トップページへ戻る

ニュース

HOME > ニュース > デジカメニュース

公開日 2019/03/07 17:33
鉄塔点検などまずは5つのサービスから

KDDIがドローン商用化を6月スタート。作業効率/コスト改善へのトータルサービスを提供

Senka21編集部・竹内純
KDDIは、同社モバイル通信ネットワークを利用してより長距離で安全な運用を可能とする「スマートドローン」を用いて、監視や点検作業の効率化・低コスト化を実現する用途別ソリューションの提供を6月より順次開始する。

キャリアとして、ドローンを通信と組み合わせた可能性の大きさに着眼したKDDI。3年前よりプラットフォームの構築を目指して取り組みをスタートした

2016年12月19日に「スマートドローン構想」を発表以降、多数のパートナー企業と実用に向けた実証実験を重ねてきた。スマートドローンのソリューション提供に必要となる、モバイル通信に対応した用途に応じた機体、通信、気象・地図、運行管理をトータルで提供する統合プラットフォームが完成。ドローンの飛行計画の作成、運行状況の監視、機体制御を遠隔で行うことが可能となった。

これにより、「コスト削減や作業効率化に寄与できることが明確となった」(同社理事 商品・CS統括本部 副統括本部長の山田靖久氏)と提供開始を決断。まずは、「広域監視」「鉄塔点検」(以上6月から)「風力点検」「測量解析」「精密農業」(以上6月以降)の5つのソリューションから提供を開始する。

スマートドローンの用途別ソリューションの提供を6月から順次スタートする。それぞれの業務のニーズに具体に対応したソリューションは他にはない大きな強みと訴える

KDDI株式会社 理事 商品・CS統括本部 副統括本部長 山田靖久氏

「広域監視」では、鉄道、高速道路、スタジアム、工場などの広域インフラを、災害時等にスマートドローンで巡回。遠隔から現場の状況を確認し、被害状況の確認や復旧の可否を迅速に判断することが可能となる。

広域監視(設備)ドローンは、従来のドローンに比較して、長距離・広範囲の自立飛行を遠隔から監視し、鉄道や高速道路などの広域インフラを、ドローンからの映像でリアルタイムに確認できる

広域監視(捜索)ドローンは、標高6,000メートルまでの飛行が可能。夜間でも赤外線と超高感度カメラによる撮影ができる。折りたたみ式で機動力にも優れ、多くの人手と時間がかかる山・川・海での捜索時の現場の負担軽減と捜索迅速化を実現する

「鉄塔点検」では、これまで、複数人で長時間を要し高コストかつ高所での危険な点検作業を効率化。また、すでにドローンを活用した時例で課題とされていた点検精度をピンポイント撮影により向上した。「風力点検」においても鉄塔点検と同様に作業効率化と安全性の課題を解消する。

鉄塔点検ドローンは、自動飛行で鉄塔3Dモデルを作成。点検が必要な箇所を指定した角度・範囲でピンポイント撮影する。カメラを上下に移動させ、距離センサーと連動してピントを自動調節する

風力点検ドローンは、最大16m/sの高い耐風性を備え、風力タービンの周囲を安全に短時間で撮影し、高精細な画像で損傷個所を解析し、データを自動で管理、レポートを自動作成する

「測量解析」では、アイサンテクノロジー株式会社が提供する大規模3D点群高速編集ツール「Wing Earth」との連携で、施工管理の効率化を実現。「精密農業」は、株式会社スカイマティクスの葉色分析サービス「いろは」、農薬散布サービス「はかせ」との連携により、ドローン映像を元にした育成管理と農薬散布の実行・管理を実現する。農作業の効率化とあわせて、農薬や肥料の使用量を減らしコスト削減を可能とする。

精密農業ドローンは、農薬10リットル搭載時に13分以上の飛行時間を実現。1回の飛行で1ヘクタール以上の散布が可能だ

測量解析ドローンでは、お客様のニーズに合わせた点群データ編集、施工管理ファイルが作成できる

初年度売上げは「まずは目標として二桁億円」と明言。料金は、各企業におけるニーズを加味して個別に提供するもので、一般料金は設定していないとしたが、「鉄塔1基の点検に100万円かかるとしたら、その半額程度で提供できる」と具体例を示した。

今後のサービス拡充では、「点検」では道路などへ対象を広げていくことができる。また、「ドローンを地域創成に対して活用していくことも検討している」と述べ、2019年度より長野県伊那市で実証実験をスタート。各産業や物流、災害や鳥獣害へ対応するインフラとしてスマートドローンの活用を目指す。「地域におけるさまざまな問題を、ドローンを活用して解決できないか。地方の活性化にも役立てていきたい」と力を込めた。

また、超高速・大容量・低遅延の5GとAIを活用したさらなる展開にも意欲をのぞかせる。現在、ドローンからLTEで伝送される映像は、人間の目に見えるものと同じ解像度とまではいかないが、5Gにより同程度の高い解像度を実現。「リアルタイムに大量の高品質の映像データを解析することで、より多くの利用シーンに活用が拡がる。そこを見据えて取り組んでいきたい」と訴えた。

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 月額3万円の最強ChatGPTに「電源で音質が変わるか」と聞いたら意外な展開に
2 その男を怒らせてはいけない! “絶対に死なない”伝説の老兵がツルハシ1本で敵を討つ
3 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.10】音のプロが選ぶベストバイは?
4 QobuzもAmazonもこれ一台!コスパ抜群、機能も満点。ストリーマーの決定版「WiiM Ultra」を徹底ハンドリング
5 CD再生とファイル再生の架け橋に!Shanlingからリッピング機能付きトランスポート「CR60」が登場
6 「オーディオのオンキヨー」復活へ。新スピーカーとセパレートシステムを年明けのCESで発表
7 AVIOT、『らんま1/2』コラボ完全ワイヤレスイヤホン。完全新録ボイス240種類以上搭載
8 水月雨、『崩壊:スターレイル』とのコラボ完全ワイヤレス。ダイナミック+環状平面駆動の同軸ドライバー搭載
9 今こそ「ミニコンポ」が面白い! デノン/マランツ/B&Wの令和ライフにマッチする厳選5モデルレビュー
10 トップウイング、ネットワークオーディオの光絶縁を手軽に試せる「OPT ISO BOX」
12/23 10:35 更新

WEB