パイオニア“ピュアビジョン”第7世代に新たに60型が加わった。これで42型、50型、60型と3モデルがラインナップされ、環境に応じて選択の幅が広がった。

パネル画素数は50型と同じ1365×768。パネルは新開発のオリジナル「高純度クリスタル層」、「ダイレクトカラーフィルター」を採用する「新ピュアブラックパネル」だ。黒浮き、ノイズが少ないフレックスクリアー駆動法による優れた画質が特徴である。これにより、画柄が最適になるように、階調表現の配分を自動調整する。また、軽量化と低消費電力化はいっそう進んだ。60型になっても重さ56.3kg、消費電力は468Wに抑えられている。

HDMI 端子は2系統、ダブルデジタルチューナーが搭載されている。また、サラウンドモード付き音声回路が装備され、エンターテイメント性にも優れる。マルチ画面表示機能も用意し、DVDレコーダーとの連動化を図り、ボタン一つでレコーダーの電源を起動、ディスクナビ画面を表示する“レコーダーホットリンク”機能を備えた。

画質はモード毎の色合いを細かく決めた仕上がりになっており、素直な映像表現である。 DVDやHD DVDの映画ソフトは映画モードで視聴したが、穏やかな色再現性、高コントラストで質感のよさが特徴。メーカー出荷時（デフォルト）のままの調整で満足感が得られるのが好ましい。

なお、接続はできる限りHDMIで行う方が素直な画質になる。また、HDMI接続にすることでDVDプレーヤーの表示モード選択が可能になり、パネル画素数に合わせて最適化できる。この場合は、720p出力が好ましい。

テレビのハイビジョン視聴（主にBSデジタル）も行ったが、その時のモードは標準でよく、スポーツからバラエティなど幅広くこなせる。画質の善し悪しの核となるパネル性能からも高画質が期待でき、黒浮きの少なさ、擬似輪郭ノイズ（画面のざらざらした感じや階調性が悪くなるなど）が少ないのが好ましい。画素数の関係からハイビジョンのリアル表示ではないのがたまにキズ。2メートルという近距離の視聴では画素が見えるため、もう少し視聴距離を確保して観ることをお薦めしたい。（文/村瀬孝矢）