製品情報
MARANTZ
SC-7S1
¥700,000(税抜)
緻密な音色表現と整った音場表現は尋常ではない
【SPEC】
●定格出力(20-20kHz):1.7V(BALANCED)、1.7V(UNBALANCED) ●入力感度/入力インピーダンス:420mV/20kΩ(BALANCED)、420mV/20kΩ(UNBALANCED) ●出力インピーダンス:220Ω(BALANCED)、220Ω(UNBALANCED) ●S/N比:103dB(BALANCED)、105dB(UNBALANCED) ●外形寸法:459W×136H×441Dmm ●質量:21kg
※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。
音楽の表現に違和感を感じたことは一度もなかった
日本マランツが新しいセパレートアンプに挑戦した。挑戦の目的は大きく言って2つある。まず、SACDやDVDオーディオなど、ハイデンシティオーディオにフルに対応する性能を持つこと、次に、B&Wのフラグシップモデル、Signature800を鳴らしきる性能と音質を持つことである。
今回の試聴は、SC-7S1を2台使用している。左右チャンネルをプリアンプの段階から完全に分離しているわけだ。試聴を始めてすぐ、音が出る瞬間のニュアンスが違うことに気づいた。音が立ち上がる前に一瞬聴こえる微弱な暗騒音がとてもクリアに聴き取れるのだ。そして、そこから音がすっと立ち上がるニュアンスが素早い。聴感上のノイズの少なさと音の立ち上がりのスピードの速さは特筆に値する。この日の試聴では、音楽の表現に違和感を感じたことは一度もなかった。
2台のプリアンプを使用できたのはなぜか。1台ごとに音量を設定するのでは煩わしいではないか? だが、マランツは大変巧妙な方法でこの問題を解決している。プリアンプのボリュームは、マイコンとのリンクで6台まで連動できるのだ。ということは、プリアンプ6台、パワーアンプ6台で、超豪華なマルチチャンネルシステムが構築できることになる。
最後に型番の秘密を明かそう。プリアンプの7、パワーアンプの9は、マランツの真空管アンプの型番(マランツ7、マランツ9)なのだ。最新のアンプの中にも、伝統的な物造りの精神が活かされていることを象徴する粋な命名である。
(text:貝山知弘)