CDやラジオ番組をHDDに録音して、ジュークボックスのように楽しめるNETJUKEシリーズ。その単体コンポモデルNAC-HD1が登場。NETJUKEシリーズにはMD搭載機もあるが、本機はMD機能などを廃する代りに、高音質化に必要なパーツ類を強化。電源部はHiFiオーディオ用の電源トランスを搭載し、スイッチングノイズの発生を抑えた。その他、DA変換回路には64レベルデルタシグマモジュレーター搭載の24ビット・192kHzサンプリングD/Aコンバーターを採用し、再生時の歪みを抑えた。

操作は、本体の中央にある4.3型のワイド液晶を使い、「ファンクション」というメニュー画面に沿って行なえば迷わず使える。HDDへの対応録音形式についてはスペック欄を参照していただきたい。今回はCDをリニアPCM、MP3(128Kbps)方式でHDDに保存し試聴した。64分5秒収録アルバムのCDからHDDへの転送は約4分36秒であった。最大16倍速での転送が可能だが、盤面にキズがあるCDの読み込みはこれよりも遅くなる。

MP3での再生は、リニアPCMに比べると管楽器の高音部の再現性に陰りを感じるが、全体としては原音に近く、ギターの弦の動きが目に浮かぶような繊細な音色を奏でた。リニアPCM、MP3ともに素直な音であった。この結果は本体だけではなく、高音質のアンプ、スピーカーによるところも大きいと感じた。好みや予算に応じて、セットアップできること。これこそHDDオーディオNAC-HD1の魅力といえる。

（鈴木桂水／「AVレビュー（2007年7月号）」より転載）