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公開日 2018/11/30 16:27
売上好調で2018年は2億台超を出荷へ
ファーウェイ幹部が語るアメリカ市場やハイエンド戦略。iPhoneの状況は「注目していない」
編集部:小野佳希
フラグシップスマートフォン「HUAWEI Mate 20 Pro」を日本にも投入したファーウェイ。グローバル全体のマーケティングや販売戦略を統括するJim Xu氏が来日し、日本のメディアからのグループインタビューに応えた。政府から“締め出し”を受けているアメリカ市場の展開などにも触れられたインタビューの模様をお届けする。
■世界各国で好調なファーウェイ。さらなるハイエンド機開発に投資も増やす
まず「Mate 20 Pro」については、日本に先行して発表した海外において「前機種のMate 10 Proと比べると、多くの国で3〜5倍のペースで伸びている。製品のライフサイクル中に1,000万台出荷に届くのではないかと見ている」と、非常に好調だとコメント。「今年は3月にP20シリーズを、10月にMate20シリーズを発表したが、そのたびに非常にポジティブな評価をいただいた。各国メディアからも『2018年のベストスマートフォンだ』と言ってもらえている」と語る。
そして、フラグシップ機Mate20 Proを始めとしたハイエンドモデルが非常に好調で、「前年同期比で(ハイエンドモデルの)売上が倍になっている」とのこと。こうしたハイエンド機に牽引されミドルレンジやローエンドモデルも売上を伸ばし、出荷台数も前年比で50%超の伸びであり「全モデルを合わせたスマートフォン年間出荷台数は2億台を超える見込みだ」という。
また、欧州のほとんどの国でシェア20%超となり、一部の国では30%超のシェアを獲得できていることも紹介。やはりミドルレンジ製品が売上のなかで一番大きなボリュームを占めるとのことだが、「日本市場ではハイエンドモデルの割合が非常に大きい。イギリスとドイツを足した量に相当する」という。
今後の製品ミックスについては、現在のバランスを保ちながらも「次のステップとして、もっとハイエンドの販売を伸ばしていきたい」とコメント。「昨年2017年は研究開発費に120億ドル(約1兆3,600億円超)を投じており、今年はさらに上回る額となる」とし、こうして開発した革新的な技術を投入したハイエンドモデルを投入することで、優れた独自技術を持つブランドであることをさらに認知させていきたいという考えを示した。タブレットやPC、スマートウォッチやIoTデバイスに対しても積極的に投資を行っていくという。
一方で、「(ファーウェイの端末は)ユーザーのニーズを完璧に満たすまでには至っていないと思っている」ともコメント。
「例えばカメラ機能は、世界一のものを提供したと思っているが、それらの写真を手軽に編集、管理して、さらに共有して保存するに至るまでのソリューションはどうか。PCとスマートフォン間でデータのやりとりを簡単でスムーズにできているか。ファーウェイのスマホで撮影した写真や動画を他社のテレビやプロジェクターですぐに映せるかというとそうではない」と、端末単体では終わらない部分にも取り組んでいきたい意向を示し、「他社にも開かれたプロトコルを用いることで、様々な製品で相互接続できるようなソリューションを提供したいと思っている」と述べた。
また、端末に搭載する機能そのものもさらに進化させていくとコメント。「カメラを食べ物に向ければカロリーが分かったり、被写体を認識してeコマースにリンクするなどといった具合に、AI機能も以前からすれば進化しているが、まだまだ充分とは言えない。フォトグラファーやビデオグラファー向けの市場も伸びしろが大きいと思っており、カメラも一眼カメラクオリティにもっと近づけたい。(出席した記者たちに向かって)そうすれば皆さんも重いカメラを持たなくてよくなるでしょう(笑)」と語った。
■アメリカ市場は「条件が許されるなら参入したい」が「我々の製品はたくさんの人々に信頼されている」
現在、サムスンに次ぐ世界第2位のスマートフォンメーカーであるファーウェイ。今後、世界一の座を目指すにあたって、トランプ政権によって市場から締め出されているアメリカは非常に重要な市場であるように思えるが、「実は、世界一を明確な目標にはしていない。それは結果であって目標ではない」とXu氏はコメント。
「真の目標は、ユーザーから本当に気に入ってもらえる、ユーザーエクスペリエンスを満たすようなものをつくること」だとし、「そうして真面目に製品をつくり、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができれば、結果としてより多くの人に買ってもらえるようになる」と続けた。
また、「我々の製品は170の国々で提供されており、世界のトップ500に入るような企業も顧客に多い。そしてユーザー数で見れば3億人に端末を提供している」と、世界各地でファーウェイ製品が広く受け入れられているという実績を改めて紹介。「この数字は、我々の製品はたくさんの人々に信頼されている証だ」と、製品の信頼性の高さをアピールする。
そして「一部の国では販売を行えていないが、条件が許されるのであれば市場に参入したい。ただ、どちらにしても一貫してユーザーのために最もよい製品やエクスペリエンスを提供していくことに変わりはない」とした。
そのほか、出席したメディアからは「iPhoneの売れ行きが鈍っている点を、ファーウェイとしてはチャンスだと見ているのか? それとも、ハイエンド製品が売れなくなっている兆候だと見て戦略展開見直しなどを考えるのか?」という質問も。
これに対しXu氏は、「それは特に日本市場の状況だと思うが、中国では依然としてiPhoneは売れている」とした上で、「競合しない価格帯で我々は展開しているため、iPhoneの状況にはあまり注目していない」と答えた。
そして、「例えば写真や電話帳、メッセンジャーのログといった様々なデータを、簡単にiOSからAndroidに移せるようなものを提供するなど、ユーザーエクスペリエンスを向上させていくことが重要だ」とコメント。「そうすることでユーザーにより多くの選択肢を提供していきたい」とした。
■世界各国で好調なファーウェイ。さらなるハイエンド機開発に投資も増やす
まず「Mate 20 Pro」については、日本に先行して発表した海外において「前機種のMate 10 Proと比べると、多くの国で3〜5倍のペースで伸びている。製品のライフサイクル中に1,000万台出荷に届くのではないかと見ている」と、非常に好調だとコメント。「今年は3月にP20シリーズを、10月にMate20シリーズを発表したが、そのたびに非常にポジティブな評価をいただいた。各国メディアからも『2018年のベストスマートフォンだ』と言ってもらえている」と語る。
そして、フラグシップ機Mate20 Proを始めとしたハイエンドモデルが非常に好調で、「前年同期比で(ハイエンドモデルの)売上が倍になっている」とのこと。こうしたハイエンド機に牽引されミドルレンジやローエンドモデルも売上を伸ばし、出荷台数も前年比で50%超の伸びであり「全モデルを合わせたスマートフォン年間出荷台数は2億台を超える見込みだ」という。
また、欧州のほとんどの国でシェア20%超となり、一部の国では30%超のシェアを獲得できていることも紹介。やはりミドルレンジ製品が売上のなかで一番大きなボリュームを占めるとのことだが、「日本市場ではハイエンドモデルの割合が非常に大きい。イギリスとドイツを足した量に相当する」という。
今後の製品ミックスについては、現在のバランスを保ちながらも「次のステップとして、もっとハイエンドの販売を伸ばしていきたい」とコメント。「昨年2017年は研究開発費に120億ドル(約1兆3,600億円超)を投じており、今年はさらに上回る額となる」とし、こうして開発した革新的な技術を投入したハイエンドモデルを投入することで、優れた独自技術を持つブランドであることをさらに認知させていきたいという考えを示した。タブレットやPC、スマートウォッチやIoTデバイスに対しても積極的に投資を行っていくという。
一方で、「(ファーウェイの端末は)ユーザーのニーズを完璧に満たすまでには至っていないと思っている」ともコメント。
「例えばカメラ機能は、世界一のものを提供したと思っているが、それらの写真を手軽に編集、管理して、さらに共有して保存するに至るまでのソリューションはどうか。PCとスマートフォン間でデータのやりとりを簡単でスムーズにできているか。ファーウェイのスマホで撮影した写真や動画を他社のテレビやプロジェクターですぐに映せるかというとそうではない」と、端末単体では終わらない部分にも取り組んでいきたい意向を示し、「他社にも開かれたプロトコルを用いることで、様々な製品で相互接続できるようなソリューションを提供したいと思っている」と述べた。
また、端末に搭載する機能そのものもさらに進化させていくとコメント。「カメラを食べ物に向ければカロリーが分かったり、被写体を認識してeコマースにリンクするなどといった具合に、AI機能も以前からすれば進化しているが、まだまだ充分とは言えない。フォトグラファーやビデオグラファー向けの市場も伸びしろが大きいと思っており、カメラも一眼カメラクオリティにもっと近づけたい。(出席した記者たちに向かって)そうすれば皆さんも重いカメラを持たなくてよくなるでしょう(笑)」と語った。
■アメリカ市場は「条件が許されるなら参入したい」が「我々の製品はたくさんの人々に信頼されている」
現在、サムスンに次ぐ世界第2位のスマートフォンメーカーであるファーウェイ。今後、世界一の座を目指すにあたって、トランプ政権によって市場から締め出されているアメリカは非常に重要な市場であるように思えるが、「実は、世界一を明確な目標にはしていない。それは結果であって目標ではない」とXu氏はコメント。
「真の目標は、ユーザーから本当に気に入ってもらえる、ユーザーエクスペリエンスを満たすようなものをつくること」だとし、「そうして真面目に製品をつくり、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができれば、結果としてより多くの人に買ってもらえるようになる」と続けた。
また、「我々の製品は170の国々で提供されており、世界のトップ500に入るような企業も顧客に多い。そしてユーザー数で見れば3億人に端末を提供している」と、世界各地でファーウェイ製品が広く受け入れられているという実績を改めて紹介。「この数字は、我々の製品はたくさんの人々に信頼されている証だ」と、製品の信頼性の高さをアピールする。
そして「一部の国では販売を行えていないが、条件が許されるのであれば市場に参入したい。ただ、どちらにしても一貫してユーザーのために最もよい製品やエクスペリエンスを提供していくことに変わりはない」とした。
そのほか、出席したメディアからは「iPhoneの売れ行きが鈍っている点を、ファーウェイとしてはチャンスだと見ているのか? それとも、ハイエンド製品が売れなくなっている兆候だと見て戦略展開見直しなどを考えるのか?」という質問も。
これに対しXu氏は、「それは特に日本市場の状況だと思うが、中国では依然としてiPhoneは売れている」とした上で、「競合しない価格帯で我々は展開しているため、iPhoneの状況にはあまり注目していない」と答えた。
そして、「例えば写真や電話帳、メッセンジャーのログといった様々なデータを、簡単にiOSからAndroidに移せるようなものを提供するなど、ユーザーエクスペリエンスを向上させていくことが重要だ」とコメント。「そうすることでユーザーにより多くの選択肢を提供していきたい」とした。