公開日 2024/06/23 07:00
ブランド史上最小の完全ワイヤレス
バッテリー非搭載ケースって実際どう? Beats史上最小の完全ワイヤレス「Solo Buds」を1週間使ってみた
編集部 : 伴 修二郎
Beastの完全ワイヤレスイヤホン新モデル「Beats Solo Buds」が、6月20日より発売された。価格は12,800円(税込)で、カラーバリエーションはマットブラック、ストームグレイ、アークティックパープル、トランスペアレントレッドの全4色をラインナップしている。
Solo Budsは、ヘッドホンのカジュアルモデル “Soloシリーズ” の特長である携帯性と快適さ、高音質を最小サイズで実現した「全く新しいカテゴリーのSolo」と謳われるモデル。また、ケースがバッテリー非搭載となっており、それにより小型・軽量化を実現しているのが大きな特徴になっている。
ケースの大幅なコンパクト化を実現しつつ、バッテリー非搭載というこの変わった仕様。日常使いにどのように影響してくるのか、気になっているという方も多いのではないだろうか。
そこで本稿では、Solo Budsの実機をお借りすることができたので、実際に1週間ほど使用してみたインプレッションを紹介してみたい。
まず本モデルの大きな特徴となる、バッテリー非搭載のイヤホンケース。同ブランドの完全ワイヤレス「Beats Studio Buds+」と比較して、約40%以上の小型化が施されているとのことで、実際に並べてみると大幅にサイズが小さくなっているのが分かる。
Solo Budsを手で持ってみると、男性の手のひらなら片手で覆い尽くせてしまうコンパクトさ。そして、バッテリー非搭載ということもあってか非常に軽く、持ち運びにストレスを感じることはまずないだろう。ケース表面はさらっとしたマットな質感になっており、手触りも良い感じだ。
このコンパクトさと軽量さが相まり、ズボンのポケットはもちろんのこと、シャツの胸ポケットなどにも余裕をもって収納できる。
軽すぎるが故、ポケットに物を入れている感覚が薄いので、落としてしまった際に気づきにくいリスクもありそうだが、イヤホンを紛失した際に最後に接続した場所を追跡できる「探す」機能もサポートしているため、もしもの際も安心できそうだ。
イヤホン本体もコンパクト。本体の形状から指で挟む位置が分かりやすいので、ケースから取り出して持ち替えることなく、そのままスムーズに装着できる。耳穴にもすっぽりと収まりやすく、軽さも相まって圧迫感も薄いので装着感は良好だ。
そして懸念していたケースのバッテリー非搭載だが、実際に使ってみると、結論ほぼその影響はなかった。というのも、イヤホン本体は1回フル充電すれば最大18時間の連続再生が可能だからだ。1週間にわたり主に通勤中などの移動時間に使用したが、バッテリー切れで困るようなことはなかった。筆者の場合は元々、週に1回はイヤホンケースの充電を行うことがクセづいているので、同じような方であればバッテリー非搭載によるデメリットは感じにくいだろう。
さらに、本モデルはUSBケーブルを用いることで、スマートフォンやタブレット、PCと繋いで充電することもできる。ケーブルさえ常に持ち歩いておけば、外出先等でもしも充電が切れそうになった際にも、カフェなどで手軽に充電が行えてしまうのは大変ありがたい。
なお、バッテリー状態は、iPhoneなどAppleデバイスであればアプリ不要で瞬時に確認できるほか、Androidデバイスでも専用アプリを立ち上げればいつでも確認が可能。外出先でも常に充電状況を把握できるというのもポイントだ。
本機はコンパクトながらサウンド面にも注力しており、高音質を実現すべく、独自設計のアコースティック設計を採用。カスタム設計の2層構造トランスデューサーは、歪みの少ないクリーンな音でより最適な音を提供するためノズルと平行になるよう配置し、さらにレーザー精度の通気孔を設けたことで、優れた低音再生と快適性を備えるのだという。
空間オーディオ機能やノイズキャンセリング(NC)機能は非搭載となっているが、XS/S/M/Lの全4サイズのイヤーチップを付属しており、これによりパッシブノイズアイソレーションをもたらすと説明している。
実際にそのサウンドを聴いてみると、意外にも中高域重視のサウンドという印象。Beatsといえば、音楽プロデューサー・ラッパーのDr Dre(ドクター・ドレー)が設立したブランドということで、特にヘッドホンなどヒップホップやストリートシーンなどでも愛用されている。ビートを活かす低音重視のサウンドをイメージしていただけに、この点は驚かされた。
ボーカルにフォーカスしたサウンド傾向により、特に歌物などポップスとは好相性。YOASOBIの『アイドル』を聴いてみても、しっかりとボーカルが際立って聴こえてくる上に、高域が耳に刺さってくる感じもないので、とても聴きやすい。よほど音量を上げすぎない限りは、長時間聴いても聞き疲れの少ないサウンドになっていると感じられた。
また、決して低域の存在感が薄すぎるわけではなく、バランスの良い量感に調整されている。千葉雄喜(元KOHH)の『チーム友達』を聴くと、キックやピアノの低域を気持ち良く響かせながら、中高域のアタック感もあわさることでラップがしっかり耳に入ってくるという、バランスの良さが光る。ド派手な重低音サウンドではないにしろ、ヒップホップとの相性も悪くないと感じられた。
とはいえ、全体的な解像度や音の艷やかさ、音場感という面では、より高価格帯のイヤホンには劣る印象。DJ TATSUKIの『TOKYO KIDS(feat. IO & MonyHorse)』を聴くと、トラックのグルーヴ感を司る上で重要なハイハットが少しぼやけて聴こえるため、リズムのノリや生々しさには少々物足りなさを感じる。だが、約1万2千円という価格面とこのコンパクトさ。カジュアル志向を考えれば、十分なクオリティともいえる。
そのほか気になった点としては、ノイズキャンセリングの非搭載を挙げたい。イヤーチップによるパッシブノイズアイソレーションが図られているとのことだが、実際に装着しながら都心を歩くと、やはり周囲の雑音は気になる。特に車道や交差点近くの走行音や、雨音などはそれなりに気になるレベルだったので、そこが気になる方はぜひ注意されたい。
◇◇◇
Beats Solo Budsは、高い携帯性と使い勝手の良さに加えて、しっかりと音質面にも配慮されたモデルに仕上がっていた。とはいえ、意外なサウンド特性や一部気になる点もあったので、購入を検討している方は、まずは量販店などで試聴していただくことをオススメしたい。
Solo Budsは、ヘッドホンのカジュアルモデル “Soloシリーズ” の特長である携帯性と快適さ、高音質を最小サイズで実現した「全く新しいカテゴリーのSolo」と謳われるモデル。また、ケースがバッテリー非搭載となっており、それにより小型・軽量化を実現しているのが大きな特徴になっている。
ケースの大幅なコンパクト化を実現しつつ、バッテリー非搭載というこの変わった仕様。日常使いにどのように影響してくるのか、気になっているという方も多いのではないだろうか。
そこで本稿では、Solo Budsの実機をお借りすることができたので、実際に1週間ほど使用してみたインプレッションを紹介してみたい。
■ブランド史上最小のコンパクトサイズ。バッテリー非搭載の使い勝手は?
まず本モデルの大きな特徴となる、バッテリー非搭載のイヤホンケース。同ブランドの完全ワイヤレス「Beats Studio Buds+」と比較して、約40%以上の小型化が施されているとのことで、実際に並べてみると大幅にサイズが小さくなっているのが分かる。
Solo Budsを手で持ってみると、男性の手のひらなら片手で覆い尽くせてしまうコンパクトさ。そして、バッテリー非搭載ということもあってか非常に軽く、持ち運びにストレスを感じることはまずないだろう。ケース表面はさらっとしたマットな質感になっており、手触りも良い感じだ。
このコンパクトさと軽量さが相まり、ズボンのポケットはもちろんのこと、シャツの胸ポケットなどにも余裕をもって収納できる。
軽すぎるが故、ポケットに物を入れている感覚が薄いので、落としてしまった際に気づきにくいリスクもありそうだが、イヤホンを紛失した際に最後に接続した場所を追跡できる「探す」機能もサポートしているため、もしもの際も安心できそうだ。
イヤホン本体もコンパクト。本体の形状から指で挟む位置が分かりやすいので、ケースから取り出して持ち替えることなく、そのままスムーズに装着できる。耳穴にもすっぽりと収まりやすく、軽さも相まって圧迫感も薄いので装着感は良好だ。
そして懸念していたケースのバッテリー非搭載だが、実際に使ってみると、結論ほぼその影響はなかった。というのも、イヤホン本体は1回フル充電すれば最大18時間の連続再生が可能だからだ。1週間にわたり主に通勤中などの移動時間に使用したが、バッテリー切れで困るようなことはなかった。筆者の場合は元々、週に1回はイヤホンケースの充電を行うことがクセづいているので、同じような方であればバッテリー非搭載によるデメリットは感じにくいだろう。
さらに、本モデルはUSBケーブルを用いることで、スマートフォンやタブレット、PCと繋いで充電することもできる。ケーブルさえ常に持ち歩いておけば、外出先等でもしも充電が切れそうになった際にも、カフェなどで手軽に充電が行えてしまうのは大変ありがたい。
なお、バッテリー状態は、iPhoneなどAppleデバイスであればアプリ不要で瞬時に確認できるほか、Androidデバイスでも専用アプリを立ち上げればいつでも確認が可能。外出先でも常に充電状況を把握できるというのもポイントだ。
■試聴インプレッション。ノイズキャンセリング非搭載など懸念点も
本機はコンパクトながらサウンド面にも注力しており、高音質を実現すべく、独自設計のアコースティック設計を採用。カスタム設計の2層構造トランスデューサーは、歪みの少ないクリーンな音でより最適な音を提供するためノズルと平行になるよう配置し、さらにレーザー精度の通気孔を設けたことで、優れた低音再生と快適性を備えるのだという。
空間オーディオ機能やノイズキャンセリング(NC)機能は非搭載となっているが、XS/S/M/Lの全4サイズのイヤーチップを付属しており、これによりパッシブノイズアイソレーションをもたらすと説明している。
実際にそのサウンドを聴いてみると、意外にも中高域重視のサウンドという印象。Beatsといえば、音楽プロデューサー・ラッパーのDr Dre(ドクター・ドレー)が設立したブランドということで、特にヘッドホンなどヒップホップやストリートシーンなどでも愛用されている。ビートを活かす低音重視のサウンドをイメージしていただけに、この点は驚かされた。
ボーカルにフォーカスしたサウンド傾向により、特に歌物などポップスとは好相性。YOASOBIの『アイドル』を聴いてみても、しっかりとボーカルが際立って聴こえてくる上に、高域が耳に刺さってくる感じもないので、とても聴きやすい。よほど音量を上げすぎない限りは、長時間聴いても聞き疲れの少ないサウンドになっていると感じられた。
また、決して低域の存在感が薄すぎるわけではなく、バランスの良い量感に調整されている。千葉雄喜(元KOHH)の『チーム友達』を聴くと、キックやピアノの低域を気持ち良く響かせながら、中高域のアタック感もあわさることでラップがしっかり耳に入ってくるという、バランスの良さが光る。ド派手な重低音サウンドではないにしろ、ヒップホップとの相性も悪くないと感じられた。
とはいえ、全体的な解像度や音の艷やかさ、音場感という面では、より高価格帯のイヤホンには劣る印象。DJ TATSUKIの『TOKYO KIDS(feat. IO & MonyHorse)』を聴くと、トラックのグルーヴ感を司る上で重要なハイハットが少しぼやけて聴こえるため、リズムのノリや生々しさには少々物足りなさを感じる。だが、約1万2千円という価格面とこのコンパクトさ。カジュアル志向を考えれば、十分なクオリティともいえる。
そのほか気になった点としては、ノイズキャンセリングの非搭載を挙げたい。イヤーチップによるパッシブノイズアイソレーションが図られているとのことだが、実際に装着しながら都心を歩くと、やはり周囲の雑音は気になる。特に車道や交差点近くの走行音や、雨音などはそれなりに気になるレベルだったので、そこが気になる方はぜひ注意されたい。
Beats Solo Budsは、高い携帯性と使い勝手の良さに加えて、しっかりと音質面にも配慮されたモデルに仕上がっていた。とはいえ、意外なサウンド特性や一部気になる点もあったので、購入を検討している方は、まずは量販店などで試聴していただくことをオススメしたい。
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