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AVC-1620

DENON
AVC-1620

¥50,000(税抜)

発売:2005年9月中旬
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【SPEC】●定格出力:80W×7 ●実用最大出力:135W×7 ●入力感度:200mV ●インピーダンス:47kΩ ●SN比:98dB(TONE DEFEAT ON時) ●周波数特性:10Hz〜100kHz(+1dB、-3dB)(TONE DEFEAT ON時) ●オーディオ入力:アナログ8系統、6chアナログ入力1系統、光デジタル2系統、同軸デジタル2系統 ●オーディオ出力:レックアウト2系統、8chプリアウト1系統、光デジタルアウト1系統 ●ビデオ入力:コンポジット4系統、S端子3系統、D4端子3系統 ●ビデオ出力:コンポジット2系統、S端子2系統、D4端子1系統 ●消費電力:230W(スタンバイ時1W未満) ●最大外形寸法:434W×147H×417Dmm ●質量:11.3kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

ピュアオーディオ的な面から見ても完成度は高い

デノンAVアンプのエントリーモデル新機種。信号処理DSPとして上級機種にも採用されている第三世代SHARKを搭載するなど、上級機やピュアオーディオ製品で培ったノウハウの導入により高い音質の実現を目指している。

サラウンドの面では前述の第三世代SHARKによる高精度のサラウンドデコード処理、そして全7チャンネルが同一クオリティで揃えられたディスクリート構成パワーアンプが大きな特徴だ。それを土台として、スピーカー設定のオートセットアップ機能、同じくオート設定も可能なルームEQが用意されており、簡単な操作で高いクオリティのサラウンド空間を得ることができる。

ピュアオーディオ的な面から見ても完成度は高い。映像系と音声系の電源トランスを分けて、音声系へのノイズ流入を排除。筐体の剛性と冷却性もよく考慮されている。映像系・表示系などの回路をオフにするピュアダイレクトモードも用意されており、オーディオアンプとして使用される場面も想定した設計であることがわかる。

サラウンドソース(映画)でまず感心させられたのは、台詞、声の自然さだ。曖昧でも鋭角でもなく、濁りなく届いてくる。映画『キルビル』のキャラクター、ゴーゴー夕張が操る鉄球の鎖の金属音など、高域のキレもなかなかだ。音場全体の雰囲気は、包み込まれるというよりは取り囲まれる、と言えばよいだろうか。広がりはやや狭く感じたが、それぞれの音が明瞭で存在感が高い。

ステレオ音楽ソースでは、各楽器のアタックの抜けやニュアンス、低域の深さや芯といった細部の描写はさすがに上級製品には及ばないものの、高低ともに自然に出ており、無理のない描写だ。中域の表現力はたしかで、ボーカルが主役のポップスでは、ボーカルはほどよく浮き立ち(つまり、各パートの分離も良好である)、声の艶も生きていた。一聴しただけで印象に残るという音ではないかもしれないが、聞き続けても耳障りなところがない、正統派の音作りなのである。

(text:高橋 敦)

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