トップページへ戻る

ニュース

HOME > ニュース > モバイル/PCニュース

公開日 2020/01/30 20:06
NTTドコモ2019年度第3四半期決算会見

ドコモ、新プラン移行で減収減益も金融・決済などスマートライフ事業は増収増益。注目の5G商用化は今春

PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
■新プラン移行は1,200万件を突破

NTTドコモは、2019年度第3四半期決算を発表した。営業収益は前年同期比1,381億円減の3兆5,160億円、営業利益は同1,142億円減の7,879億円、四半期純利益は同652億円減の5,423億円の減収減益となった。セグメント別には、通信事業の営業収益は同1,994億円減の2兆8,059億円、営業利益が同1,158億円減の6,514億円。スマートライフ領域は、営業収益が同662億円増の7,328億円、営業利益が同17億円増の1,364億円。吉澤和弘社長は「新料金プラン『ギガホ・ギガライト』へ移行を進めた影響で減収減益だが、年初の計画通り進捗している」と説明した。

第3四半期決算概況は減収減益

株式会社NTTドコモ 代表取締役社長 吉澤和弘氏

「お客様より大変ご好評いただいている」と語る新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」は、昨年末12月31日時点で申込件数1,114万件、年明け1月18日には1,200万件を突破した。19年度末目標として1,700万件を掲げるが、「2月、3月は春商戦で市場も活発になる。キャンペーン等もフル活用し、目標の1,700万にはかなり近づけるところまでいける」と展望を示した。なお、「2,000億円規模のお客様還元を実施する」としていたが、初動が遅かった分、少し下回る見込みだ。

新料金プランは申し込みが1,200万件を突破

セグメント別実績。スマートライフ領域は増収増益

ギガホ・ギガライトを契約すると「Amazonプライム」が1年ついてくるキャンペーンやディズニーデラックスセット割、ギガホ増量キャンペーンなど積極施策を展開。「新プランへのさらなる移行促進を図り、顧客基盤を強化する」と訴えた。一方、新プランへの移行が減収減益の大きな要因となるが、「その分、月々サポートは減少している。また、d払いなどの決済関連や法人ソリューションは伸長している。それらスマートライフ領域でリカバリーし、来年度の利益を確保していきたい」との考えを示した。

■d払いは日常的な使い勝手の良さを重視

セグメント別では、減収減益の通信事業に対し、スマートライフ領域は増収総益と波に乗る。営業利益で15%の構成比となる金融・決済サービスは、取扱高が前年同期比34%増となる3兆8,200億円、dカード契約数は同13%増の1,247万件となった。うち、d払いの取扱高は、前年同期比3.3倍となる2,600億円、ユーザー数は同2.1倍の2,198万人だ。1月1日には2,200万人を突破した。

金融・決済サービスは、スマートライフ領域の営業利益で15%の構成比となる

d払いは取扱高、ユーザー数ともに拡大

「d払い」加盟店も順調に拡大する。決済・ポイント利用可能箇所は同46%増となる143カ所に拡大。dポイント利用は同23%増となる1,459億ポイントで、うち提携先での利用が約6割を占めている。dポイント提携先は同1.8倍となる686。

先頃、KDDIより「au PAYアプリは金融に強いスーパーアプリになる」との発表があったが、吉澤社長は「スーパーアプリと言われても定義がわからない。d払いは日常的に使い勝手の良いウォレットアプリにしていくことが最も重要だと考えている。いろいろな店に行くたびに個々のアプリを立ち上げるのではなく、d払い上で加盟店のサービスが使えるd払いミニアプリで、使いやすさに軸足を置いて機能拡充を図っていく」と訴えた。使用できる場所を拡大するためのキャンペーン施策には引き続き力を入れていくが、「一時的にいつまでに何億円といったことはやらない。継続的に対象を絞りながら実施していきたい」と方針を説明した。

dポイントの利用は1,459億ポイントに

d払い加盟店も順調に拡大する

dポイントでは、ドコモのビジネスアセットの強みをプラスすることで新たな価値を共創する「+dパートナー」を拡大しているが、1月30日、リクルート社との戦略的業務提携が発表され、dポイントを中心にさまざまな分野での協業を推進していく。リクルートでは「じゃらん」「ホットペッパービューティー」「ホットペッパーグルメ」など約20万店舗にWEBサービスを提供しており、約7,300万のdポイントクラブ会員との連携により、会員数・顧客基盤の強化とdポイント・d払い利用の拡大を目指す。「データ連携が今回のもっとも大きなポイント。マーケティングに活用していきたい」と協業への意気込みを示した

拡大する+dパートナー

リクルート社との戦略的業務提携を発表

■5G商用化は3月下旬から5月の間

今年の商用化が注目される「5G」では、プレサービスを昨年9月20日よりスタートしているNTTドコモ。ラグビー国際大会での報道カメラ画像伝送や北海島岩見沢市での自動制御トラクターの遠隔監視など、2020年1月30日時点で31都道府県にわたって実施している。昨年11月には、第32回東京国際映画祭において、「Virtual×Real×Techライブ」を開催。VR空間でバーチャルキャラクターとリアルなタレントが共演するというもので大きな話題を集めた。

話題を集めたバーチャルキャラクターライブ

昨年9月20日より5Gプレサービスを開始

今後も5Gプレサービスの展開を加速していく構え。音楽イベントなどの生配信をスマートフォンなどからマルチアングルで視聴できる「新体感ライブ CONNECT」では、新たに8K高画質のVR映像を生配信する「8KVRライブ」を追加。3月18日には、SixTONES・Snow Manが出演するリアルイベントを生配信し、都内の別会場・渋谷ストリームで、5Gの高速・大容量を活かし、ヘッドマウントディスプレイで高画質なVR体験ができるライブビューイングを実施する。また、全国でもスマホを使ったVR体験が4G環境により有料で生配信される。「プレサービス期間中に約100事例を創出し、5Gソリューションによる社会の成長加速へ貢献していきたい」と力を込めた。

「8KVRライブ」イベントを3月18日に開催する

パートナーとの共創をさらに強化していく

NTTドコモでは5G体験の推進へ向けて、全国のドコモショップ9店舗に5G体験コーナーを設置している。また、5Gを活用した新たな利用シーンの創出へ、商用サービスと同じ環境で5G技術検証がいつでも行える「ドコモ5Gオープンラボ」を、パートナー企業向けに全国11拠点に構えている。

気になる5Gのローンチの時期については「今年の春」と明言。「料金、サービス、ソリューション、端末等、事前に発表会を催し明らかにしたい。もう少しおまちいただきたい」とした。なお、“春”とは3,4,5月のことと補足があり、また、前述の通り3月18日には5Gプレサービスと位置づけた8KVRライブが催されることから、ローンチのタイミングは、3月下旬から5月の間となりそうだ。

ローンチ時の状況については「広いエリアは確保できず、全国で何拠点という形になる。6月中には全47都道府県でとアナウンスしているが、中には1カ所2カ所のところも出てくる。仕様については考えているものに相当近づいている。テストもしっかりと行っており、安心してお使いいただけるレベルのものになる」と見通しを示した。

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 ソニー、第2世代フラグシップ・ミラーレス一眼「α1 II」。画質、操作性を着実に強化
2 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
3 目黒蓮を“もっとそばに”感じられる特別イベント。「レグザミュージアム〜The 6 STORIES〜」11/21から原宿で開催
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 ビックカメラ.com、「2025年新春福箱」の抽選申し込み開始。全66種類、iPadやPS5も登場
6 覚えておくと絶対便利!iPhoneの「計測」アプリでできる、あんなことこんなこと
7 ビクター「HA-A6T」レビュー!5000円切り完全ワイヤレスイヤホンは「価格を上回るクオリティ」
8 高音質と機能性を両立する新たなスタンダード機!AVIOTのANC完全ワイヤレス「TE-V1R」レビュー
9 Meze Audioが打ち出す待望の入門モデル。開放型ヘッドホン「105 AER」&イヤホン「ALBA」の音質に迫る
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/21 10:37 更新

WEB