製品情報
MARANTZ
SC-7S2
¥700,000(税抜)
ステレオプリアンプの新フラグシップモデル
ビジュアルグランプリ2007 ≪オーディオアンプ部門≫受賞モデル
オーディオ銘機賞2007 ≪プリアンプ部門賞≫受賞モデル
【SPEC】●定格出力(20Hz〜20kHz):1.7V ●最大出力(20Hz〜20kHz):13.5V ●周波数特性:3Hz〜150kHz(+0、-3dB) ●入力感度/入力インピーダンス:420mV/20kΩ ●出力インピーダンス:70Ω ●入出力端子:バランス入力×1、アンバランス入力×3、テープ入出力×1、バランス出力×1、アンバランス出力×2 ●消費電力:18W ●外形寸法:459W×136H×461Dmm ●質量:21.8kg
※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。
4年前にSC-7S1とMA-9S1が登場したときはスーパーオーディオCDの性能に見合うアンプの開発がテーマの一つだったが、今回はそれに加えてB&Wのフラグシップ機800Dのパフォーマンスをフルに引き出すことが目標として掲げられた。アンプとスピーカーの間のそうした拮抗関係は、ピュアオーディオの世界で何度も繰り返されてきたものだが、その繰り返しを経て両者それぞれの性能が飛躍的に向上してきたことはいうまでもない。
ステレオプリアンプSC-7S2は、前作から受け継いだウォルフソン製リニアコントロールボリュームを新たにパラレル接続で使用し、大幅にS/Nを向上させることに成功。入力バッファーアンプをディスクリート構成に変更したことも大きな改善点に数えられる。そのほか電源部の見直しやパーツの吟味など多くのリファインを施した。モノラルパワーアンプのMA-9S2は、電圧増幅部の全段に独自の電流帰還アンプ「HDAM-SA」を採用し、大幅なS/N向上を果たしている。電極に純銅箔を採用した新開発のフィルムコンデンサーなど、パーツへのこだわりにも注目したい。
今回はプリアンプとパワーアンプそれぞれで2〜3dBのS/N改善を果たしているが、その成果は再生音にはっきりと現れている。演奏が始まる直前の僅かな気配まで伝える驚異的な静寂感と、完全な無音から瞬時に立ち上がるオーケストラの圧倒的存在感。その2つの瞬間を聴いただけで、アンプとしての基本性能の高さと表現力の深さに気付くのである。音場空間のスケールが大きく、同時に密度感が際立って高いことも特筆しておきたいポイントである。(山之内正)