公開日 2024/03/19 06:30
BTスピーカー「S-STORM」最新モデルもチェック
欲しい機能が7千円台で全てある!SOUL完全ワイヤレス「S-LIVE ANC」レビュー
鴻池賢三
パンチのある低音再生で人気の「SOUL」から、高性能なノイズキャンセリング機能をまとった完全ワイヤレスイヤホンの新モデル「S-LIVE ANC」が登場! 片耳3つのマイクを搭載した驚きの消音性能は、価格以上の価値があるという。本稿では、そんなS-LIVE ANCの魅力を、オーディオビジュアル評論家の鴻池賢三が解説する。
SOULは、2011年にアメリカで誕生したヘッドホンブランド。ラップミュージックなどストリートカルチャーにインスパイアされた音づくりが原点で、今もなおそのコンセプトとタフなサウンドは色褪せない。デザインテイストや質感は時代と共に進化を続けてきたが、根底にあるストリート志向は変わらず、ファッション性とガツンと来る重低音サウンドは、新製品である「S-LIVE ANC」にも継承されている。
S-LIVE ANCは、一言でいうとハイブリッドANC機能搭載の完全ワイヤレスイヤホン。SOULのテイストを継承しつつ、7,000円台という手に届きやすいプライシングは、SOULファンのみならず、幅広い層の注目を集めそうだ。過去VGPアワードでも受賞歴がある「S-LIVE 30」の上位モデルにあたり、機能と音質の両面で安心できる上、さらに最新世代へとアップグレードされているので大いに期待してよいだろう。
スペック面では、片側にそれぞれ3個のマイクを搭載し、35〜40dBの減衰を謳う高性能なハイブリッドANCが特長。ほか、低遅延モードを搭載し、ゲームや動画視聴との相性を高めている。
実際に手に取ると、充電ケースもイヤホン本体もパール調の塗装が施され、見た目に上質な印象。加えて指先で滑りにくく、指紋が目立たないのも好印象だ。粗削りなストリート系のSOULだが、本機においては価格相応の上質さが感じられる。
イヤホン本体は、ハイブリッドANC機能搭載モデルとしてはコンパクト。装着時に耳からの出っ張りが少なく、滑らかな曲面で構成された筐体は耳の窪みに優しくフィットする。装着性は高い。
音質は、ゆったりと深く沈み込む低域が魅力だ。ストリートミュージックに似合う量感たっぷりの音調ながら、ブーミーになることなくグルーブ感をしっかり再現。気分の向くままに低音の海に心と体を預けられる。バスドラムの輪郭を伴ったスケール感もよい。
総じて低域はゆったりしつつも誇張感がなく、リラックスして楽しめるので、ポップスやロックとも好相性。ボーカルのクリアさ、音色のナチュラルさも保たれていて、ジャンルを選ばずに音楽を楽しむことができる。「声」の明瞭さとゆったりとした低域は、映画やドラマ鑑賞でも視聴体験をアップしてくれるだろう。
ANCは、重低音だけでなくカフェ内のような雑然とした広帯域の騒音にもしっかり作用。話し声なども半減する印象で、周波数帯域によるムラが少ないのか、騒音の音色に変化を感じずナチュラルなのも好感だ。操作は、イヤホン右側の長押しでダイレクトに「ANCオン→外音取込み→ノーマル」の切替が行える。
低遅延モードはゲームプレイで明らかな違いを体感できる。40ms(0.04秒)はイヤホンの低遅延モードとして飛び抜けた数値ではないが、一般的なSBCの同220msとは別次元。ピアノアプリで速弾きしても充分に追随することが確認できた。動画視聴はもちろん、シビアな応答速度を求められないゲームなら充分に楽しめるはずだ。
SOULは、同ブランドの世界観を共通に持つBluetoothスピーカー「S-STORM」シリーズもリリースしている。新作モデルの「S-STORM JOY」と「S-STORM MINI」は、コンパクトで筐体にフックも備え、IPX6の高い防水性能を誇りつつ、比較的手頃な価格を実現したモデル。屋外も含め、気軽に携行できるフットワークのよさが特長といえる。キャンプや水辺など、アウトドア・アクティビティーでも重宝するだろう。
S-STORM JOYの特長は、イルミネーション機能の搭載。光によるカラフルかつ艶やかな演出は、本体ボタン操作でパターンの変更もでき、様々なシーンに彩りを揃えてくれるだろう。
本体は軽量ながらガッチリしたつくりで、アウトドアユースでも頼もしく、SOULの野太さを感じる部分だ。サウンドは、中高域の抜け感が爽やかで聴きやすく、さらに低域を増したい場合はプレーヤー側のイコライザーで調整するとよいだろう。
S-STORM MINIは、フック部分がカラビナタイプになっていて、よりアウトドアユースを意識させるデザイン。操作ボタンの押し下げに力が必要なのは、誤操作を防止する狙いだろう。
音質は、高解像度で高域の伸びやかさが印象的。低域は筐体サイズにあったもので破綻がなくやや軽快だ。こちらもさらに量感を増したい場合は、プレーヤー側のEQで調整するとよいだろう。何より、SOULの世界観を踏襲しつつシンプルで、手に届きやすい価格を実現しているのはユーザーとして嬉しい限りだ。
【SPEC】
・「S-LIVE ANC」ノイズキャンセリング完全ワイヤレスイヤホン
●通信方式:Bluetooth Ver.5.3 ●対応コーデック:SBC、AAC
●ドライバー口径:10mm ●連続再生時間:約4時間(ANC ON時/ケース込み約24時間)
●質量:4.8g(イヤホン片耳)、31g(ケース) ●付属品:イヤーチップ(S/M/L)、充電用ケーブル
・「S-STORM JOY」Bluetoothスピーカー
●出力:5W ●防水:IPX6 ●スピーカーサイズ:50mm
●再生周波数帯域:80Hz - 20kHz ●質量:176g
・「S-STORM MINI」Bluetoothスピーカー
●出力:5W ●防水:IPX6 ●スピーカーサイズ:52mm
●再生周波数帯域:100Hz - 20kHz ●質量:161g
(協力:SOULNATION)
本記事は「プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING」からの転載です。
■小型で高性能!コスパの高さが光る逸品
SOULは、2011年にアメリカで誕生したヘッドホンブランド。ラップミュージックなどストリートカルチャーにインスパイアされた音づくりが原点で、今もなおそのコンセプトとタフなサウンドは色褪せない。デザインテイストや質感は時代と共に進化を続けてきたが、根底にあるストリート志向は変わらず、ファッション性とガツンと来る重低音サウンドは、新製品である「S-LIVE ANC」にも継承されている。
S-LIVE ANCは、一言でいうとハイブリッドANC機能搭載の完全ワイヤレスイヤホン。SOULのテイストを継承しつつ、7,000円台という手に届きやすいプライシングは、SOULファンのみならず、幅広い層の注目を集めそうだ。過去VGPアワードでも受賞歴がある「S-LIVE 30」の上位モデルにあたり、機能と音質の両面で安心できる上、さらに最新世代へとアップグレードされているので大いに期待してよいだろう。
スペック面では、片側にそれぞれ3個のマイクを搭載し、35〜40dBの減衰を謳う高性能なハイブリッドANCが特長。ほか、低遅延モードを搭載し、ゲームや動画視聴との相性を高めている。
実際に手に取ると、充電ケースもイヤホン本体もパール調の塗装が施され、見た目に上質な印象。加えて指先で滑りにくく、指紋が目立たないのも好印象だ。粗削りなストリート系のSOULだが、本機においては価格相応の上質さが感じられる。
イヤホン本体は、ハイブリッドANC機能搭載モデルとしてはコンパクト。装着時に耳からの出っ張りが少なく、滑らかな曲面で構成された筐体は耳の窪みに優しくフィットする。装着性は高い。
音質は、ゆったりと深く沈み込む低域が魅力だ。ストリートミュージックに似合う量感たっぷりの音調ながら、ブーミーになることなくグルーブ感をしっかり再現。気分の向くままに低音の海に心と体を預けられる。バスドラムの輪郭を伴ったスケール感もよい。
総じて低域はゆったりしつつも誇張感がなく、リラックスして楽しめるので、ポップスやロックとも好相性。ボーカルのクリアさ、音色のナチュラルさも保たれていて、ジャンルを選ばずに音楽を楽しむことができる。「声」の明瞭さとゆったりとした低域は、映画やドラマ鑑賞でも視聴体験をアップしてくれるだろう。
ANCは、重低音だけでなくカフェ内のような雑然とした広帯域の騒音にもしっかり作用。話し声なども半減する印象で、周波数帯域によるムラが少ないのか、騒音の音色に変化を感じずナチュラルなのも好感だ。操作は、イヤホン右側の長押しでダイレクトに「ANCオン→外音取込み→ノーマル」の切替が行える。
低遅延モードはゲームプレイで明らかな違いを体感できる。40ms(0.04秒)はイヤホンの低遅延モードとして飛び抜けた数値ではないが、一般的なSBCの同220msとは別次元。ピアノアプリで速弾きしても充分に追随することが確認できた。動画視聴はもちろん、シビアな応答速度を求められないゲームなら充分に楽しめるはずだ。
■アウトドアで活躍するBTスピーカーもラインナップ
SOULは、同ブランドの世界観を共通に持つBluetoothスピーカー「S-STORM」シリーズもリリースしている。新作モデルの「S-STORM JOY」と「S-STORM MINI」は、コンパクトで筐体にフックも備え、IPX6の高い防水性能を誇りつつ、比較的手頃な価格を実現したモデル。屋外も含め、気軽に携行できるフットワークのよさが特長といえる。キャンプや水辺など、アウトドア・アクティビティーでも重宝するだろう。
S-STORM JOYの特長は、イルミネーション機能の搭載。光によるカラフルかつ艶やかな演出は、本体ボタン操作でパターンの変更もでき、様々なシーンに彩りを揃えてくれるだろう。
本体は軽量ながらガッチリしたつくりで、アウトドアユースでも頼もしく、SOULの野太さを感じる部分だ。サウンドは、中高域の抜け感が爽やかで聴きやすく、さらに低域を増したい場合はプレーヤー側のイコライザーで調整するとよいだろう。
S-STORM MINIは、フック部分がカラビナタイプになっていて、よりアウトドアユースを意識させるデザイン。操作ボタンの押し下げに力が必要なのは、誤操作を防止する狙いだろう。
音質は、高解像度で高域の伸びやかさが印象的。低域は筐体サイズにあったもので破綻がなくやや軽快だ。こちらもさらに量感を増したい場合は、プレーヤー側のEQで調整するとよいだろう。何より、SOULの世界観を踏襲しつつシンプルで、手に届きやすい価格を実現しているのはユーザーとして嬉しい限りだ。
【SPEC】
・「S-LIVE ANC」ノイズキャンセリング完全ワイヤレスイヤホン
●通信方式:Bluetooth Ver.5.3 ●対応コーデック:SBC、AAC
●ドライバー口径:10mm ●連続再生時間:約4時間(ANC ON時/ケース込み約24時間)
●質量:4.8g(イヤホン片耳)、31g(ケース) ●付属品:イヤーチップ(S/M/L)、充電用ケーブル
・「S-STORM JOY」Bluetoothスピーカー
●出力:5W ●防水:IPX6 ●スピーカーサイズ:50mm
●再生周波数帯域:80Hz - 20kHz ●質量:176g
・「S-STORM MINI」Bluetoothスピーカー
●出力:5W ●防水:IPX6 ●スピーカーサイズ:52mm
●再生周波数帯域:100Hz - 20kHz ●質量:161g
(協力:SOULNATION)
本記事は「プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING」からの転載です。