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公開日 2022/12/24 07:30
プロも納得、重低音だけじゃないバランスの取れた音質

大型ならではの余裕あるサウンド!音質最優先のBluetoothスピーカーならTribit「StormBox Blast」

折原 一也
スマホを中心としたお手軽な音楽再生アイテムとして定着したBluetoothスピーカー。筆者もときどき「音のいいBluetoothスピーカーない?」と相談を受けるようになった。心当たりは沢山あるのだが……いま候補を挙げるとすればTribit(トリビット)「StormBox Blast」だろうか。優れたAV機器を選定するアワード「VGP2023」でのBluetoothスピーカー(2万円以上4万円未満)部門において金賞を受賞した音質の良さは、筆者含めプロ評論家であるVGP審査員一同も認めるお墨付きモデルだ。

ただ「StormBox Blast」の実物を見ると、多くの人がイメージするBluetoothスピーカーと違うかもしれない。ハンドル付きの大型サイズで約5kgもある、まるでバブル時代のラジカセみたいな外見だ(さらに、左右のLEDは音楽に合わせてピカピカ光る)。しかし、バッテリー内蔵で最大20時間の連続再生が可能な、純然たるBluetoothスピーカーなのだ。

Tribit「StormBox Blast」(24,990円/税込)

世界的な音楽カルチャーとして、アウトドアや屋外パーティーで音楽を流して盛り上げることが人気だ。StormBox Blastもそんなシーンで使えるモデルという立ち位置で、低音も強烈に効くサウンドではあるのだが、それだけじゃない。余裕ある筐体サイズのおかげで、屋内で普通に音楽を聴く用途でも相当ハイレベルな音質なのだ。

■ハンドル付きの規格外のボディ。バッテリー内蔵で20時間連続再生に対応



近年、ECサイトなどでハイコスパなBluetoothスピーカーのブランドとして定番化しつつあるTribit。StormBox Blastは、そんな同社のラインナップでは最大サイズのBluetoothスピーカーだ。

最初に述べた通り、まず外見からインパクトがある。本体の寸法は405W×162.9H×226Dmmで、重量5.45kg。持ち運び用のハンドル付きという所からBluetoothスピーカーとして規格外のサイズである事が分かる。だが、オーディオ機器、特にスピーカーにとって本体の大きさとは、音質を求める上ではむしろポジティブな要素となることはよく知られている通りだ。

StormBox Blastは、持ち運び用のハンドルも付いた大型モデル。スマホと比べてもサイズの違いは一目瞭然だ

StormBox Blastでは、この大柄なボディに合計出力90Wものスピーカーを内蔵する。その内訳は15Wの31mmトゥイーター×2、30Wの101mmウーファー×2、パッシブラジエーター×2。重低音をさらに上乗せできる「XBass」という強烈な低域ブースト機能まで追加してきている。

大柄のボディに合計出力90Wのスピーカーユニットとパッシブラジエーターを搭載。さらに低域ブースト機能「XBass」も備わっている

本体には6,600mAh大容量バッテリーと省電力機能の「RunStretch」を備え、最大20時間の連続再生に対応。ちなみに本体の充電端子はメガネ型のAC電源でコンセントに直結という所が、強くラジカセを思わせる。一方で、IPX7の防水対応や、スマホなどの外部給電用にUSB Type-CのOUT端子も搭載するなど、現代のBluetoothスピーカーだからこその機能を押さえている。

背面のカバーを開ければ、AUX INやメガネ型の電源端子、他の機器への給電ができるUSB-C端子を備える

ワイヤレス部はBluetooth 5.3の最新仕様で、伝達距離は最大36m。本体の防水カバー内には3.5mmのAUX IN端子もあり、Bluetooth非対応の機器と有線接続もできる。そして2台接続によるステレオモードにも対応。部屋置きのスピーカーから、家族や友達の集まりでのBGM再生、さらに会議室のような広めのスペースでイベントを行う際など、このサイズと合わせて様々な使い方が考えられそうだ。

部屋置きのスピーカーとしてはもちろん、会議室でプロジェクターと組み合わせたりと活用の幅は広い

■予想外の中高域のクリアさ。タイトな重低音の刻みも優秀



まずはStormBox Blastを1台の状態でiPhoneを接続、音楽を再生してみると、やはりBluetoothスピーカーとしては規格外の高音質。重低音一辺倒と思いきや、Tribitというブランドのサウンドの特徴なのか、中高域のクリアさもしっかりカバーしたダイナミックなサウンドだ。

YOASOBI「祝福」を聴くと、エネルギッシュかつ鮮やかに立ち上がる女性ボーカルが見事。特に、歌声がただクリアに立つだけでなく、空間の中で声が存在するステレオ感の再現が抜群にうまいのだ。同時に低音は極めてタイトで、そしてディープに刻む。見るからに重低音がズンズンと響きそうなStormBox Blastではあるが、全体としては制御を効かせたバランスを徹底しているのだ。

もちろん、BTS「Dynamite」のようなクラブ系サウンドでは、空気を振動させる重低音を見事に再現。ハイキーなBTSの歌声もキレ良く、ダイナミックに余裕たっぷりに鳴らす。StormBox Blastのサウンドを一言で語るなら、“余裕ある大型スピーカーのサウンド”という所だ。おかげで重低音だけでなく、中域の情報量、高域の伸びやかさまでも優秀。これがBluetoothスピーカーの音とは……。

なお、重低音を極めたい人は「XBass」ボタンを押せば、さらなる低音ブーストも可能だ。また、音楽再生時には本体左右のLEDがマルチカラーで光り、ドライバーユニットも明滅。これはこれでカッコイイのだが、本体のLEDボタンを押すと、モード1→モード2→消灯の順番で切り変わるので簡単にオフにできる。

音質については専用アプリ「Tribit」から音楽/XBass/オーディオブック/クラシック/ジャズ/パーティー、それから手動設定のカスタマイズを切り替え可能。個人的にはデフォルト設定の“音楽”の設定も臨場感があって気に入ったが、もっとフラットなバランスがお好みなら“カスタマイズ”の初期値がナチュラル志向。さらにここからEQカスタマイズをすることも可能だ。

「Tribit」アプリを使えば、サウンドやLEDのカスタマイズが可能

そしてStormBox Blastは、2台用意すると、簡単にステレオペアとして再生も可能。実際にStormBox Blast 2台のステレオペアでYOASOBI「祝福」とBTS「Dynamite」を聴いてみると、ステレオ空間の再現性がアップ。たしかな音質的なメリットを確認できた。日本の一般的な家庭ではボリューム的には十分過ぎるところだが、広めのスペースでガンガン音楽を流したいとき活躍する機能と言える。

2台組み合わせた「ステレオモード」で、さらにパワフルさと空間表現力がアップ

大型サイズに光るLEDなど、一見クラブに置かれるような重低音志向の大型スピーカーを思わせるStormBox Blast。だが、その音質に関してはただ“重低音が凄い”と片付けてしまうのは間違いだ。重低音も効いているが、中高域も初期設定の状態でクリアに響くし、アプリからEQ調整をすれば更にナチュラル志向にもできる。

充分な筐体サイズを活かした、低域から中高域まですべて余裕のある高音質サウンドのBluetoothスピーカーと評価するのが正しい所だろう。StormBox BlastがVGP2023 Bluetoothスピーカー(2万円以上4万円未満)金賞モデルとして評価されたのは、そんな音の素性の良さがあるからなのだ。
(企画協力:サウザンドショアス株式会社)

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