トップページへ戻る

ニュース

HOME > ニュース > Gadgetニュース

公開日 2024/03/04 20:26
Appleシリコンに対する逆襲

インテル、オープンソースのNPU高速化ライブラリを公開。最新ノートPC上で軽量LLMが動作

多根清史
インテルはついに、オープンソースのNPU(Neural Processing Unit)アクセラレーション・ライブラリを公開した。これにより、開発者らはアプリを同社のAIエンジンに最適化でき、ローカルPC上でLLM(大規模言語モデル)を動かしやすくなった。

この一報は、インテルの技術エバンジェリスト(自社製品の特徴などを分かりやすく説明し、普及させる役職)、トニー・モンコルスマイ氏がXで述べたことだ。これにより、MSI Prestige 16 AI Evo(インテルCore Ultraプロセッサー搭載ノートPC)上で、TinyLlamaとGemma-2b-itといった軽量LLMが動かせたと付け加えている。

インテルは昨年末に新世代の「Core Ultra」プロセッサーを発表したが、ここ最近ノートPCベンダー各社が採用した新製品を相次いで投入し始めている。特に重きが置かれているのが、AI処理に特化した統合NPU「AI Boost」だ。AI推論処理をCPUやGPUより高い電力効率で実行でき、AIアプリをローカル側で処理し、クラウドへの依存を減らす鍵になる。

どれだけ素晴らしいポテンシャルを秘めていても、利用できる人が限られていれば宝の持ち腐れにもなりかねない。インテルがCore Ultraプロセッサーの普及を望むのであれば、一部の関係者がNPU関連ライブラリーを独占するよりも、広く門戸を開いた方が得策という戦略なのかもしれない。

たとえばM1やM2といったAppleシリコン(アップル独自設計プロセッサー)は、アップルが仕様やライブラリーをオープンにしなかったことで、Linux移植プロジェクトも当初は大苦戦していた。数年にわたってインテル製チップはAppleシリコンに対して精彩を欠いた時期もあったため、AIブームに乗った巻き返しを図っているのだろう。

とはいえ、本ライブラリーは「開発者がNPU用のモデルで作業するためのもの」とされ、一般ユーザーが今すぐに生産性を上げられるわけではない。また完全にNPU向けに書かれているため、Core Ultraより以前のNPU非搭載プロセッサーで使うことは不可能である。

モンコルスマイ氏はPythonコードのスクリーンショットを公開しているので、腕に覚えがある方は参考にして自らコードを書くか、ないしは同氏のコードを書き写して試してみるのもいいだろう。

Source: Tony Mongkolsmai(X)
via: Wccftech

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 オンキヨーの特許技術を搭載したヘッドホンアンプキットを作ってみた…ら思ったよりも高難度!でも音は最高!
2 B&W「707S3 Prestige Edition」とDALI「KUPID」がスピーカー両部門で首位堅持<ハイファイオーディオ売れ筋ランキング11月>
3 高額査定のポイントとは? 買取専門店に聞いた、オーディオ売るコツ/買うコツ
4 カーオーディオの頂点からホームへ──AV Kansai岩元秀明氏が構築した理想郷。京都・宇治に誕生したハイエンドショールーム
5 マライア・キャリーの美声を110インチのホームシアターで堪能!“クリスマスの女王”からの特別プレゼント
6 ヤマハ、オートバックスとの協業で車載スピーカーを開発中。新たな振動抑制技術も投入
7 final、音色を個人最適化できる完全ワイヤレスイヤホン「TONALITE」の一般販売スタート
8 Sonos、最上位サウンドバーやヘッドホンなどが最大20%オフの「New Year Sale」。12/27から
9 iFace、税込1980円のUSB-Cイヤホン。3.5mmプラグ仕様モデルも
10 B&W、予約制マンスリー試聴会を来年1/10より実施。第1回は「803 D4で聴くニューイヤーコンサート」
12/24 11:01 更新

WEB