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公開日 2021/02/15 06:30
【PR】進化したフルデジタルアンプの実力を検証

テクニクス初の最上位プリメイン「SU-R1000」を聴く。革新的な技術は音をどう進化させたか?

鴻池賢三

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一度は惜しまれつつ長い歴史に幕を下ろしながらも、ハイレゾ時代にフルデジタルアンプ「JENO Engine」ほか、独自の最新デジタル技術をまとい、2014年に復活したテクニクスブランド。

そして2021年2月、最上位“リファレンスクラス”として初となるプリメインアンプ「SU-R1000」がラインナップに加わる。発売から5年以上が経過したフラグシップセパレートアンプ「SE-R1」のエッセンスを引き継ぎつつも、数々の新技術が加わったのもトピック。VGP2021ピュアオーディオ部会では最高賞といえる「批評家大賞」ほか、「Intelligent PHONO EQ」が、アナログレコードに刻まれた情報を引き出す新技術として「企画賞」を受賞するなど、話題も盛りだくさんだ。

今回は、大阪府守口市の研究開発拠点に新たに作られた試聴室で、開発者立ち合いのもと、その実力をじっくりと検証した。

プリメインアンプ「SU-R1000」¥998,000(税込)

革新的なフォノEQ始め、“テクニクスのDNA”が活きる「SU-R1000」

製品レビューの前に、テクニクスの歴史と「SU-R1000」のコンセプトをおさらいしておこう。

新生テクニクスが掲げるのは「Rediscover Music」。音楽をもっと楽しもう、再発見しようという感性の旅といえる。そういった新しい目標に向かい、同ブランドを継承してきたエンジニア達が行き着いたのが、目的ではなく手段としての「デジタル技術の応用」である。

誕生から約6年を迎える新生テクニクスの製品群を振り返ると、独自のフルデジタルアンプ「JENO Engine」を核に、接続スピーカーのインピーダンス特性を反映して周波数特性と位相特性を動的に改善する「LAPC(Load Adaptive Phase Calibration)」など画期的な技術を搭載。ターンテーブルにおいては、ブルーレイディスクで培ったモーター制御技術を応用して安定した回転を実現するなど、革新的な取り組みは特筆に値する。

独自のフルデジタルアンプ「JENO Engine」。高密度実装により信号経路の最短化が行われたほか、銅板のシールドケースに封入され、わずかなノイズも遮断する徹底ぶりだ

ここで肝心なのは、「デジタルかアナログか」という二元論的な考え方ではないということだ。伝統を踏襲しながら縛られることなく、新しいステージに向かって技術開発で挑み続ける。これこそが“テクニクスのDNA”と言っても良いだろう。

新たにラインナップに加わるSU-R1000は、SE-R1と同じくフルデジタルアンプ「JENO Engine」を核に、パワー出力段にインピーダンスが低く高速スイッチングが可能なGaN-FET Driverを採用。アンプ関連の付加機能としてはLAPCに加え、新たに「ADCT」(Active Distortion Cancelling Technology)を導入している。

これは、スピーカー逆起電力等によりパワー段で生じる歪成分のみをデジタルドメインで正確に抽出し、フィードバックすることで補正を行う新技術である。フルデジタル・無帰還による鮮度の高さ、言い換えるとJENO Engineの特長を活かしつつ、デジタルアンプが一般的に苦手とする低域の駆動力を改善するものだ。こうした歪をフィードバックする考え方や技術は現存するが、ADCTは歪成分をデジタル化してから精密に比較演算を行う点で高度といえる。

新技術「ADCT」の回路図

SE-R1と決定的に異なるのは、電源のデジタル化を果たしている点だ。R1開発時には技術の熟成度の観点からアナログ電源が採用されたが、その後の研究開発でスイッチング周波数を固定する独自技術によりブレイクスルーを果たし、“グランドクラス”のアンプ「SU-G30」に採用済み。

そしてSU-R1000では、新技術「AS2PS」(Advanced Speed Silent Power Supply)を導入した。スイッチング周波数を従来の100kHzから400kHzへと高速化することで原理的にリップルノイズを低減すると同時に、音声帯域から遠く分離。後段には超低ノイズレギュレーターを搭載することで、さらなる静寂性を追求している。

テクニクス製品の特長のひとつであるスイッチング電源も進化し、従来以上の低ノイズ・安定化を実現したという

革命的な「Intelligent PHONO EQ」。その実力とは?

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