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公開日 2017/01/20 10:03
「CONTOUR 20/30」を試聴

【レビュー】14年ぶりのフルモデルチェンジ、DYNAUDIOの新「CONTOUR」を聴く

井上千岳

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DYNAUDIO(ディナウディオ)を代表するスピーカーシリーズ「CONTOUR」(コンター)が約13年ぶりにモデルチェンジされた。井上千岳がラインナップから「CONTOUR 30」と「CONTOUR 20」を試聴して、そのサウンドの進化を分析した。

「CONTOUR 30」 ¥1,000,000/ペア(税抜)

「CONTOUR 20」 ¥640,000/ペア(税抜)

完成度が高いからこそ、リニューアルに時間がかかる

CONTOURはディナウディオの最も中心となるシリーズで、1989年に初めての製品が発表されている。その後2003年にリニューアルが行われ、今回は2度目のフルモデルチェンジとなる。

この間に14年の間隔が開いているが、これがディナウディオのペースというものらしい。一度作られると、容易に変更されない。つまり新製品が出ないということで売る側としては困るようだが、それが信頼性を高めているのも確かである。完成度が高いために、改良しようにもなかなかできない。結局長い年月をかけて、根本的に設計し直すしかないことになるわけである。

前回2003年のモデルチェンジは、上級機であるCONFIDENCEシリーズの技術を強く反映したものであった。スチール製のフロントバッフルを備え、レイアウトはウーファーを上にした倒立型。ドライバー・ユニットもコンフィデンスから継承した部分が多い。CONFIDENCEの存在がそれだけ大きかったということだが、確かにその前後でディナウディオには明らかな変化があったように思う。

CONTOURシリーズは、今回試聴する「CONTOUR 30」「CONTOUR 20」に加えて、3ウェイモデル「CONTOUR 60」(写真中央・130万円・ペア/税抜)をラインナップ。センタースピーカーも別途用意している。

今回はそれとは違って、CONTOURだけの変更である。単なるマイナーチェンジでないことは、デザインひとつ取ってみても明らかだろう。これまでのどんなモデルとも違う、独自のスタイルができ上がっている。

キャビネットを強化。上位機のトゥイーターを新たに搭載。

このシリーズで、ディナウディオは初めてラウンド・エッジのキャビネットを採用した。正面と背面に緩やかな曲線を持たせ、角を丸くしたものだ。回折効果を排除して、不要な反射を避ける設計である。材質はMDFの多層構成だという。

フロントバッフルが見もので、厚さ14mmのアルミ製である。これに切削加工を施し、エッジを丸く落としてキャビネットと滑らかにつなげている。これまではスチール製であったが、それよりもずっと厚い。

ラウンド・エッジのキャビネットを採用。材質には多層構成のMDFを用いている

厚さ14mmのアルミ製フロントバッフルを採用する

このアルミバッフルにユニットを取り付けてあるわけだが、トゥイーターはこれとは別に厚さ5mmのアルミプレートにマウントされている。このプレートごとアルミバッフルにはめ込む形で取り付けてある。

内部にはブレーシングを施して補強を行っているが、そのブレーシングも新たに設計されていっそう強度を高めたそうである。

ディナウディオのドライバー・ユニットは、ファブリックドーム・トゥイーターとMSPコーン・ウーファーと決まっている。これ以上の素材は見つからないということで、もう長いこと変わっていない。しかしそれは材質だけのことで、設計はモデルごとに異なる。このCONTOURシリーズもそうだが、トゥイーターには既存のドライバー「Esotar2」を採用した。新規に開発しようにも、これを越えるものはできなかったと説明されている。

トゥイーターは、上位モデルに採用されていた「Esotar2」を新たに採用

Esotar2はCONFIDENCEシリーズで開発された、ディナウディオの最も上級となるトゥイーターで、CONFIDENCE以上にしか使われていない。従来のCONTOURでは例外的に最上位機「S5.4」にだけ搭載されていたが、このトゥイーターを全面的に搭載することとなったのである。前シリーズに比べると、格段のグレードアップと言わなければならない。これだけでも、今回のシリーズがいかに力を注がれているか想像がつく。

CONTOUR 20を聴いてあらためて実感した、ディナウディオの特別な存在意義

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