公開日 2018/08/21 09:30
「7NSP-Shpreme X」「Grandio SP-1」「Royal Spirit SP-1」
ゾノトーンが大胆に進化させた3種の新世代スピーカーケーブル、そのこだわりを3人の評論家が聴いた
井上千岳、福田雅光、炭山アキラ
オーディオケーブル黎明期以来の長年の経験「匠の技」と「独自のノウハウ」を込め、類い稀なケーブル作りで斬新かつ多彩なラインナップを創出、感動の音を提供し続けるゾノトーン。その飽くなき挑戦で得た最新の成果による新世代スピーカーケーブルが、「7NSP-Shupreme X」「Grandio SP-1」「Royal Spirit SP-1」の3モデルだ。最先端のゾノトーンの音と鳴りっぷり、際立つ描写性と表現力の魅力をレポートする。
■至高の上をいく最高峰「7NSP-Shpreme X」(Text by 井上千岳)
●類例ない技巧を凝らした作り、新導体で設計を刷新
ゾノトーンの最大の特徴は、DMHCと呼ばれる精緻な構造にある。なかでも最も技巧を凝らしたのがShupremeシリーズで、言わば同社の象徴的製品でもあった。創立3年後の2010年に発表されて昨年3月に生産終了するまで、長く同社の最高峰として賞賛を受けてきたのは周知のとおりだ。
7NSP-Shpreme Xはその後を受けて開発された、新たなフラグシップモデルである。構造は基本的に変化していない。この構造は類を見ないほど複雑なもので、ホット/コールド併せて16本の芯線で形成されている。これらの芯線は4本ずつまとめられてひと回り大きな芯線となり、全体として4芯構造を形作る。
特異なのは16本の芯線が異なる導体の組み合わせでできていることで、線材としては5種類が使われている。16本といってもホット/コールドがあるから2本ずつ同じになる勘定だが、これらを組み合わせて8種類の芯線を作り4本ずつまとめている訳である。
導体は超高純度7NクラスCu、高純度銅特殊合金、純銀コートOFC、高純度無酸素銅、そしてPCOCCに代わって新しくPCUHDが採用された。絶縁は高純度ポリエチレン。さらに4本の芯線の間と中心部に、中空PEパイプによる介在を配置しているのが注目される。特に中心部に導体を置かず、全体が対称となる構成に大きな意味がある。
●応答性を上下に伸張し均質化、現代的で細部まで生き生きする
線材の組み合わせに関しては公表されていない。秘中の秘というところで、膨大な選択肢のなかから試聴を繰り返して決定された独自の黄金比によるものである。今回と前回でどう違うのかという点も分からないが、確かなのは音質が明らかに進化していることである。
もともと7NSP-Shupreme1は強力なエネルギーをベースに、やや腰を落としたバランスで強弱のコトラストの強い濃密でスケールの大きな再現性を特徴としてきた。7NSP-Shupreme Xではそのエネルギーの強さは保ちながら、レスポンスが上下に伸び伸びとして均質だ。
またダイナミズムの広さもそのままだが、ディテールがいっそう細かくまた生き生きとしている。現代的な色彩が強く、次元の違いを実感させられるのである。
【7NSP-Shpreme Xの仕様】
●導体構成:超高純度7NクラスCu、高純度銅特殊合金、高純度無酸素銅PCUHD、純銀コートOFC、高純度無酸素銅●構造:全16芯の独立導体を+−各4芯ずつ分配、DMHC-Quadri方式、ポリエチレン中空パイプをコアとして周囲に配置するエアー制振構造●導体サイズ:シングル接続時→9.5スケア×2。バイワイヤリング接続時→高域側3.84スケア×2、低域側5.66スケア×2●絶縁体:高純度PE●シールド:4芯各々にアルミラップシールド装備●介在:中空PEパイプ×5によるエアー絶縁●外径:26mmφ ※標準完成品はシングル仕様(アンプ側Yラグ、スピーカー側バナナプラグ)。※バイワイヤリング仕様は特注対応 ※標準完成品(2.0m)以外の長さは1.0mより0.5m間隔にて特注対応
■至高の上をいく最高峰「7NSP-Shpreme X」(Text by 井上千岳)
●類例ない技巧を凝らした作り、新導体で設計を刷新
ゾノトーンの最大の特徴は、DMHCと呼ばれる精緻な構造にある。なかでも最も技巧を凝らしたのがShupremeシリーズで、言わば同社の象徴的製品でもあった。創立3年後の2010年に発表されて昨年3月に生産終了するまで、長く同社の最高峰として賞賛を受けてきたのは周知のとおりだ。
7NSP-Shpreme Xはその後を受けて開発された、新たなフラグシップモデルである。構造は基本的に変化していない。この構造は類を見ないほど複雑なもので、ホット/コールド併せて16本の芯線で形成されている。これらの芯線は4本ずつまとめられてひと回り大きな芯線となり、全体として4芯構造を形作る。
特異なのは16本の芯線が異なる導体の組み合わせでできていることで、線材としては5種類が使われている。16本といってもホット/コールドがあるから2本ずつ同じになる勘定だが、これらを組み合わせて8種類の芯線を作り4本ずつまとめている訳である。
導体は超高純度7NクラスCu、高純度銅特殊合金、純銀コートOFC、高純度無酸素銅、そしてPCOCCに代わって新しくPCUHDが採用された。絶縁は高純度ポリエチレン。さらに4本の芯線の間と中心部に、中空PEパイプによる介在を配置しているのが注目される。特に中心部に導体を置かず、全体が対称となる構成に大きな意味がある。
●応答性を上下に伸張し均質化、現代的で細部まで生き生きする
線材の組み合わせに関しては公表されていない。秘中の秘というところで、膨大な選択肢のなかから試聴を繰り返して決定された独自の黄金比によるものである。今回と前回でどう違うのかという点も分からないが、確かなのは音質が明らかに進化していることである。
もともと7NSP-Shupreme1は強力なエネルギーをベースに、やや腰を落としたバランスで強弱のコトラストの強い濃密でスケールの大きな再現性を特徴としてきた。7NSP-Shupreme Xではそのエネルギーの強さは保ちながら、レスポンスが上下に伸び伸びとして均質だ。
またダイナミズムの広さもそのままだが、ディテールがいっそう細かくまた生き生きとしている。現代的な色彩が強く、次元の違いを実感させられるのである。
【7NSP-Shpreme Xの仕様】
●導体構成:超高純度7NクラスCu、高純度銅特殊合金、高純度無酸素銅PCUHD、純銀コートOFC、高純度無酸素銅●構造:全16芯の独立導体を+−各4芯ずつ分配、DMHC-Quadri方式、ポリエチレン中空パイプをコアとして周囲に配置するエアー制振構造●導体サイズ:シングル接続時→9.5スケア×2。バイワイヤリング接続時→高域側3.84スケア×2、低域側5.66スケア×2●絶縁体:高純度PE●シールド:4芯各々にアルミラップシールド装備●介在:中空PEパイプ×5によるエアー絶縁●外径:26mmφ ※標準完成品はシングル仕様(アンプ側Yラグ、スピーカー側バナナプラグ)。※バイワイヤリング仕様は特注対応 ※標準完成品(2.0m)以外の長さは1.0mより0.5m間隔にて特注対応