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Glenair 10

TANNOY
Glenair 10

¥320,000(税抜)

発売:2007年2月中旬
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TANNOY「Glenair」の10インチユニット小型モデル

価格は1本

【SPEC】●型式:同軸2ウェイバスレフ ●使用ユニット:25cm(10インチ)同軸2ウェイ ●能率:91 dB(w/m、1 kHz) ●連続許容入力:120W(RMS) ●最大許容入力:440W(瞬間) ●入力インピーダンス:8Ω ●クロスオーバー周波数:2.1kHz ●周波数特性:38Hz~25kHz ●エンクロージャー材質:バーチ(樺)材高密度積層合板 ●エンクロージャー仕上げ:チェリー無垢/突き板 ●外形寸法:360W×1000H×347.5Dmm ●質量:28kg(1台)

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

一昨年発売されたグレンエアのジュニアモデルである。38cm同軸ユニットを堅牢なキャビネットに収めたスタイルはいかにもタンノイらしく、高い人気を集めたが、本機はその設計をそっくり継承しながら小型化を図っている。

ユニットは25cm、すなわち10インチ。現代的な性能を得るために振動板の軽量化は欠かせないが、ここでは数種のファイバーを混入したマルチファイバーペーパーコーンを採用している。軽量化とともに高剛性化を実現した設計である。

トゥイーターは25mmのドーム型で、ウーファー部の中央に同軸設置されている。ウーファーは独自の精密成型によるテクノウェーブガイドによるエクスポネンシャルホーンを形成し、これによって正確な球面波を作り出す仕組みである。同軸ユニットは定位に優れる反面過渡特性に問題を生じることもあるが、テクノウェーブガイドはそれに対してタンノイが出した回答といっていい。これによりトゥイーターとウーファーの干渉が抑えられ、滑らかなレスポンスを得ることができる。

ワイドレンジを狙った音調ではないが、かといって必ずしも古典的なレスポンスでもない。意外にソリッドな一面があり、軽く手触りのいいだけの感触とは一歩離れた印象だ。中・低域の引き締まった出方やシャープな高域など、骨格の強さを感じさせる。ただアンプに関していえばやはり管球式とのマッチングはよさそうで、上下が無理なく収まって穏当な音調になる。できれば温和な音調のアンプで鳴らしたいところで、ボーイソプラノは高域がもうひとつ伸びてほしいが、鋭さを嫌う人には逆に安心感を与えるだろう。ジャズではベースサウンドなど適度に弾力が乗って厚手の質感を示す。ボーカルの領域といってよく、コットン織のようなざっくりとした手触りと濡れるようなニュアンスが味わえる。(井上千岳)