは難しく、“ながら聴き” でただ流すだけに終始してしまった。
画面のそこかしこにUnlimitedの加入を促すメッセージが登場するため、そのために “改悪” したのではと、つい勘ぐってしまうほどだ。追加料金を払っているわけではないので贅沢は言わないが、文句の1つくらいは言いたくなる。
Spotifyの無料版が似たような機能性だが、Amazon Musicはこれまでできていたことができなくなったことを考えると、ネガティブなイメージを持つ方も多いのではないだろうか。個人的には、できれば楽曲数をグンと絞ってでも、聴きたい曲を再生できる仕様に戻してもらいたいと願う。
そもそもAmazon Musicは、Amazonプライム会員向けの特典として提供されている音楽サービスだ。プライム会員は年間4,900円または月間500円(ともに税込)という金額設定ながら、Amazon Musicほか、Amazon Prime Video、Amazon Photos、Prime Readingといったサービスが特典として追加料金なしで楽しめるし、単純にAmazonでの買い物に便利だ。
またAmazonでは、音楽配信サービス「Amazon Music Unlimited」を別途用意している。こちらは月額980円(プライム会員なら880円)で1億曲以上を用意、さらには最大192kHz/24bitのULTRA HD音源や、ドルビーアトモスおよび360 Reality Audioによる空間オーディオ楽曲も提供する。
Amazon Music Unlimitedが存在する以上、Amazon Musicはある意味 “オマケ” 扱いともいえるが、それにも関わらずUnlimited同様の楽曲数を提供するとは、なんと太っ腹なのか。
今回のアップデートに対して当初はそう思ったが、実際に使ってみると、そうでもないことがわかってきた。
Amazon Music Unlimitedとの大きな違いは、「シャッフル再生のみ」「SD音質のみ」の再生となる点だ。この際、SD音質については置いておこう。音質の重要性は言うまでもないのだが、そこに辿り着く前にシャッフル再生のみのハードルが高すぎるからだ。
とにかく、聴きたい曲が聴けない。検索して目当ての曲を探し、いざ再生しようとすると強制シャッフルが行われ、同じアーティスト、もしくはアルバムの別の曲が流れ出す。用意されたプレイリストから曲を選んだ場合は、そのプレイリスト内の別の曲が再生される。
具体的な例を挙げると、「Best of BUMP OF CHICKEN」というプレイリストがあったため、そのなかの「SOUVENIR」を聴きたいと思いカーソルをあわせると、「再生」アイコンではなく「シャッフル」アイコンが表示される。そのままクリックすると、同プレイリストにある「ダイヤモンド」が流れ出した。好きな曲だが、いま聴きたいのは別の曲だ。
このプレイリストは67曲が入っているので、ランダムでいつかは当たるだろうと曲送りを繰り返してシャッフルを続けていると、10曲もいかないうちに飛ばせなくなった。そんなことがあると思っていなかったので数えていなかったが、およそ5 - 6曲くらい飛ばした時点で、「スキップ回数の上限に達しました」というメッセージとともに、Unlimitedへの加入を促す画面が表示された。
このおせっかいな画面を消し、「ダイヤモンド」をとりあえず終わらせて次に移ろうとシークバーを曲の終盤に移動させようとしたところ、今度は「この機能はAmazon Music Unlimitedでのみご利用いただけます」というメッセージと「今すぐ登録する」ボタンが表示されてきた。曲のスキップも早送りも許されていない。
仕方ないので、「SOUVENIR」を自分で作ったプレイリストに追加することにした。1曲だけのプレイリストなので、シャッフルしてもほかに選択肢がないため「SOUVENIR」が流れるだろうと考えたのだ。
しかし、予想外の出来事が起きた。「SOUVENIR」のみのプレイリストから再生したところ、流れたのはMAISONdes[feat.花譜&ツミキ]の「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」。もはやバンプですらなくなった。なにか押し間違えたのか?ともう一度曲を選んでみても、スキップの上限に達しているためか「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」のジャケットが大きく表示されるだけだった。プレイリストの意味を疑う。
唯一、自分で選んだ曲を聴けるのは、用意された「曲を選んで再生できる厳選プレイリスト」を開いたときのみ。これを自分で選んだと言っていいか微妙なところだが、調べたタイミングでは 「Hot In Japan」「Trending Today」といったプレイリストが15個あったため、話題曲や最新曲は見つけやすいだろう。
ネガティブな話ばかりではなく、プラスの情報としては、お笑いタレントの木村祐一がインタビュアーとなり、吉本興業所属の芸人合計24組の素顔に迫るドキュメンタリー「ワレワレハワラワレタイNEXT」をはじめ、みちょぱこと池田美優出演の「#みちょパラ」、俳優 山崎育三郎が趣味や出演作品についての話やゲストとのスペシャルトークを展開する「山崎育三郎のI AM 1936」といったポッドキャスト番組が新たに追加された。
同社はより多くの音楽をユーザーに届ける「More Music」と、音楽をより楽しんでもらうために音楽以外のコンテンツもユーザーに届ける「More Than Music」という考えを背景に、ファンとアーティストの距離を近づけ、ユーザーの音楽体験をより豊かにすると、今回の楽曲拡大やポッドキャスト強化について説明している。
しかし、聴きたい曲を聴けない状態は、気持ちの良い音楽体験とは言いづらい。思いもよらない音楽との出会いの機会と捉えることもできなくはないが、出会い頭に強制マッチングされた曲と真摯に向き合うことは難しく、“ながら聴き” でただ流すだけに終始してしまった。
画面のそこかしこにUnlimitedの加入を促すメッセージが登場するため、そのために “改悪” したのではと、つい勘ぐってしまうほどだ。追加料金を払っているわけではないので贅沢は言わないが、文句の1つくらいは言いたくなる。
Spotifyの無料版が似たような機能性だが、Amazon Musicはこれまでできていたことができなくなったことを考えると、ネガティブなイメージを持つ方も多いのではないだろうか。個人的には、できれば楽曲数をグンと絞ってでも、聴きたい曲を再生できる仕様に戻してもらいたいと願う。
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