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公開日 2016/10/03 12:07
100万円超のシステムでスーファミを遊ぶ

【どうなる?】スーパーファミコンをめちゃくちゃ良い環境でプレイした結果

アニソンオーディオ編集部:押野 由宇
皆さんにとって、思い出のゲームハードと言えばなんですか? ファミコンやメガドライブ、なんならアーケード筐体を挙げる方もいれば、PSPやWiiなんて現代っ子もいるかもしれませんね。

僕にとっては、もう断然これ。


そう、スーパーファミコンです。1990年に登場し、子供たちをメロメロにしたあげく、ゲーム脳のインドア派を量産した罪深きハード。僕の目が悪くなったのも大体こいつのせいです。

でも、好きなんですよね、スーファミ。時代は進み、3Dが当たり前どころかVRとか出てきていますが、時たま無性にプレイしたくなるのはやっぱりカセット。

友達なんかと話していても、最近のゲームだと「あれ面白いよな」「おお」程度の会話が、スーファミになると「あれ面白かったよな!!!」「おお!!!」くらいになりませんか? ならないという人は、異文化交流の気持ちで読み進めてください。

さて、このように最高なスーファミですが、当時は小さなブラウン管でピコピコやっていたわけです。これが現代のハイスペックな環境ともなれば、超スーファミ(スーパースーパーファミコン)になるんじゃないでしょうか?

ということで、社内にいたスーファミ世代を集めて実践してみたいと思います。



参加メンバーはこちら。


左から、オーディオライター土方久明(1973年生まれの43歳)、アニソンオーディオ編集部の押野由宇(1986年生まれの30歳)、Phile-web編集部の杉浦みな子(1983年生まれの33歳)です。

●スーファミの思い出



皆さん、スーファミってどのくらいやってました?


子供のときは、本当にずっとやってましたよ! 一日一時間とか守ったことない。


男子だけじゃなくて、女子でも結構やってる子は多かったですね。


僕は当時からもう女子と交流することがなかったので、ちょっとその辺りの事情は知らないですね。では、好きだったソフトは?


それは『F-ZERO』です。スーファミを本当に初期からやっているような僕らくらいの歳の人は、大体このタイトルを挙げるんじゃないかな。


えふぜろ・・・?


えっ、知らない? うそ、これがジェネレーションギャップってやつ?


すいません、勉強不足でした。私は『スーパーマリオコレクション』ですね。邪道と言われそうですが『スーパーマリオUSA』が特に好きで、今でもテレビCMが鮮明に思い出せるレベルです。キャサリンの。


ちなみに僕は『聖剣伝説3』です。とりあえずケヴィン入れてクリア余裕にしといて、リースを愛でる的な。皆で遊ぶゲームも好きでしたけど、この頃から一人で遊ぶRPGとか全然ハマってましたね。友達の数的な都合もあって。


ちょいちょいそういうの挟んでくるな。


懐かしいなー。ソフトの発売日に、おもちゃ屋に並んだりもしましたよ。そこで余分に入手して、買いに来れない人に売ってあげたりしてましたね。ちょっと割増して。


それ普通に怒られるやつです。


もちろん、今はそんなことしてませんよ! 子どもでしたからねー・・・。


リビングにある25型くらいのブラウン管テレビに繋ぐから、家族の集まるゴールデンタイム以外で、かつアニメとも被らない時間だけプレイするんですよね。


自分の部屋にテレビとかビデオデッキとか、なかなか持てないですからね。


ちょっと良い環境がある友達の家が溜まり場になるんですよね。学校が終わったらすぐチャリでダッシュして。


トモ・・・ダチ・・・


どうしたの、寒いの?


あ、いえ、大丈夫です。今日は、当時よりえらく進化した環境で実際にプレイしてみましょう。


●強力な機器を用意する


早速スーファミを繋げてみます。割りと現実的で最強の環境となると、やっぱり「4Kテレビ」とAVアンプを用いた「サラウンド」ですね。具体的に必要になる機器は、AVアンプとテレビ、スピーカーです。

今回はテレビに東芝「REGZA 65Z20X」、AVアンプにソニー「TA-DA5800ES」、スピーカーにモニターオーディオ「Silver Series」を5.1ch(スピーカー×5+サブウーファー)で用意しました。いまいちイメージできないという方は、全部で150万円くらいとお考えください。

これらをスーファミと接続するわけですが、手順としてはまずスーファミからの出力を全てAVアンプに接続します。次いで映像信号はHDMIケーブルでテレビへ出力、音声信号はスピーカーケーブルでスピーカーへと出力する形です。


映像面では、接続したAVアンプもしくはテレビが自動で映像信号を調整して、スーファミクオリティでも問題なく大画面で表示してくれるので心配ありません。これは新しい製品には大体ある標準的な機能です。

音声面では、AVアンプで2chのステレオ信号を擬似サラウンドに変換します。これは左と右の2ch分しかない音声データを、上手いことバーチャルで振り分けてサラウンド化するもので、こちらも最近のAVアンプだったら大体は備えています。

これらは難しいことを考える必要はなく、繋げるだけで自動で良い絵で良い音を出すまでやってくれます。ただ、本当に出来るのか気になる方は、メーカーまで恥ずかしがらずにスーファミとの接続についてお問い合わせいただくと確実です

さて、結果としてはこうなりました。


圧倒的オーバースペック。まるでスーファミをいじめているような構図ですが、主役はスーファミです。なお、テレビからなにからまっさらの状態だったので、設置には2時間掛かりました。

●実際にプレイしてみる



さぁ、いよいよプレイできますよ!


めちゃくちゃ楽しみ! こんな大変だと思ってなかったけど。


もう結構疲れてるけど、早くやろう。早くやっちゃおう。


やる前からネガティブなのやめてください。でも、その苦労の甲斐があるはずですよ。じゃあ早速、スイッチオン!





「すっご」


なにこれ、記憶と違いすぎる。


思った以上に映像が綺麗。違和感より感動の方が大きいわ。


それにサラウンドがやばい。スーファミには後ろからの音って概念がないから本当の意味でサラウンドにはなってないけど、それでもまわりから音が聴こえるとこんなに違うものなんだ。



単純に画面が大きいと迫力があるけど、なんかエンジン音とかも半端無く良くなってる気がする。


臨場感出ますよね。ちなみに僕はこのゲームで「もう来ないでくれ」と皆から言われるくらいに、多くの勝ちをもぎ取っていました。


あれ、何ボタンがアクセルだっけ? Aボタン? 黄色?



カーブの時に体ごと傾くタイプの人だ。



あー、負けた!


よっしゃー!



じゃあソフト変えましょう。まず僕がお手本を見せますね。



なんてあどけなさ。


少年のようですね。しかも割りと早くやられた。


言い訳すると、旧ハードならではのコントローラーの反応の悪さがゲーム難易度を向上させている気がします。


次は僕にやらせてください。これもかなりやり込んでますから。・・・あれっ?


あっ。


ちょっともう一回良いですか? ・・・あれ?


あっ。


・・・


「ちくしょー!」


普段は穏やかで、大きなイベントの講師を務めるような御仁なのに。ゲームは人を変える。


じゃあ、やられたから交代ですね。


次やったらクリア出来るんだって!


それ20年くらい前に、同じこと言ってる奴いた気がする。



貸してって、ほら!


本気で! 次は本気で!


ちょっ、そんな引っ張ったら
ブツッ




気持ち悪いほどにはしゃぐ大人たち。この時間、僕たちは精神的にタイムスリップしていたのかもしれません。

●良い環境でスーファミはどうなった?



いやー、楽しかったですね。やっぱりスーファミ最高!


まぁ楽しかったし、実際凄かったけど、なんか違うんだよね。


えっ。


うん、凄いのは間違いないです。大画面もサラウンドもスーファミでは初めての体験だし、もう絶対やって損はない! でも、凄すぎて違うよね


もう少しチープじゃないと、スーファミらしさがない。


凄さを見せたいなら、プレステ4ならもっとじゃないですか? HDR対応もするんだし。その比較とか絶対面白いですよ。


そうだよ。大体、今の時代ならWiiとかのバーチャルコンソールでやる方が自然だし。そもそもスーファミって、もう皆持ってないでしょ。


文句ばっかりやめろ! そんなのが凄いことなんて分かりきってるじゃないですか! 昔のハードでも良い環境があれば、今のハードに見劣りせず楽しめることを実感できたでしょうが!


まぁね・・・。


それはね・・・。


なんなの? さっきまで一緒に笑い合っていたのは別人なの?


どんな高画質より、思い出の方が美しいってことかな。




冷めた大人たちにケチをつけられましたが、良い環境でプレイしたらスーファミがめちゃくちゃ凄くなったのは全員一致でした。

特にレベルアップしていたのは、映像もそうですが、音です。音質の面では流石に最新ハードより劣るものの、それでも明らかに良くなっているし、スピーカーから出る音の迫力たるや段違い。ゲームを楽しむという意味では絶対スピーカーは使うべき。

あと、そのためにサブウーファーは重要かもしれない。最終的に2.1ch(スピーカー2本とサブウーファー)のシステムでも試しましたが、テレビ直出しの4倍(メンバー比)は良かったですね。

それに、一度セッティングしてしまえば、そのシステムは色んな用途に使える。それこそ最新ハードも繋げるし、テレビ放送やBlu-rayを見るのにも役立ちます。

スピーカーの数は後からでも増設出来るので、まずは2.1chのシステムで、ぜひこのなんか次元の違う凄さを体感してみて欲しいですね。

スーファミ仲間を集めてこの企画を続けていきたかったのですが、この後にプレイした『ドカポン』でいい大人がマジの喧嘩寸前になったので、社内でのスーファミは禁止になりました。

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