公開日 2023/06/09 11:34
先月PHILE WEBでもたっぷりレポートした通り、ドイツで開催されたミュンヘン・ハイエンドの現地取材に行ってきた。長距離フライトを覚悟する場合は、機内の時間を有意義に過ごすためのエンタメグッズを色々と装備していくのだが、今回はXREALのARグラス「XREAL Air」(旧名称:Nreal Air)を持ち込んで、フライト内でどこまで遊べるかチェックしてみた。
「XREAL Air」はメガネ型のウェアラブルデバイス。メガネを掛けることで目の前に大画面ディスプレイを表示できる。まずは出張前に自宅で試してみると、少しレンズは大きいかなと思うものの、ほぼ普通のサングラスと同じ装着感。本体の実測値は83g、手持ちのサングラスは27gだったのでさすがに差はあるものの、装着して違和感を感じるほどの重さでもない。
基本の使用方法は、スマートフォン(Android端末、今回はLGのVELVET L-52Aを使用)とXREAL Air同梱のUSB typeCケーブルで接続。専用アプリ「Nebula」を立ち上げ、「ARモード」をタップすると、YouTubeや天気といった様々なアイコンが眼前に浮かんできて、なかなかの未来感にワクワクする。スマートフォンがポインター代わりとなり、アイコンを指しながらタップすることで、それぞれのコンテンツにアクセスすることができる。
ちなみに、XREAL Airは本体にバッテリーを内蔵していないので、スマートフォンと接続しないとただのサングラス。スマホから給電していることになるので、バッテリーには余裕があったほうが良さそう。
しばしYouTubeなどを見て遊んでから、この製品をフルで楽しむにはネットワークへの接続が必須となることが分かってきた。ただ、国際線のフライトでWi-Fiが飛んでいる場合も増えてきているが、実際のところ通信速度はあまり期待できない。そこで、これをオフラインで楽しむ方法はないかと探ってみた。
Nebulaアプリには、「ARモード」のほか「Air Casting」というモードもあり、これはスマートフォン端末の内容をそのままメガネディスプレイに表示できるもの。そこで今回は、Android端末にHuluアプリと「ぼっち・ざ・ろっく」を数話分、オフラインで再生できるようにダウンロード。ここまで準備をして、出張へと旅立った。
シートベルト着用サインが消えるのを見計らって、さっそくXREAL Airのテストを開始。メガネを掛け、スマートフォンとUSBケーブルで接続し、Air CastingモードにしてHuluを立ち上げる。
やはり感動するのはディスプレイの大きさと解像度の高さ! 国際線の機内は前の座席にディスプレイがついているものの、どうしてもそのサイズの小ささや画質の粗さは気になってしまうところ。しかしXREAL Airならば、文字通り視界いっぱいに画面が広がる。おまけに高解像度。4KではなくフルHD画質ではあるが、距離の近さも考えれば十分すぎるほど。
なお、音声については左右の「ツル」の部分にスピーカーが搭載されているが、これは骨伝導ではなく、単純に耳の近くで音が鳴っているというもの。つまり音漏れが発生する。だが、この問題はAirPods Proなどをスマホと接続することで解決できる。映像はグラスから、音声はノイキャン対応のイヤホンで聴くことができるので、機内の騒音もほとんど気にならず、かなりの没入感が味わえる。「負けるなぼっちちゃん」、心の応援も熱くなる。
ちなみにXREAL Airのレンズそのものは半透明だが、レンズにすっぽり被せる真っ黒なカバーも同梱されている。スマートフォンを操作したい場合は半透明でないとなかなか困ったことになるが、半透明のままではディスプレイとして透過してしまうので集中できない。ある程度のセッティングまでは半透明の状態で、「さぁここから見るぞ!」というタイミングでカバーをつけるのが良さそうだ。
なお、iOS端末で利用する場合は別売りの専用アダプター「XREAL Adapter」と「Lightning - Digital AVアダプタ」が必要となる。こちらは、現在のところ基本的にスマートフォン画面をキャストするという使い方しかできない模様。アダプターを介してメガネとスマートフォンを接続すると、メガネディスプレイにスマホの画面がキャストできる。同じくAirPods Proと連携させることもできるので、あらかじめダウンロードしておくことで、映画やアニメも大画面&高解像度で楽しめる。
またベータ版としてMacOSと連携できる「Nebula for Mac」というアプリも用意されているので、こちらもテスト。設定によると、最大3画面のディスプレイを表示させることができるようで、夢のマルチディスプレイが目の前に……と期待を高めたのだが、こちらも操作は難航。すぐにマウスを見失ってしまったりアプリケーションを見失ってしまったり。だが、原稿を書くなどのシンプルな操作ならば、首に負担をかけずディスプレイと向き合えるので、これはこれでなかなかアリ。
結論としては、Macとの連携においてはまだまだ課題が見られるものの、機内の据付ディスプレイとは異次元のクオリティで映像を楽しめた。事前にコンテンツをダウンロードしておくなどの準備も必要となるが、長距離フライトのお供に、XREAL Airはしっかり充実したエンタメ体験をもたらしてくれるだろう。
AirPods Proとの組み合わせでさらにリッチな体験に
飛行機内で感動の高解像度! メガネ型ディスプレイ「XREAL Air」で“ぼっち・ざ・ろっく”に没入
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈■長距離フライトを快適に過ごすために、最新エンタメガジェットを持ち込み
先月PHILE WEBでもたっぷりレポートした通り、ドイツで開催されたミュンヘン・ハイエンドの現地取材に行ってきた。長距離フライトを覚悟する場合は、機内の時間を有意義に過ごすためのエンタメグッズを色々と装備していくのだが、今回はXREALのARグラス「XREAL Air」(旧名称:Nreal Air)を持ち込んで、フライト内でどこまで遊べるかチェックしてみた。
「XREAL Air」はメガネ型のウェアラブルデバイス。メガネを掛けることで目の前に大画面ディスプレイを表示できる。まずは出張前に自宅で試してみると、少しレンズは大きいかなと思うものの、ほぼ普通のサングラスと同じ装着感。本体の実測値は83g、手持ちのサングラスは27gだったのでさすがに差はあるものの、装着して違和感を感じるほどの重さでもない。
基本の使用方法は、スマートフォン(Android端末、今回はLGのVELVET L-52Aを使用)とXREAL Air同梱のUSB typeCケーブルで接続。専用アプリ「Nebula」を立ち上げ、「ARモード」をタップすると、YouTubeや天気といった様々なアイコンが眼前に浮かんできて、なかなかの未来感にワクワクする。スマートフォンがポインター代わりとなり、アイコンを指しながらタップすることで、それぞれのコンテンツにアクセスすることができる。
ちなみに、XREAL Airは本体にバッテリーを内蔵していないので、スマートフォンと接続しないとただのサングラス。スマホから給電していることになるので、バッテリーには余裕があったほうが良さそう。
しばしYouTubeなどを見て遊んでから、この製品をフルで楽しむにはネットワークへの接続が必須となることが分かってきた。ただ、国際線のフライトでWi-Fiが飛んでいる場合も増えてきているが、実際のところ通信速度はあまり期待できない。そこで、これをオフラインで楽しむ方法はないかと探ってみた。
Nebulaアプリには、「ARモード」のほか「Air Casting」というモードもあり、これはスマートフォン端末の内容をそのままメガネディスプレイに表示できるもの。そこで今回は、Android端末にHuluアプリと「ぼっち・ざ・ろっく」を数話分、オフラインで再生できるようにダウンロード。ここまで準備をして、出張へと旅立った。
大画面&高解像度&ノイキャンイヤホンでコンテンツに没入できる!
シートベルト着用サインが消えるのを見計らって、さっそくXREAL Airのテストを開始。メガネを掛け、スマートフォンとUSBケーブルで接続し、Air CastingモードにしてHuluを立ち上げる。
やはり感動するのはディスプレイの大きさと解像度の高さ! 国際線の機内は前の座席にディスプレイがついているものの、どうしてもそのサイズの小ささや画質の粗さは気になってしまうところ。しかしXREAL Airならば、文字通り視界いっぱいに画面が広がる。おまけに高解像度。4KではなくフルHD画質ではあるが、距離の近さも考えれば十分すぎるほど。
なお、音声については左右の「ツル」の部分にスピーカーが搭載されているが、これは骨伝導ではなく、単純に耳の近くで音が鳴っているというもの。つまり音漏れが発生する。だが、この問題はAirPods Proなどをスマホと接続することで解決できる。映像はグラスから、音声はノイキャン対応のイヤホンで聴くことができるので、機内の騒音もほとんど気にならず、かなりの没入感が味わえる。「負けるなぼっちちゃん」、心の応援も熱くなる。
ちなみにXREAL Airのレンズそのものは半透明だが、レンズにすっぽり被せる真っ黒なカバーも同梱されている。スマートフォンを操作したい場合は半透明でないとなかなか困ったことになるが、半透明のままではディスプレイとして透過してしまうので集中できない。ある程度のセッティングまでは半透明の状態で、「さぁここから見るぞ!」というタイミングでカバーをつけるのが良さそうだ。
なお、iOS端末で利用する場合は別売りの専用アダプター「XREAL Adapter」と「Lightning - Digital AVアダプタ」が必要となる。こちらは、現在のところ基本的にスマートフォン画面をキャストするという使い方しかできない模様。アダプターを介してメガネとスマートフォンを接続すると、メガネディスプレイにスマホの画面がキャストできる。同じくAirPods Proと連携させることもできるので、あらかじめダウンロードしておくことで、映画やアニメも大画面&高解像度で楽しめる。
またベータ版としてMacOSと連携できる「Nebula for Mac」というアプリも用意されているので、こちらもテスト。設定によると、最大3画面のディスプレイを表示させることができるようで、夢のマルチディスプレイが目の前に……と期待を高めたのだが、こちらも操作は難航。すぐにマウスを見失ってしまったりアプリケーションを見失ってしまったり。だが、原稿を書くなどのシンプルな操作ならば、首に負担をかけずディスプレイと向き合えるので、これはこれでなかなかアリ。
結論としては、Macとの連携においてはまだまだ課題が見られるものの、機内の据付ディスプレイとは異次元のクオリティで映像を楽しめた。事前にコンテンツをダウンロードしておくなどの準備も必要となるが、長距離フライトのお供に、XREAL Airはしっかり充実したエンタメ体験をもたらしてくれるだろう。
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