公開日 2019/01/29 09:58
音像の裏が見えるかのような立体的な表現力
AUDIO NOTE「Departure」レビュー。最先端SPも軽々駆動する、究極のEL34プッシュプルアンプ
石原 俊
AUDIO NOTE(オーディオ・ノート)から新たなステレオ・パワーアンプ「Departure」(※発表時の「Suono」から製品の名称が変更になった。仕様および性能に変更はないとのこと)が登場する。価格は税込で¥2,916,000(予価)。同社の製品としては破格のプライスを実現したモデルとして、2019年に発売される。
同社の真空管プリメインアンプ「Overture」をベースに、各部に対して入念な音質調整を施し、ステレオ・パワーアンプとした製品。EL34真空管によるプッシュプル構成で、真空管はEL34×4、12BH7×2、6072×2を搭載している。「オーディオ・ノートの音をもう少し広い層のユーザーに体験していただきたい。他のプリアンプと組み合わせても楽しんでほしい」という同社の願いが結実した超戦略モデルがここに誕生した。本項ではその音質的な魅力をいち早くお届けすることにしよう。
■最高峰モデルに次ぐパワーブランドの新たな展望を開く
オーディオ・ノートが、5極管EL34プッシュプルのステレオ・パワーアンプ、「Departure」をリリースした。
オーディオ・ノートは超高品質・超高価格なスーパー・ハイエンド真空管アンプを作ることで知られているブランドだ。従来の同社の真空管パワーアンプは、終段に直熱3極管を使用しているものだけだったが、本機が加わったことで新たな展望が開けてきた。
本機は同社のプリメインアンプ「Overture」のパワーアンプ部をリファインして単体化したような構成をもつ。シャーシは上級機と同様の銅製で、剛性は極めて高い。同社の3極管パワーアンプの電源回路には古典的な整流管が使用されているが、本機はモダンなダイオード方式が採用されている。ただしチョークコイルは使用されており、シャーシ上には見えないが裏側にマウントされている。電源トランスは新設計の大型カットコアタイプだ。電源回路のコンデンサーには高性能チューブラータイプが起用されている。
使用真空管は、入力段が6072(オーディオ・ノートが昔から入力段に起用してきた双三極管)×2、ドライバー段が12BH7×2、終段がEL34×4。信号回路はオーディオ・ノートが得意とする二段構造になっており、メインシャーシの下部に取りつけられたサブシャーシに組まれている。回路は基本的にOvertureを踏襲しているが、各所の定数や電流値はパワーアンプとして最適化されており、理想的なシグナルループになるような実装設計がなされている。バイアス回路はコンスタント・カレント・バイアスと呼ばれるもので、固定バイアスで動作するEL34のバイアス調整用可変抵抗に可能な限り音楽信号が流れないような構造になっている。出力は32W×2。これはトップモデルの「Kagura」に次ぐ数字だ。
同社の真空管プリメインアンプ「Overture」をベースに、各部に対して入念な音質調整を施し、ステレオ・パワーアンプとした製品。EL34真空管によるプッシュプル構成で、真空管はEL34×4、12BH7×2、6072×2を搭載している。「オーディオ・ノートの音をもう少し広い層のユーザーに体験していただきたい。他のプリアンプと組み合わせても楽しんでほしい」という同社の願いが結実した超戦略モデルがここに誕生した。本項ではその音質的な魅力をいち早くお届けすることにしよう。
■最高峰モデルに次ぐパワーブランドの新たな展望を開く
オーディオ・ノートが、5極管EL34プッシュプルのステレオ・パワーアンプ、「Departure」をリリースした。
オーディオ・ノートは超高品質・超高価格なスーパー・ハイエンド真空管アンプを作ることで知られているブランドだ。従来の同社の真空管パワーアンプは、終段に直熱3極管を使用しているものだけだったが、本機が加わったことで新たな展望が開けてきた。
本機は同社のプリメインアンプ「Overture」のパワーアンプ部をリファインして単体化したような構成をもつ。シャーシは上級機と同様の銅製で、剛性は極めて高い。同社の3極管パワーアンプの電源回路には古典的な整流管が使用されているが、本機はモダンなダイオード方式が採用されている。ただしチョークコイルは使用されており、シャーシ上には見えないが裏側にマウントされている。電源トランスは新設計の大型カットコアタイプだ。電源回路のコンデンサーには高性能チューブラータイプが起用されている。
使用真空管は、入力段が6072(オーディオ・ノートが昔から入力段に起用してきた双三極管)×2、ドライバー段が12BH7×2、終段がEL34×4。信号回路はオーディオ・ノートが得意とする二段構造になっており、メインシャーシの下部に取りつけられたサブシャーシに組まれている。回路は基本的にOvertureを踏襲しているが、各所の定数や電流値はパワーアンプとして最適化されており、理想的なシグナルループになるような実装設計がなされている。バイアス回路はコンスタント・カレント・バイアスと呼ばれるもので、固定バイアスで動作するEL34のバイアス調整用可変抵抗に可能な限り音楽信号が流れないような構造になっている。出力は32W×2。これはトップモデルの「Kagura」に次ぐ数字だ。