製品情報

製品データベース

TOP > AVアンプ > AVアンプ

VSA-AX4ASi

PIONEER
VSA-AX4ASi

¥179,048(税抜)

発売:2006年10月上旬
AMAZONで検索

1080p対応HDMIやフェーズコントロール機能を搭載したAVアンプ

ビジュアルグランプリ2007 ≪AVアンプ(高級タイプ)部門≫受賞モデル

【SPEC】●実用最大出力(JEITA、6Ω、サラウンド時):220W/ch(フロント2ch、センター1ch、サラウンド2ch、サラウンドバック2ch) ●周波数特性:5Hz〜100kHz(+0dB、-3dB) ●入力端子:同軸デジタル×2、光デジタル×5、i.LINK端子入出力兼用×2、USB1.1×1、オーディオ入力×4、ビデオ入力×7、Sビデオ入力×5、コンポーネントビデオ×3、D4ビデオ×2、HDMI入力×4 ●出力端子:プリアウト×1、光デジタル×2、オーディオ出力×1、ビデオ出力×3、Sビデオ出力×3、コンポーネントビデオ出力×1、D4ビデオ出力×1、HDMI出力×1 ●その他:SR入出力×1、12Vトリガ出力 2系統、RS-232C 1系統 ●消費電力:380W ●外形寸法:420W×188H×464Dmm ●質量:16.2kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

パイオニアが2006年秋に投入するAVアンプ4製品の最上位機種となるのが本機VSA-AX4ASiだ。準フラグシップの位置にあり、型名からもわかるようにAX4AViの後継となるハイパワー、220Wのマシンである。

末尾の「S」はスケーラー機能、「i」はi.LINKだが、新しく追加されたビデオスケーラーはファロージャDCDiで、入力ソースのアップコンバートやプログレッシブ化をこなし、HDMIの1080pにも対応する強力モデルだ。HDMI入力が2系統から4系統に増え(出力は1系統)、i.LINKともども伝送クオリティの向上が図られたことに注目したい。

強固な三次元スペースフレーム構造や、ダイレクトエナジーデザインといった伝統のワザを磨いて音質向上につとめるが、今回は出力デバイスをADE-MOSFETからバイポーラ型に変更。新たなサウンドへの挑戦といえるだろう。

VSA-AX4AViに対し、価格にして18.8万円というプライスダウンだが、音のクオリティはあらゆるソースで明らかに向上、充実しきった印象だ。

まず一段と澄んだ音場と、立ち上がりの速いハイスピード感に加え、サウンドのベースそのものにずしっと安定した手応えが感じられる。高いドライブ力でエネルギーが無駄なく、空間のすみずみまでいきわたる感触はこれまで以上で、バイポーラトランジスタがDVDソースなどの緻密で重厚なサウンドにマッチしているようだ。

『オペラ座の怪人』は低音が勝負だが、本機で聴くとオルガンのSEが一段と深く沈む。体ごと包まれ奈落へ持っていかれそうな感じだし、『キングコング』の海難シーンでは大波の怒濤の迫力とともに、船体の軋みやガラスの砕ける音などをリアルに描いていた。HD DVDでは『ラストサムライ』を視聴。これも情報量が豊かで、映像の精細感にマッチする高音質ぶりだ。

音楽DVDは、CDの音楽ソースと共通性のあるワイドレンジな再現性で、どこまでもすっきりと伸びる印象だ。クラシック系はラトル指揮の『第9』を試聴。これは声楽隊も入ってハーモニーの厚みや緻密さのチェックに最適だ。ステレオイメージがきれいに開け、ライブ演奏の雰囲気が生きる。さらにジャズの乾いた空気感やポップスではキレのいいリズム感などピュアアンプに遜色のないパフォーマンスが楽しめた。(文/林正儀)