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公開日 2024/10/31 06:30
aptX LosslessやAIアルゴリズムなど最新技術もサポート

多彩なコーデックと強力なANCで快適リスニング!「EarFun Air Pro 4」の充実機能と音質を体験

山本 敦
筆者はこれまでにいくつものEarFunの完全ワイヤレスイヤホンを試してきたが、今夏登場した「EarFun Air Pro 4」は、中でもひときわ充実したクオリティを備えるモデルだ。実機を長期間試す機会を得たので、あらためて発見した本機の便利な機能も含めレポートしたい。

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■aptX Lossless、LC3、LDAC……多彩なコーデックを網羅


EarFun Air Pro 4(以下:Air Pro 4)は密閉型ハウジングを採用するスティックスタイルのワイヤレスイヤホン。クアルコムによるBluetoothオーディオ向けS3シリーズの最新SoCを搭載したうえ、音質や接続性など高い品質基準を求める「Snapdragon Sound」に沿った厳しいテストをクリアしている。

「EarFun Air Pro 4(ブラック/ホワイト)」:9,990円/税込

多彩なBluetoothオーディオコーデックへの対応のほか、使用シーンや個人によって異なる耳の形や聴覚に合わせてAI(人工知能)がアクティブノイズキャンセリング(ANC)の効果を自動調節する機能を設けたことも、本機の魅力としてレポートの冒頭に特筆したい。

アンテナや充電端子などを棒状の部位に収めた、いわゆるスティックタイプのデザイン

ハウジングの耳側は、くぼみにフィットする卵型形状。ノズルの先端には金属フィルターを装備している

それぞれを詳しく解説する。まずは多彩なオーディオコーデック対応の内容からだ。

クアルコムのチップを搭載するイヤホンの中にも、最近ではLDACに対応するモデルが増えている。Air Pro 4もaptX AdaptiveとLDACの両方をサポートするハイレゾワイヤレス対応イヤホンだ。

搭載するチップ、QCC3091のスペックとしてはaptX Losslessコーデックによる最大48kHz/24bitのBluetoothによるロスレスオーディオ再生が可能だ。通信環境が安定していれば、いよいよ本格的なスタートを切ったQobuzの音楽ストリーミングなどがAir Pro 4を使っていい音で聴ける。ポータブルだけでなく、デスクトップリスニングにも「ワイヤレスイヤホンでいい音を楽しむ」という新たなスタイルを開拓できそうだ。

Bluetoothチップはクアルコム「QCC3091」、ドライバーユニットは10mm複合素材ダイナミックドライバーを搭載

耳に装着した図

BluetoothオーディオについてはLE Audioの高効率コーデックであるLC3もサポートした。さらにひとつのオーディオコンテンツを複数のレシーバー機器で共有しながら聴くLE Audio Auracastにも先駆けて対応する。今後Auracastを活かしたエンターテインメントや情報ソリューションが増えてきた時に、Air Pro 4を選んで正解だったことを実感するだろう。

ケースは厚みを減らしたコンパクトなデザイン

充電やペアリング状態を内部のLEDで分かりやすく表示する

■強力なANCを5つのモードでチューニング


続いて本機のANCを掘り下げる。イヤホンにはフィードバック/フィードフォワード両方式を組み合わせたハイブリッド消音処理を行うためのANC回路がある。Air Pro 4には、EarFunが独自に「QuietSmart 3.0」と名付けるANCテクノロジーが搭載され、-50dBまでノイズを下げる性能を特長にうたっている。

ただし、イヤホンの消音効果は単純に強ければ良いというものではなく、過度に効果を追求するとリスニングの違和感にもつながる。あるいはANCイヤホンを長時間身に着けるだけでストレスを感じることもある。

そこでAir Pro 4では、イヤホンの使用シーンに合わせて最適な消音効果をユーザーが自ら選べる機能を専用のモバイルアプリ「EarFun Audio」から提供している。このアプリが実はとても多機能で、筆者のようにこれまでいくつものワイヤレスイヤホンを使ってきたマニアの好奇心を大いにくすぐるほどディープな設定をカスタマイズできるのだが、今回はANCまわりの設定までに話題をとどめておく。

モバイルアプリ「EarFun Audio」

リスニングモードはANCと外音取り込み、両方をオフにするノーマルの3種類が選べる。ANCを選択すると、さらに5つのANC専用のモード設定が現れる。

EarFun独自のANC「QuietSmart 3.0」を搭載し、さらに5種類の効き方を選べる

「バランスANC」は長時間のリスニングに最適なモード。十分な強さが得られるうえ、消音効果がとても自然。最強のノイズ低減効果にチューニングしたのが「ディープANC」。筆者は先日、飛行機の中でディープANCを試した。運悪くエンジンの真横の窓側席に座ってしまったのだが、Air Pro 4が大きなノイズをビタビタに抑えてくれた。これはとてもありがたかった。

独自のAIアルゴリズムによる自動適応型ANCモードが2つある。「AI適応型ANC」では外部環境のノイズに合わせて消音効果の強弱をスマートに自動調整する。もうひとつの「AI聴覚適応型ANC」ではユーザーの外耳道形状の特性も解析する。AIアルゴリズムの適応性能は高く、賑やかな屋内施設から静かめな屋外環境を往来する間も消音効果をちょうどいい感じに自動調整してくれる。ふだんはどちらかのAIモード、またはバランスANCに設定しておけばいいと思う。

5つめは、風切り音を抑えるウィンドカットのアルゴリズムを加えたANCモードだ。ただ、本機の消音効果が全般的に高めなので、ジョギングやウォーキングなどの屋外スポーツと同時にながら聴きする場合はむしろ外音取り込みモードを選びたい。イヤホン側面のタッチセンサーコントロール(デフォルトは左側長押し)でノイズコントロール機能が切り替わる。

外音取り込みの効き方も2段階用意されている

■豊かなメロディと芯の通った低音、高音質コーデックで存分に引き出す


Air Pro 4の音質をチェックしよう。ポータブルリスニングを想定した環境はGoogle「Pixel 9 Pro」をペアリングしてLDAC再生のサウンドを聴き、aptX Losslessコーデックに対応するiFi Audio「ZEN Blue 3」を用意して、デスクトップで楽しむハイレゾワイヤレスリスニングを想定したリファレンス環境も作った。ノイズキャンセリングはAI適応型ANCモードを選択している。

LDAC対応スマホとaptX Lossless対応デバイスでそれぞれ試聴

LDACによるハイレゾワイヤレスリスニングを始める前に、EarFun Audioアプリから「Bluetoothオーディオの品質」に入り、音質優先の接続モードとしてLDACをオンにして切り替える。デフォルトではaptX系のコーデックがオンになっているからだ。またLDACをオンにする場合、アプリからデュアルデバイス接続(マルチポイント)は引き換えとしてオフにする。

LDACとaptX系コーデックはどちらか一方のみ有効化できる。LE Audioも同様にアプリから切り替える

anoの「許婚っきゅん」はボーカルの艶っぽさと潤いがあふれる。高音域が自然に伸びて爽やかな余韻を残す。バンドの楽器の演奏は音色が鮮やかでパワフル。エレキの鋭いカッティングが楽曲に小気味よいテンポをつくり出す。ベースラインの肉付きもよく、アップテンポな楽曲の疾走感をいっそう引き立ててくれる。本機が選んだ10mm複合素材ダイナミックドライバーの応答性能の高さが垣間見えた。

角野隼斗の「かすみ草」はピアノのメロディがゆったりと情熱的に鳴り響く。弦楽器と重ね合うふくよかで甘いハーモニーに魅了されてしまった。ピアニストの指先、バイオリンやチェロの弦が震える繊細なイメージも浮かび上がらせながら、楽曲を強く煌めかせる。感情を激しく揺さぶるこの曲の雰囲気にAir Pro 4のサウンドがぴたりと合った。

リスニング機能では「適応型イコライザー」も注目。低音から高音までテスト音を鳴らし、ユーザーの耳の聴こえを測定して、再生音を調整してくれる

MacBookにUSBでつないだiFiのZEN Blue 3と、Air Pro 4をペアリングしてaptX Losslessによるリスニングも確かめた。音源はApple Musicが配信する上原ひろみのアルバム『Sonicwonderland』から「Up」を再生。サンプリング周波数は最大48kHzに制限されるが、スマホによる再生に対して音の繊細な表情が引き立ってくる。低音の軸もブレず、1音ずつどっしりと響かせる。トランペットのシルキーな音色が全体を優しく包み込む。ZEN Blue 3の良いところをAir Pro 4が素直に引き出している手応えを得た。

Air Pro 4は快適なポータブルリスニングのために欠かせない機能を完全装備し、デスクトップで楽しむハイレゾワイヤレスの魅力も発見させてくれる。EarFunの革新性を象徴するイヤホンになるだろう。


(企画協力:EarFun)

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