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公開日 2023/07/24 18:16
現状明確な規制や制限などは設けず

JASRAC、「生成AIと著作権の問題に関する基本的な考え方」を発表。創作者の意見を丁寧に聴く必要性を訴える

編集部:松永達矢
日本音楽著作権協会(JASRAC)は本日7月24日、「生成AIと著作権の問題に関する基本的な考え方」について発表を行った。

現状明確な規制や制限などは設けず

7月5日の理事会での決議に基づくもので、「クリエイターが安心して創作に専念できるよう、創造のサイクルとの調和が取れたAI利活用の枠組みの実現に向けて検討や提言を行っていく」とした。現状では明確な規制や制限などは設けられていない。

具体的には、クリエイターの生み出した文化的所産である著作物が、人間とは桁違いの規模・スピードで際限なく学習利用され、その結果として、「著作物に代替し得るAI生成物が大量に流通することになれば、創造のサイクルが破壊され、文化芸術の持続的発展を阻害することが懸念される」と指摘。生成AIの開発・利用は、人間の創造性に則ることを前提とした「創造サイクルとの調和が必要」と訴えた。

また、著作権法第30条の4の規定によって、営利目的の生成AI開発に伴う著作物利用についてまで、原則として自由に行うことが認められるとすれば、「多くのクリエイターの努力と才能と労力へのフリーライド(ただ乗り)を容認するものにほかならず、フェアではない」と見解を示した。

調和という観点からは国際的な視座が必要となり、「国際的に共通の大きな考え方・ルールの整合性を確保する必要性がある」と説いている。

数多くのクリエイターが生成AIについて懸念を抱く現状において、クリエイターの意見を広く丁寧に聴くことが不可欠であり、世界中のクリエイターが安心して創作活動に打ち込むことができるよう、「その懸念の解消を図ることが文化芸術及びコンテンツビジネスの持続的発展のために必要」と提言した。

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