■地域に寄り添い半世紀

地域電器専門店「ProLinkおざわ」（千葉県佐倉市）は、9月15日から3日間にわたり「50周年創業祭」を開催した。16日昼に催された記念式典には50周年を祝おうと店内に収まりきれないほどの数多くのお客様が駆け付けた。

2023年6月で創業から50周年を迎えて企画された「50周年創業祭」。小澤吉宏社長は「お客様と両親に感謝を伝えるもの」と語り、700枚にもおよぶ招待状は「お客様にできる限り手渡しでお渡ししました。中に商品のチラシは1枚も入れていません。とにかく皆さんに来て楽しんでいただきたい」との想いを込めた。

記念式典に出席した数多くの関係者からお祝いの言葉が寄せられた。50年の歩みを紹介する記念動画は、社長の弟さん小澤公康氏の編集によるものだ。詰めかけた大勢のお客様に「どれくらい来ていただけるのか予想もつきませんでした。本当にうれしかったです」と笑みがこぼれる小澤吉宏社長。お客様と両親への感謝を述べたあいさつで、思わず途中で声を詰まらせると、「泣かないで！」と暖かい声援が飛び交った。

「感謝を込めて50周年ありがとう」の横断幕が店頭に掲げられ、店舗横ではヘアドライヤー ナノケアやオーブントースター ビストロが当たる創業50周年記念「おざわくじ」が賑わいを見せた。残暑を吹き飛ばさんばかりの訪れたお客様の笑顔は、「ProLinkおざわ」が地域に寄り添う“なくてはならない”存在であることを改めて強く印象付けた。

■LINEの活用でお客様とのつながりをさらに強化

お客様の高齢化が進むなか、さらにつながりを強化する取り組みとしてLINEの活用をこの2月から新たにスタートした。お客様宅を訪問した際には、日時を問わずにいつでも気軽に問い合わせができるなど、利便性がより高まることを丁寧に説明。配布しているかわら版にもQRコードを掲載し、ここまで98件のお客様が友だち登録している。

「初めて来店されたご年配のお客様に、当店をどこで知ったのか尋ねてみたところ、『パナソニックの街のでんきやさんのホームページを見た』『検索してみた』など、皆さん予想以上にスマホを活用されています。LINEもお孫さんとのやり取りで使われていてご存じの方が多いようです」とLINE活用に至った背景を説明する。

高齢のお客様に対してはまた、「息子さんや娘さんがいらっしゃるお客様には、念のために電話で買い物の内容を事前に確認されるようにお薦めしています」と話す。「息子さんや娘さんにも、LINEで連絡を入れられるようにできればと考えています。遠くに住まわれている場合にも、近くでおざわさんが見てくれているからと多少安心していただくこともできると思います」と活用効果をさらに高めていく構え。

補聴器にも力を入れている。予約制の「聞こえの相談会」を毎月15日に開催、専門員が耳の聞こえ具合を無料で測定してくれる。他店がまだ手掛けていないころから取り組んでおり、相談会は毎回予約で満杯だ。「自分の耳の聞こえ具合は大丈夫なのか、一度診てもらいたいという方は少なくありません。また、出かけて行って誰かと会話ができる貴重な機会にもなっているようです」。

■51年目からの究極宣言

50周年という大きな区切りを契機に、店内には「51年目からの究極宣言」として掲げた4つの目標が大きく貼り出されている。

「家電生活と住環境設備における快適生活のご提案」
「いざという時に頼りになるお店」
「遊びも一緒に楽しむお店（参加型イベント実施）」
「地域に住む高齢なご両親の見守りをすることにより、遠方に住むご子息様に安心をお届けするお店」

このなかから小澤吉宏社長は、3つ目の「遊びも一緒に楽しむお店（参加型イベント実施）」について、新型コロナも5類に移行し、様々な制約が取り払われるなかで、「父（創業者・小沢吉男氏）はカラオケ大会を催すなど、人を集めることがとても好きでした。これから地域の人とコミュニケーションをはかる手段として、家電以外をテーマにしたことも含めて考えていこうと思います」と力を込めた。

奥様とご息女（長女）が保育士の資格を有しており、「例えば、地域のお子さんを集めたキャンプもひとつのアイデアです。若い人と知り合えるきっかけにもなりますし、そうしたなかから、『おざわさんで家電を購入してみようか』というつながりが生まれてくるかもしれません」。

51年目からの新たなステージへ、「皆さんに『楽しい』と言っていただけるお店にしていきたい」と目を輝かせた。

店舗概要
店名：ProLinkおざわ
住所：千葉県佐倉市中志津2-16-10
電話番号：043-487-0837
営業時間：9:00〜19:00
定休日：毎週水曜日・第二・四火曜日