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公開日 2024/06/18 06:35
【特別企画】高S/Nと高忠実度再生を追求して50年

サエクの電源タップ「TAP-Cute6 Mk2」を旧機種と比較。エネルギー感とS/N感を両立する高コスパモデル

鈴木 裕
サエクより、6個口のコンセントを搭載する電源タップ「TAP-Cute6 Mk2」が登場した。ロングセラーとなった「TAP-Cute」の後継機で、インレット周りの振動対策などがさらに強化されている。その音質のポイントを、新旧比較も交えて検証した。

SAEC 電源タップ「TAP-Cute Mk2」(価格:71,500円/税込)

一聴してS/N感が良くなり空間の情報量が上がる



「TAP-Cute6」はコストパフォーマンスの高い、使いやすい電源タップだった。残念ながら販売完了になってしまったが、その造りの良さを継承しつつ性能を向上させたMk2モデルが、今年4月にリリースされている。

ここではTAP-Cute6をシステムに採用することによって得られる音について、そしてそのMk2モデルのどの部分が進化して、どう音質向上したかについて紹介しよう。

旧モデルの「TAP-Cute」(奥)、新型の「TAP-Cute Mk2」(手前)。基本の形状はほぼ同等だが、インレット部分などがグレードアップされている

まずは、TAP-Cute6の音を確認する。リファレンスとなるアキュフェーズのプリアンプ「C-3900」とSACDプレーヤー「DP-770」の電源をTAP-Cute6から取る。ちなみにパワーアンプの「A-80」は別電源から供給している。コンポーネントとタップの間は、それぞれ付属の電源ケーブルを使用。

アキュフェーズのプリアンプ&CDプレーヤーをTAP-Cuteに繋いで試聴。スピーカーはB&Wの「802 D4」を組み合わせ

エリック・クラプトン『アンプラグド』からトラック5の「ロンリーストレンジャー」を聴くと、帯域バランスとしては基本的にフラットで、どの帯域にも強調感がないが、音の重心はやや低く、密度感は高い。

続いてTAP-Cute6 Mk2に交換。ボリュームを合わせて同じくクラプトンを聴くと、一聴してS/N感が良くなり、ライヴをやっている空間の情報量が上がる。音の重心は下がりつつ、低音感は増しているのに、低域の情報量も上がっている。音色感の純度が上がり、音像は小さくまとまる。

ちなみにボディ自体の2重シャーシ構造や、PC-Triple Cを採用した導体内部配線材は継続している。変更されたのはIECインレット端子で、フルテック製のプラスチックの部分にはNCF(ナノクリスタルフォーミュラ)素材を採用、電気が通る端子には金メッキが施されている。NCFは、振動や静電気に対する効果があると謳われている。

アキュフェーズのプリアンプ&CDプレーヤーの電源ケーブルの両方を差し替えて比較

TAP-Cute6 Mk2自体の評価としては、電気の供給源としてのエネルギー感やS/N感を両立させた、コストパフォーマンスの高い製品であると紹介したい。

電源の振動対策はオーディオの音質向上の要



補足として、なぜ、電源関連の製品は振動対策が大事なのか、筆者の考えを記しておこう。分かりやすい例として、電源ケーブルを想起してほしい。右側が壁コンセントに刺さっているとすると、電気は右から左へ流れていく。この時、電源ケーブルの周囲には電磁誘導により、磁場が発生している。いわゆるフレミングの「右手の法則」の現象だ。

しかし電源ケーブルの中を流れている電気は交流のため、東日本であれば1秒間に50回、西日本であれば60回、磁場のS極とN極が交代する。これが、地球という、微弱ながら大きな磁石の上で行なわれると、電源ケーブルには、ミクロ単位ながら振動が発生し、この振動が再生音を濁らせる。そのため、電源ケーブルや電源タップに対して振動対策を施すことによって、再生音のS/N感が良くなったり、音の純度が向上する。

ちなみにサエクは今年の12月で創業50周年を迎えるが、当初の理念である高S/Nと高忠実度再生は変わっていない。TAP-Cute6 Mk2にもその考え方は徹底されている。

サエクの製品やスタッフと接してきて感じるのは実直さであり、良心的な値付けだ。これからもそういった理念や実直さを変えずに製品開発をしていくことを期待したい。

(提供:サエクコマース)

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