公開日 2020/12/17 06:45
【特別企画】オーディオ的再生能力と音楽性を高度にバランス
LINNスピーカーがもたらす上質なエンタメ時間。最新MAJIK 140 SEの実力を映画&ハイレゾでチェック!
土方久明
LINN(リン)は今年も、デザインからデジタル/アナログ回路まで全面刷新したオールインワンプレーヤー「MAJIK DSM/4」や、LP12の音質を飛躍的に高めた新型軸受「KAROUSEL」、そして新型トーンアームなどのプロダクトを発表して話題を集めた。しかし、実はリンはパッシブタイプのスピーカーにも大きな強みを持つことを忘れてはならない。リンのエントリーシリーズ「マジック」に属すスピーカー「MAJIK 140」のモデルチェンジ機、「MAJIK 140 SE」が登場した。そのサウンドクオリティを、映像と音楽双方からチェックする。
■ベース部をアルミに変更、少ない変更点で音はどう変わったか?
4ウェイ・4スピーカー構成のオリジナルのMAJIK 140が、“SE”にモデルチェンジされた。変更された点は、スピーカーベースが木製のMDFからアルミニウムに変わったのみ。ベース部の重量は1.4kgから5.9kgと増して、幅/奥行きのサイズが1センチ増えたものの、キャビネットや各ユニットには変更はない。
ユニット構成は160mmウーファーとミッドレンジユニットが各1基、30mmのソフトドームトゥイーターと16mmのスーパートゥイーターをしゃもじ型の2Kアレイに搭載。このクラスの製品では珍しく、キャビネットは天然木による突き板仕上げが施され、直線基調のスクエアなデザインが美しいスピーカーだ。
同社製品の中では比較的安価なモデルだが、リンの魅力である音楽性やデザインなどフィロソフィーを享受できる上、クワッドワイヤリング接続が可能なスピーカー端子を利用するとマルチアンプ駆動に対応できるなど本格派な一面もある。
これまでもリンのスピーカーは、ベース交換による音質向上を実現してきた。AKURATEシリーズのモデルも、ベース部を刷新してモデルチェンジした経緯もある。
MAJIK140新・旧モデルの音を比較すると、ベースを変更しただけにもかかわらず、モデルチェンジ後のSEは低域の付帯音が大きく減少。それに伴い、中高域のフォーカスがまるで高性能レンズで撮影した映像のようなリアルな表現に向上しており、大いに感心した次第である。
そこで今回は、Netflixや新4K8K衛星放送、さらに次世代ゲーム機PS5も発売され4Kが身近になってきた今、MAJIK 140 SEを中心にマジックシリーズのスピーカーを用いたサラウンド再生環境を用意し、4Kテレビと組み合わせてサラウンドでのクオリティチェックを行うことにした。
テレビと組み合わせるスピーカーと言えばサウンドバーを思いつく方も多いと思うが、しっかりとしたスピーカーを用いた本格的なシステムの音はやはり格別である。MAJIK 140 SEは前モデルの長所、クセのない音調からもたらされる音楽性はそのままに、質感および音像/サウンドステージの表現力が著しく向上しているので、良質な再生環境が構築できるのではないかと考えた。
■MAJIKシリーズを中心としたサラウンドを構築
サラウンド環境のチャンネル・アロケーションは5.1を採用した。フロントに「MAJIK 140 SE」、センターに「MAJIK 112」、サラウンドに「MAJIK 109」、サブウーファーにはピエガの「PS 101」を用いる。
各モデルのディテールも説明したい。MAJIK 109は、ソフトドームのトゥイーターとミッドレンジトゥイーターを2Kアレイに格納し、12センチウーファーを採用した3ウェイブックシェルフ形スピーカー。キャビネットサイズは幅192mm 、高さ327mmと小型で、本格的な2チャンネル再生の他、リビングなどの生活空間などでも使用される人気モデルである。
MAJIK 112は、センタースピーカーに求められる拡散性を最大化するため、前世代の「TRIKAN」「AV5120」等が採用していたバーチカルツイン方式を見直し、シングルベース方式を採用している。デザイン上はバーチカルツインに見えるが、左側はバスレフポートとなっている。本スピーカーは元々センター用途となっているが、音が良く、ここだけの話、筆者の周りでMAJIK 112を2本使用したステレオ再生を実践しているマニアもいるほどだ。
そしてピエガのPS 101は、300W(ピーク時)のアンプを内蔵したバスレス型アクティヴサブウーファー。アルミ筐体の美しいキャビネットが魅力だ。ちなみに、サブウーファーを除くスピーカー5chの合計金額で税抜62万円、サブウーファーを加えても税抜90万円となり、上質なエンタメ時間のための投資としては十分に検討の余地がある価格と言えるだろう。
ここまでの布陣であれば組み合わせるAVアンプやテレビにもこだわりたい。そこでAVアンプは、9.2chに対応するデノン「AVC-X6700H」を、テレビは画質の良さから55インチ 4K有機ELテレビ パナソニック「TH-55HZ1000」を指定した。
細枠ベゼルのテレビと、スクエアなキャビネットデザインを備えたマジックシリーズのスピーカーは見た目の相性が抜群だ。今回用意されたカラーはアッシュブラックだったが、他にもウォールナット/ローズナット、チェリー、オーク、ホワイトなどスタンダードな6種の仕上げ、さらに特注のグロス仕様や210色ものカスタムカラーも用意されており、部屋や家具とのカラーと合わせることができる。
しかし、いくら見た目の相性が素晴らしくとも主体がスピーカーである以上、肝心なのは音質である。先程ふれたように、新旧モデルの比較試聴こそしているものの、サラウンドシステムを組んだ上で表出するサウンドにどのようなインプレッションを受けるか興味は尽きない。
■ベース部をアルミに変更、少ない変更点で音はどう変わったか?
4ウェイ・4スピーカー構成のオリジナルのMAJIK 140が、“SE”にモデルチェンジされた。変更された点は、スピーカーベースが木製のMDFからアルミニウムに変わったのみ。ベース部の重量は1.4kgから5.9kgと増して、幅/奥行きのサイズが1センチ増えたものの、キャビネットや各ユニットには変更はない。
ユニット構成は160mmウーファーとミッドレンジユニットが各1基、30mmのソフトドームトゥイーターと16mmのスーパートゥイーターをしゃもじ型の2Kアレイに搭載。このクラスの製品では珍しく、キャビネットは天然木による突き板仕上げが施され、直線基調のスクエアなデザインが美しいスピーカーだ。
同社製品の中では比較的安価なモデルだが、リンの魅力である音楽性やデザインなどフィロソフィーを享受できる上、クワッドワイヤリング接続が可能なスピーカー端子を利用するとマルチアンプ駆動に対応できるなど本格派な一面もある。
これまでもリンのスピーカーは、ベース交換による音質向上を実現してきた。AKURATEシリーズのモデルも、ベース部を刷新してモデルチェンジした経緯もある。
MAJIK140新・旧モデルの音を比較すると、ベースを変更しただけにもかかわらず、モデルチェンジ後のSEは低域の付帯音が大きく減少。それに伴い、中高域のフォーカスがまるで高性能レンズで撮影した映像のようなリアルな表現に向上しており、大いに感心した次第である。
そこで今回は、Netflixや新4K8K衛星放送、さらに次世代ゲーム機PS5も発売され4Kが身近になってきた今、MAJIK 140 SEを中心にマジックシリーズのスピーカーを用いたサラウンド再生環境を用意し、4Kテレビと組み合わせてサラウンドでのクオリティチェックを行うことにした。
テレビと組み合わせるスピーカーと言えばサウンドバーを思いつく方も多いと思うが、しっかりとしたスピーカーを用いた本格的なシステムの音はやはり格別である。MAJIK 140 SEは前モデルの長所、クセのない音調からもたらされる音楽性はそのままに、質感および音像/サウンドステージの表現力が著しく向上しているので、良質な再生環境が構築できるのではないかと考えた。
■MAJIKシリーズを中心としたサラウンドを構築
サラウンド環境のチャンネル・アロケーションは5.1を採用した。フロントに「MAJIK 140 SE」、センターに「MAJIK 112」、サラウンドに「MAJIK 109」、サブウーファーにはピエガの「PS 101」を用いる。
各モデルのディテールも説明したい。MAJIK 109は、ソフトドームのトゥイーターとミッドレンジトゥイーターを2Kアレイに格納し、12センチウーファーを採用した3ウェイブックシェルフ形スピーカー。キャビネットサイズは幅192mm 、高さ327mmと小型で、本格的な2チャンネル再生の他、リビングなどの生活空間などでも使用される人気モデルである。
MAJIK 112は、センタースピーカーに求められる拡散性を最大化するため、前世代の「TRIKAN」「AV5120」等が採用していたバーチカルツイン方式を見直し、シングルベース方式を採用している。デザイン上はバーチカルツインに見えるが、左側はバスレフポートとなっている。本スピーカーは元々センター用途となっているが、音が良く、ここだけの話、筆者の周りでMAJIK 112を2本使用したステレオ再生を実践しているマニアもいるほどだ。
そしてピエガのPS 101は、300W(ピーク時)のアンプを内蔵したバスレス型アクティヴサブウーファー。アルミ筐体の美しいキャビネットが魅力だ。ちなみに、サブウーファーを除くスピーカー5chの合計金額で税抜62万円、サブウーファーを加えても税抜90万円となり、上質なエンタメ時間のための投資としては十分に検討の余地がある価格と言えるだろう。
ここまでの布陣であれば組み合わせるAVアンプやテレビにもこだわりたい。そこでAVアンプは、9.2chに対応するデノン「AVC-X6700H」を、テレビは画質の良さから55インチ 4K有機ELテレビ パナソニック「TH-55HZ1000」を指定した。
細枠ベゼルのテレビと、スクエアなキャビネットデザインを備えたマジックシリーズのスピーカーは見た目の相性が抜群だ。今回用意されたカラーはアッシュブラックだったが、他にもウォールナット/ローズナット、チェリー、オーク、ホワイトなどスタンダードな6種の仕上げ、さらに特注のグロス仕様や210色ものカスタムカラーも用意されており、部屋や家具とのカラーと合わせることができる。
しかし、いくら見た目の相性が素晴らしくとも主体がスピーカーである以上、肝心なのは音質である。先程ふれたように、新旧モデルの比較試聴こそしているものの、サラウンドシステムを組んだ上で表出するサウンドにどのようなインプレッションを受けるか興味は尽きない。