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公開日 2024/01/12 13:48
運転体験のデモも
<CES>ソニー・ホンダ「AFEELA」新プロトタイプをいち早く記者が体験!エンタメ機能レポート
編集部:平山洸太
米ラスベガスにおいて、世界最大級のエレクトロニクス展示会「CES2024」が開幕。これに合わせてソニー・ホンダモビリティは、プレスカンファレンスで開発中のEV「AFEELA」の新型プロトタイプを発表した。その車内に入ってエンターテインメント機能を体験することができたので、レポートしたい。
今回、同社はソニーのブースに隣接するかたちで独自のブースを展開。ブース内には2台のAFEELAが展示されており、多くの来場者が一目見ようと訪れていた。なおAFEELAは既報の通り、2025年に受注を開始し、2026年に北米でリリースすることを目指している。
まずAFEELAの外観だが、昨年のCESで発表されたものからブラッシュアップが図られている。デザインについては「NEWTRAL(ニュートラル)デザイン」と呼んでおり、これは中立的を意味するニュートラリティーに、新しい挑戦のニュートライアルをかけた造語だという。ちなみに何の中立かというと、一例として “新しいもの” と “古いもの” などだそうだ。
車体の正面には、「メディアバー」と呼ばれるディスプレイを搭載。そしてこの部分に人が近づくと、内蔵センサーで人を感知し、「ウェルカムデザイン」を表示するというギミックも備わっている。今回記者が近づいた際には、AFEELAのロゴアニメーションが表示された。なおメディアバーでは、センサーを使ったデータや、バッテリー残量の表示なども行えるという。
早速車内に乗り込もうとすると、多くの一般的な車には存在する “ドアハンドル” が存在しないことがわかる。ボタンで開閉するような車も存在するが、AFEELAの運転席のドアには、そういったものも設けられていない(後部ドアにはボタンが設置されている)。ではどうやって開けるかというと、ピラー部分にカメラが備わっており、その部分に顔を近づけると顔認証で開けられるようになっている。逆に車内から開ける場合は、ドアの内側にあるボタンを押すだけでよい。
ちなみにスマートフォン用のアプリも開発中で、顔認証の代わりにアプリをドアのキーとして使うことも計画しているとのこと。このほかアプリでは、ドアが空いている、といったステータス表示も行うことが可能だ。
ドアを開けて運転席に座ると、座席とステアリングが自動的に動き、サイズを合わせてくれる。その後ドアを閉めると、正面の「パノラミックスクリーン」と呼ばれるディスプレイに「ウェルカム映像」が流れるようになっている。デモでは映像が流れるだけだったが、将来的には音響や照明を駆使して、もっとダイナミックに、「これから出発するぞ」という高揚感を出すような演出に変わっていくという。
ステアリングは「ヨークステアリング」という名称がついており、上部が欠けたような、長方形の形状をしている。これは運転のしやすさに配慮しているだけでなく、ステアリングがパノラミックスクリーンに表示される車両情報をよく見えるように意図しているとのことだ。
なおディスプレイを横長のパノラマ状にした理由として、「ドライバーが視線をあまり上下に動かさなくても、すべての情報を取りやすく、リラックスした状態で操作できるように」という配慮があるそうだ。加えて、助手席からもディスプレイを操作しやすい、といった意見もあるとのこと。
ソニー・ホンダモビリティはAFEELAのコンセプトについて、3A(Autonomy:進化する自律性、Augmentation:身体・時空間の拡張、Affinity:人との協調、社会との共生)を掲げている。このうちAugmentationの “拡張体験” による機能として、ユーザーの好みに車体をカスタマイズできるという機能が搭載されている。
その一例となるのが、テーマを選べる機能。今回のプロトタイプにもさまざまなテーマが備わっており、スパイダーマン、グランツーリスモ、フォートナイトなどが用意されていた。試しにフォートナイトのテーマを購入し適用してみると、車内のライティング、パノラミックスクリーンの表示、走行音、そして車体正面のメディアバーの表示が切り替わった。
続いて、エンターテインメント機能を体験していく。AFEELAは360度のサラウンドスピーカーを搭載しており、たとえば座席の肩部分、座席の中、ドアの内側、ルームランプ付近など、さまざまな場所に埋め込まれている。これによって「包みこまれている感じでコンテンツが楽しめる」「本物のIMAXシアターにいるような臨場感あふれる映画を楽しむ」そうだ。
ちなみに、センターコンソールにはダイヤルが設置され、ここからボリュームを変えることが可能。さらにステアリング部分にもメディアコントロール用のボタンが搭載されている。
実際に映像や音楽を再生してみると、自動車とは思えないほど本格的なサウンドが感じられた。車内のスピーカーから音が聞こえているという感覚ではなく、自分の周囲に、しっかりと音場が形成されているように思えた。体験したのは公道などとは違い、展示ホール内の比較的静かな環境ではあるが、音の輪郭がぼやけることなく聞き取れたのも印象的だった。
ちなみに運転中だけでなく、駐車場などで充電している最中でもコンテンツを楽しむことができるとのこと。さらに後部座席にもスクリーンがそれぞれ2つ取り付けられており、リビングで一家団らんで映画を楽しんでいるかのような雰囲気でコンテンツを楽しめるという。また、後部座席ではゲーム、正面のパノラミックスクリーンでは映画再生、といったような、別々のコンテンツを再生する使い方にも対応する。
エンタメコンテンツとしては映画や音楽のほかに、車内でカラオケが楽しめる「Stingray Karaoke」、世界中のラジオが聞ける「TuneIn Radio」、ソニーグループのアニメ配信サービス「Crunchyroll」といったサービスも利用できる。自宅のPlayStationを車内から遠隔でプレイすることも可能だ。
展示ブースでは新型プロトタイプのほかに、仮想空間で街や道路を再現したシミュレーターも設置されている。今回はこちらのデモも続けて体験することができた。
AFEELAでは高いセンシング技術を生かした新たな移動体験として、AR技術を組みわせた「より一体感のある、没入感のある体験」が行えるという。Epic GamesのゲームエンジンであるUnreal Engine 5を活用し、新たなエンターテインメント、そしてゲーミング機能に対応させている。
デモはパーキングに入った状態で始まり、これを解除するところから始まる。パーキングを解除するには、右のレバー側面にあるボタンを押し、レバーを下に下げるとドライブにシフトチェンジされる。運転は通常の車と同じように、足元にあるアクセルとブレーキを踏むかたちで行う。
パノラミックスクリーンには、運転の状況などが表示。正面には「ADASビュー」が表示され、周囲の状況を360度確認できる。たとえば、信号機、信号の色、歩行者、道路状況などが表示される。なお将来的には、飛び出しの可能性が高いエリアや、横から割り込んできそうな車両に対して、フィードバックを実現して安全性を深めていきたいとのこと。
助手席側のスクリーンには、「ARナビゲーション」が表示。その右の画面には、走行をしていくといろいろな情報が溜まっていき、スマホを開かずとも、スクリーン1枚だけですべての情報を確認できることを目指しているとのこと。たとえば試合の結果などもスクリーン上に表示される。
そのほか、走行中の画面にもエンターテインメント機能を用意。ARナビゲーションにテーマが用意されており、これによって見え方を変えることが可能だ。今回のデモでは、海の中を走行しているような音と雰囲気が楽しめる「Ocean Theme」、ゲームの世界に入り込んだような「Monster View」が用意されていた。
今回体験したのはあくまでプロトタイプであり、今後変わっていく可能性はあるだろう。また発売後であっても、ソフトウェアのアップデートを重ねていくことで、長く使っていけることを目指しているそうだ。これからどう進化していくのか、楽しみに待ちたい。
今回、同社はソニーのブースに隣接するかたちで独自のブースを展開。ブース内には2台のAFEELAが展示されており、多くの来場者が一目見ようと訪れていた。なおAFEELAは既報の通り、2025年に受注を開始し、2026年に北米でリリースすることを目指している。
まずAFEELAの外観だが、昨年のCESで発表されたものからブラッシュアップが図られている。デザインについては「NEWTRAL(ニュートラル)デザイン」と呼んでおり、これは中立的を意味するニュートラリティーに、新しい挑戦のニュートライアルをかけた造語だという。ちなみに何の中立かというと、一例として “新しいもの” と “古いもの” などだそうだ。
車体の正面には、「メディアバー」と呼ばれるディスプレイを搭載。そしてこの部分に人が近づくと、内蔵センサーで人を感知し、「ウェルカムデザイン」を表示するというギミックも備わっている。今回記者が近づいた際には、AFEELAのロゴアニメーションが表示された。なおメディアバーでは、センサーを使ったデータや、バッテリー残量の表示なども行えるという。
■AFEELAの運転席に座ってみる
早速車内に乗り込もうとすると、多くの一般的な車には存在する “ドアハンドル” が存在しないことがわかる。ボタンで開閉するような車も存在するが、AFEELAの運転席のドアには、そういったものも設けられていない(後部ドアにはボタンが設置されている)。ではどうやって開けるかというと、ピラー部分にカメラが備わっており、その部分に顔を近づけると顔認証で開けられるようになっている。逆に車内から開ける場合は、ドアの内側にあるボタンを押すだけでよい。
ちなみにスマートフォン用のアプリも開発中で、顔認証の代わりにアプリをドアのキーとして使うことも計画しているとのこと。このほかアプリでは、ドアが空いている、といったステータス表示も行うことが可能だ。
ドアを開けて運転席に座ると、座席とステアリングが自動的に動き、サイズを合わせてくれる。その後ドアを閉めると、正面の「パノラミックスクリーン」と呼ばれるディスプレイに「ウェルカム映像」が流れるようになっている。デモでは映像が流れるだけだったが、将来的には音響や照明を駆使して、もっとダイナミックに、「これから出発するぞ」という高揚感を出すような演出に変わっていくという。
ステアリングは「ヨークステアリング」という名称がついており、上部が欠けたような、長方形の形状をしている。これは運転のしやすさに配慮しているだけでなく、ステアリングがパノラミックスクリーンに表示される車両情報をよく見えるように意図しているとのことだ。
なおディスプレイを横長のパノラマ状にした理由として、「ドライバーが視線をあまり上下に動かさなくても、すべての情報を取りやすく、リラックスした状態で操作できるように」という配慮があるそうだ。加えて、助手席からもディスプレイを操作しやすい、といった意見もあるとのこと。
■360度のサラウンドスピーカーのサウンドを体験
ソニー・ホンダモビリティはAFEELAのコンセプトについて、3A(Autonomy:進化する自律性、Augmentation:身体・時空間の拡張、Affinity:人との協調、社会との共生)を掲げている。このうちAugmentationの “拡張体験” による機能として、ユーザーの好みに車体をカスタマイズできるという機能が搭載されている。
その一例となるのが、テーマを選べる機能。今回のプロトタイプにもさまざまなテーマが備わっており、スパイダーマン、グランツーリスモ、フォートナイトなどが用意されていた。試しにフォートナイトのテーマを購入し適用してみると、車内のライティング、パノラミックスクリーンの表示、走行音、そして車体正面のメディアバーの表示が切り替わった。
続いて、エンターテインメント機能を体験していく。AFEELAは360度のサラウンドスピーカーを搭載しており、たとえば座席の肩部分、座席の中、ドアの内側、ルームランプ付近など、さまざまな場所に埋め込まれている。これによって「包みこまれている感じでコンテンツが楽しめる」「本物のIMAXシアターにいるような臨場感あふれる映画を楽しむ」そうだ。
ちなみに、センターコンソールにはダイヤルが設置され、ここからボリュームを変えることが可能。さらにステアリング部分にもメディアコントロール用のボタンが搭載されている。
実際に映像や音楽を再生してみると、自動車とは思えないほど本格的なサウンドが感じられた。車内のスピーカーから音が聞こえているという感覚ではなく、自分の周囲に、しっかりと音場が形成されているように思えた。体験したのは公道などとは違い、展示ホール内の比較的静かな環境ではあるが、音の輪郭がぼやけることなく聞き取れたのも印象的だった。
ちなみに運転中だけでなく、駐車場などで充電している最中でもコンテンツを楽しむことができるとのこと。さらに後部座席にもスクリーンがそれぞれ2つ取り付けられており、リビングで一家団らんで映画を楽しんでいるかのような雰囲気でコンテンツを楽しめるという。また、後部座席ではゲーム、正面のパノラミックスクリーンでは映画再生、といったような、別々のコンテンツを再生する使い方にも対応する。
エンタメコンテンツとしては映画や音楽のほかに、車内でカラオケが楽しめる「Stingray Karaoke」、世界中のラジオが聞ける「TuneIn Radio」、ソニーグループのアニメ配信サービス「Crunchyroll」といったサービスも利用できる。自宅のPlayStationを車内から遠隔でプレイすることも可能だ。
■センシング技術を生かした “新たな移動体験” を仮想空間でデモ
展示ブースでは新型プロトタイプのほかに、仮想空間で街や道路を再現したシミュレーターも設置されている。今回はこちらのデモも続けて体験することができた。
AFEELAでは高いセンシング技術を生かした新たな移動体験として、AR技術を組みわせた「より一体感のある、没入感のある体験」が行えるという。Epic GamesのゲームエンジンであるUnreal Engine 5を活用し、新たなエンターテインメント、そしてゲーミング機能に対応させている。
デモはパーキングに入った状態で始まり、これを解除するところから始まる。パーキングを解除するには、右のレバー側面にあるボタンを押し、レバーを下に下げるとドライブにシフトチェンジされる。運転は通常の車と同じように、足元にあるアクセルとブレーキを踏むかたちで行う。
パノラミックスクリーンには、運転の状況などが表示。正面には「ADASビュー」が表示され、周囲の状況を360度確認できる。たとえば、信号機、信号の色、歩行者、道路状況などが表示される。なお将来的には、飛び出しの可能性が高いエリアや、横から割り込んできそうな車両に対して、フィードバックを実現して安全性を深めていきたいとのこと。
助手席側のスクリーンには、「ARナビゲーション」が表示。その右の画面には、走行をしていくといろいろな情報が溜まっていき、スマホを開かずとも、スクリーン1枚だけですべての情報を確認できることを目指しているとのこと。たとえば試合の結果などもスクリーン上に表示される。
そのほか、走行中の画面にもエンターテインメント機能を用意。ARナビゲーションにテーマが用意されており、これによって見え方を変えることが可能だ。今回のデモでは、海の中を走行しているような音と雰囲気が楽しめる「Ocean Theme」、ゲームの世界に入り込んだような「Monster View」が用意されていた。
今回体験したのはあくまでプロトタイプであり、今後変わっていく可能性はあるだろう。また発売後であっても、ソフトウェアのアップデートを重ねていくことで、長く使っていけることを目指しているそうだ。これからどう進化していくのか、楽しみに待ちたい。