ニュース
HOME > ニュース > Gadgetニュース
公開日 2024/01/26 14:31
100万インストール以上の大手アプリにはコア手数料が課税
アップル、EUで「代替アプリストア」や「アプリ外決済」を許可。3月のiOS 17.4で利用可能に
多根清史
アップルは25日(現地時間)、欧州連合(EU)におけるiOSおよびApp Storeの変更を発表した。iPhoneとiPadユーザーは、App Store以外の代替アプリストアや、アプリ外決済を利用可能になる。
これら新機能は、すでにiOS 17.4ベータ版でテスト中。2024年3月から、EU27か国のユーザーに提供される予定だ。
アップルは長らく、ユーザーが詐欺やマルウェア、プライバシーやセキュリティ問題に晒されやすくなるとして、こうした変更を避け続けてきた。しかし、3月7日からEU域内でデジタル市場法(DMA)が施行されることを受けて、同社のほかハイテク大手各社とも大きな譲歩を余儀なくされた格好だ。
アップルのフィル・シラー氏(元ワールドワイドマーケティング担当上級副社長)は声明のなかで、「本日発表する変更は、欧州連合(EU)におけるDMAの要件に準拠するとともに、この規制がもたらすプライバシーとセキュリティへの脅威の増大からEUユーザーを保護するためのもの」とコメント。要は、一部変更がユーザーにリスクをもたらすと考えていることを明らかにしている。
以下、方針変更のあらましである。
■代替アプリストア
iPhoneやiPadにアプリをインストールできるiOS/iPadOSアプリとして配布される。アップルの基準(詐欺防止やカスタマーサポート等)を満たす限り、いかなる開発者でも代替アプリストアを作ることができる。それに伴い「代替アプリストアを構築する」「代替アプリストアからiOSアプリを配布する」ことを可能とする、新たなAPIも提供する。
またEUでは、アプリ開発者がアプリを配布する際に、App Storeまたは任意の代替アプリストアを自由に選ぶことができる。複数の代替アプリストアを通じて配布することも、App Storeと代替アプリストアを組み合わせることも可能だ。
これら代替アプリストア経由で配布するアプリは、安全性とセキュリティチェックを含む公証(自動チェックと人間によるレビューを含む)プロセスを経る必要がある、これは、Macアプリの公証システムと同じである。
さらにiOS側でも、追加のマルウェア保護を提供。代替アプリストアからインストールされた際に、マルウェアが含まれていることが判明した場合は、アプリが起動しないようにする。
ただしアップルは、自社が「詐欺、詐欺、不正利用を含むアプリや、ユーザを不正、好ましくない、または有害なコンテンツにさらすアプリなど、その他のリスクに対処する能力は低い」と指摘。完全に管理下にあるApp Storeほどのチェックは出来ない、ということだろう。
■アプリストア手数料
代替アプリストア上のアプリについては、アップルは手数料を請求しない。また、EU向けApp Store内で利用可能となる(アプリ内課金以外の)代替決済に対しても同じ扱いとなる。アプリ開発者は、全ての購入手続きをアプリ内で行えるよう、代替決済手続きをアプリに統合できるようになる。
ただし「コア技術料」として、1インストールにつき0.50ユーロ(80円)が課される。最初の100万インストールまでは無料だが、それ以降は手数料が発生する。もっとも、政府機関や非営利団体、教育機関に関しては免除される。
引き続きApp Storeでの配信を選んだアプリ開発者は、2つの条件のいずれかを選ぶことができる。1つは従来通りの方式であり、これまでと同じ手数料(15〜30%)を支払う。
新たな条件のもとでは、アップルに支払う手数料が減額される。30%の手数料は17%に、1年以上経過した定期購読および「大半の開発者」は15%から10%に引き下げる。「大半の開発者」とは、小規模事業者を指している。
後者を選んだアプリ開発者は、代替アプリストアも利用できる一方で、コア技術料も支払うことになる。また、アップルのアプリ内課金システムを引き続き利用する場合は、3%の追加手数料が発生する。アップルによると、新たな料金体系のもとでは、ほとんどの開発者が現在よりも手数料の支払いが少なくなるいう。
これらiOSおよびアプリストアの仕様変更は、あくまでEU域内のみに限られる。アップルがDMAに沿った変更を「プライバシーとセキュリティへの脅威の増大」とみなしていることから、同様の規制が施行されなければ、日本やその他の国への波及は望みにくいかもしれない。
Source: Apple
via: Engadget
これら新機能は、すでにiOS 17.4ベータ版でテスト中。2024年3月から、EU27か国のユーザーに提供される予定だ。
アップルは長らく、ユーザーが詐欺やマルウェア、プライバシーやセキュリティ問題に晒されやすくなるとして、こうした変更を避け続けてきた。しかし、3月7日からEU域内でデジタル市場法(DMA)が施行されることを受けて、同社のほかハイテク大手各社とも大きな譲歩を余儀なくされた格好だ。
アップルのフィル・シラー氏(元ワールドワイドマーケティング担当上級副社長)は声明のなかで、「本日発表する変更は、欧州連合(EU)におけるDMAの要件に準拠するとともに、この規制がもたらすプライバシーとセキュリティへの脅威の増大からEUユーザーを保護するためのもの」とコメント。要は、一部変更がユーザーにリスクをもたらすと考えていることを明らかにしている。
以下、方針変更のあらましである。
■代替アプリストア
iPhoneやiPadにアプリをインストールできるiOS/iPadOSアプリとして配布される。アップルの基準(詐欺防止やカスタマーサポート等)を満たす限り、いかなる開発者でも代替アプリストアを作ることができる。それに伴い「代替アプリストアを構築する」「代替アプリストアからiOSアプリを配布する」ことを可能とする、新たなAPIも提供する。
またEUでは、アプリ開発者がアプリを配布する際に、App Storeまたは任意の代替アプリストアを自由に選ぶことができる。複数の代替アプリストアを通じて配布することも、App Storeと代替アプリストアを組み合わせることも可能だ。
これら代替アプリストア経由で配布するアプリは、安全性とセキュリティチェックを含む公証(自動チェックと人間によるレビューを含む)プロセスを経る必要がある、これは、Macアプリの公証システムと同じである。
さらにiOS側でも、追加のマルウェア保護を提供。代替アプリストアからインストールされた際に、マルウェアが含まれていることが判明した場合は、アプリが起動しないようにする。
ただしアップルは、自社が「詐欺、詐欺、不正利用を含むアプリや、ユーザを不正、好ましくない、または有害なコンテンツにさらすアプリなど、その他のリスクに対処する能力は低い」と指摘。完全に管理下にあるApp Storeほどのチェックは出来ない、ということだろう。
■アプリストア手数料
代替アプリストア上のアプリについては、アップルは手数料を請求しない。また、EU向けApp Store内で利用可能となる(アプリ内課金以外の)代替決済に対しても同じ扱いとなる。アプリ開発者は、全ての購入手続きをアプリ内で行えるよう、代替決済手続きをアプリに統合できるようになる。
ただし「コア技術料」として、1インストールにつき0.50ユーロ(80円)が課される。最初の100万インストールまでは無料だが、それ以降は手数料が発生する。もっとも、政府機関や非営利団体、教育機関に関しては免除される。
引き続きApp Storeでの配信を選んだアプリ開発者は、2つの条件のいずれかを選ぶことができる。1つは従来通りの方式であり、これまでと同じ手数料(15〜30%)を支払う。
新たな条件のもとでは、アップルに支払う手数料が減額される。30%の手数料は17%に、1年以上経過した定期購読および「大半の開発者」は15%から10%に引き下げる。「大半の開発者」とは、小規模事業者を指している。
後者を選んだアプリ開発者は、代替アプリストアも利用できる一方で、コア技術料も支払うことになる。また、アップルのアプリ内課金システムを引き続き利用する場合は、3%の追加手数料が発生する。アップルによると、新たな料金体系のもとでは、ほとんどの開発者が現在よりも手数料の支払いが少なくなるいう。
これらiOSおよびアプリストアの仕様変更は、あくまでEU域内のみに限られる。アップルがDMAに沿った変更を「プライバシーとセキュリティへの脅威の増大」とみなしていることから、同様の規制が施行されなければ、日本やその他の国への波及は望みにくいかもしれない。
Source: Apple
via: Engadget
- トピック
- Gadget Gate