公開日 2022/10/22 06:45
【特別企画】音色感に優れるスピーカーとの相性も抜群
“リビングの音を高音質に” マランツ「MODEL 40n」で広がるオーディオスタイル
生形三郎
マランツから、“リビングの全ての音を高音質にしてくれる” 新世代のデザインを採用した「MODEL 40n」が登場した。オーディオユースのみならず、HDMI ARCでテレビにも接続できるなど、ライフスタイルに沿ったオーディオスタイルを提案してくれるモデルである。人気のブックシェルフスピーカーとの組み合わせ、またテレビのサウンドのグレードアップも検証した。
新たなキーコンセプト「Modern Musical Luxury」のもと、ブランドデザインを一新する印象的な意匠を纏った、「SACD 30n」と「MODEL 30」のヒットも記憶に新しいマランツから登場した注目のニューモデル。それが、MODEL 30の兄弟機となる「MODEL 40n」である。
筐体デザインはMODEL 30をそのまま踏襲しつつ、HDMI入力の搭載や、HEOSモジュールを搭載した各種ストリーミング、およびネットワーク再生機能をビルトイン。デザインコンシャスなリビングオーディオの担い手として、様々なソースに対応できるプリメインアンプである。
アンプ部は、マランツ製品でおなじみ、フルディスクリート構成の電流帰還型パラレルプッシュプル・パワーアンプ回路「HDAM-SA3」によるAB級の増幅回路を搭載。
プリアンプ部には、MODEL 30にも搭載されているボリュームコントロールICや「HDAM-SA2」を搭載するほか、一般的な使用音量範囲内ではプリアンプでの増幅をせずに、パワーアンプのみが増幅動作をする可変ゲイン型を採用することで、同社PM8006と比べて45%のノイズ低減を実現しているというから驚きである。
また、電源部には大型のトロイダルトランスとカスタムコンデンサーを採用して、ハイクオリティを追求している。
入力は、デジタル入力がARC対応HDMI入力に加えて、USB‐Aと光および同軸、LANを装備。ここで注目したいのがHDMI入力の搭載だが、本機のHDMI伝送においては、音声信号をHDMIインターフェースへ経由させずに、直接デジタル信号のセレクター(DIR)へと受け渡して低ノイズ化や電源供給強化を図っている点が特筆に値する。
他に、アナログ入力は3系統のRCA端子に加えて、MM型カートリッジに対応するフォノ入力を搭載。パワーアンプとして使うためのパワーアンプインも備えるほか、出力ではサブウーファー用のプリアウト端子も用意されている。
また、D&MのHEOSモジュールを搭載し、ネットワーク再生をはじめ、Amazon Music HDやSpotify等のストリーミング再生、AirPlay 2やBluetoothなどのスマートデバイスとの無線接続再生にも対応する。
HEOSアプリを使用してネットワーク再生を行い、その音質をチェックした。一聴して感じるのは、マランツに共通する流麗な美しさを持ったサウンドだ。特に高域方向の表現が美しく、生楽器の倍音感を滑らかに描く様が美点なのである。
ジャズのピアノトリオでは、各楽器は一体感のある演奏で描き出し、ピアノのフレージングやシンバルレガートは滑らかなタッチで表出。オーケストラソースでは、マランツらしく描き出される空間のスケールが広く、壮大な世界観を感じさせた。
また、やはり音色の質感が流麗で、シンプルに言って美音なのである。ロックでは、低域方向は重たくならずにスッキリとした表現で、演奏の勢いやエネルギーを自然に描き出す。
総じて、音楽やテレビ周りの音を含め、全方位においてマランツならではの優美なサウンドで、リビング空間並びにリスニング空間を彩ってくれる存在と言える。
ピックアップ機能として、HDMI入力を用いてテレビ内蔵アプリからのYouTube動画音声を再生してみたが、純粋に、テレビからの音声をマランツクオリティのサウンドで楽しめるのが嬉しい。
HDMI音声のダイレクトな信号伝送の恩恵もあるのか、マランツ独特の滑らかさを帯びたサウンドで動画コンテンツを視聴できた。
圧縮音声にありがちな不自然さや違和感などがない素直なサウンドで、安定感のある音質だ。HDMIインターフェースを経由させずに直接デジタル信号のセレクターへと受け渡す配慮も奏功しているのかもしれない。とりわけ声の表現が饒舌で、 映像コンテンツコンテンツへの没入感が高まること請け合いである。
スピーカーとのマッチングについては、やはり開発時にも使用しているB&W「705S2 Signature」との相性の良さは折り紙つきであった。また、本機の音質傾向を鑑みると、ディテールの深い高精細な描写が魅力のスピーカーも良いが、モニターオーディオのような音色感に優れるスピーカ ーとの相性も抜群と感じた。いずれも、低域方向のスピーディーなグリップ感が快く、駆動力の高さを実感した。
Specification
●定格出力(20Hz - 20kHz両チャンネル同時駆動):70W×2(8Ω)、100W×2(4Ω)●全高調波歪み率(20Hz - 20kHz両チャンネル同時駆動、8Ω):0.02% ●周波数特性(CD、1W、8Ω)5Hz - 100kHz ±3dB ●ダンピングファクター(20Hz - 20kHz、8Ω):100以上 ●入力感度/インピーダンス:1.6mV/47kΩ(PHONO/MM)、220mV/16kΩ(CD、LINE、RECORDER)、1.5V/15kΩ(POWER AMP IN)●消費電力:220W(スタンバイ時 0.3W)●サイズ:443W×130H×432Dmm ●質量:16.7kg
(協力:株式会社ディーアンドエムホールディングス)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.185』からの転載です。
デザインコンシャスなリビングオーディオの担い手
新たなキーコンセプト「Modern Musical Luxury」のもと、ブランドデザインを一新する印象的な意匠を纏った、「SACD 30n」と「MODEL 30」のヒットも記憶に新しいマランツから登場した注目のニューモデル。それが、MODEL 30の兄弟機となる「MODEL 40n」である。
筐体デザインはMODEL 30をそのまま踏襲しつつ、HDMI入力の搭載や、HEOSモジュールを搭載した各種ストリーミング、およびネットワーク再生機能をビルトイン。デザインコンシャスなリビングオーディオの担い手として、様々なソースに対応できるプリメインアンプである。
アンプ部は、マランツ製品でおなじみ、フルディスクリート構成の電流帰還型パラレルプッシュプル・パワーアンプ回路「HDAM-SA3」によるAB級の増幅回路を搭載。
プリアンプ部には、MODEL 30にも搭載されているボリュームコントロールICや「HDAM-SA2」を搭載するほか、一般的な使用音量範囲内ではプリアンプでの増幅をせずに、パワーアンプのみが増幅動作をする可変ゲイン型を採用することで、同社PM8006と比べて45%のノイズ低減を実現しているというから驚きである。
また、電源部には大型のトロイダルトランスとカスタムコンデンサーを採用して、ハイクオリティを追求している。
入力は、デジタル入力がARC対応HDMI入力に加えて、USB‐Aと光および同軸、LANを装備。ここで注目したいのがHDMI入力の搭載だが、本機のHDMI伝送においては、音声信号をHDMIインターフェースへ経由させずに、直接デジタル信号のセレクター(DIR)へと受け渡して低ノイズ化や電源供給強化を図っている点が特筆に値する。
他に、アナログ入力は3系統のRCA端子に加えて、MM型カートリッジに対応するフォノ入力を搭載。パワーアンプとして使うためのパワーアンプインも備えるほか、出力ではサブウーファー用のプリアウト端子も用意されている。
また、D&MのHEOSモジュールを搭載し、ネットワーク再生をはじめ、Amazon Music HDやSpotify等のストリーミング再生、AirPlay 2やBluetoothなどのスマートデバイスとの無線接続再生にも対応する。
生楽器の倍音感を描き出す、マランツならではの優美なサウンド
HEOSアプリを使用してネットワーク再生を行い、その音質をチェックした。一聴して感じるのは、マランツに共通する流麗な美しさを持ったサウンドだ。特に高域方向の表現が美しく、生楽器の倍音感を滑らかに描く様が美点なのである。
ジャズのピアノトリオでは、各楽器は一体感のある演奏で描き出し、ピアノのフレージングやシンバルレガートは滑らかなタッチで表出。オーケストラソースでは、マランツらしく描き出される空間のスケールが広く、壮大な世界観を感じさせた。
また、やはり音色の質感が流麗で、シンプルに言って美音なのである。ロックでは、低域方向は重たくならずにスッキリとした表現で、演奏の勢いやエネルギーを自然に描き出す。
総じて、音楽やテレビ周りの音を含め、全方位においてマランツならではの優美なサウンドで、リビング空間並びにリスニング空間を彩ってくれる存在と言える。
HDMI入力を用いたテレビの音声にも注目!声の表現が饒舌
ピックアップ機能として、HDMI入力を用いてテレビ内蔵アプリからのYouTube動画音声を再生してみたが、純粋に、テレビからの音声をマランツクオリティのサウンドで楽しめるのが嬉しい。
HDMI音声のダイレクトな信号伝送の恩恵もあるのか、マランツ独特の滑らかさを帯びたサウンドで動画コンテンツを視聴できた。
圧縮音声にありがちな不自然さや違和感などがない素直なサウンドで、安定感のある音質だ。HDMIインターフェースを経由させずに直接デジタル信号のセレクターへと受け渡す配慮も奏功しているのかもしれない。とりわけ声の表現が饒舌で、 映像コンテンツコンテンツへの没入感が高まること請け合いである。
スピーカーとのマッチングについては、やはり開発時にも使用しているB&W「705S2 Signature」との相性の良さは折り紙つきであった。また、本機の音質傾向を鑑みると、ディテールの深い高精細な描写が魅力のスピーカーも良いが、モニターオーディオのような音色感に優れるスピーカ ーとの相性も抜群と感じた。いずれも、低域方向のスピーディーなグリップ感が快く、駆動力の高さを実感した。
Specification
●定格出力(20Hz - 20kHz両チャンネル同時駆動):70W×2(8Ω)、100W×2(4Ω)●全高調波歪み率(20Hz - 20kHz両チャンネル同時駆動、8Ω):0.02% ●周波数特性(CD、1W、8Ω)5Hz - 100kHz ±3dB ●ダンピングファクター(20Hz - 20kHz、8Ω):100以上 ●入力感度/インピーダンス:1.6mV/47kΩ(PHONO/MM)、220mV/16kΩ(CD、LINE、RECORDER)、1.5V/15kΩ(POWER AMP IN)●消費電力:220W(スタンバイ時 0.3W)●サイズ:443W×130H×432Dmm ●質量:16.7kg
(協力:株式会社ディーアンドエムホールディングス)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.185』からの転載です。