上位モデルと共通するこだわりの回路を多数装備
ロングセラーのDVD−1650シリーズをはじめ、デノンのCDプレーヤーは息の長い製品が多い。本機は型番からもわかる通り、普及クラスの人気モデルDVD−755の後継機で、CD−R/RWへの対応を果たした点が目新しい。
DVDプレーヤーの低価格化、多様化が進むにつれ、コンポーネントタイプの単体CDプレーヤーは以前に比べて選択肢が狭まり、音楽ファンを悩ませる状況が続いている。音楽再生に的を絞った本格的な製品が欲しくても、安心して購入できるプレーヤーがなかなか見つからない。そんな中、デノンは堅実な製品開発を続けている貴重なメーカーといえるだろう。
本機は同社のラインナップでは一番ベーシックな製品だが、ダブルDAC構成のリアル20ビットラムダS.L.C、20ビット8倍オーバーサンプリングデジタルフィルターなど、上位モデルと共通するこだわりの回路が目を引く。ジョグダイヤル、ピッチコントロール、オートエディットなど、便利な機能も継承している。
再生音は、デノンのCDプレーヤーに共通する安定した周波数バランスを基本にしたうえで、中高域に適度な明るさが乗る。弦楽器の艶やかな音色、木管楽器の倍音豊かな柔らかい響き、伸びやかで表情に富むボーカルなど、CD専用機ならではの表現力の深さがあり、大味にならないきめの細やかさも持ち合わせている。
本機の背面部。シンプルな構成が単体CDプレーヤーであることを物語る
【SPEC】
【SPEC】●D/A変換方式:リアル20bit ラムダS.L.C. ●フィルター:20bit 8倍オーバーサンプリングデジタルフィルター ●周波数特性:2Hz〜20kHz ●SN比:110dB ●ダイナミックレンジ:100dB ●全高調波歪率:0.0025%以下 ●チャンネルセパレーション:103dB ●消費電力:9W ●外形寸法:W434×H100×D285mm ●質量:4.0kg