UX-1Piは、ユニバーサルプレーヤーUX-1の最新バージョンである。なお、UX-1、UX-1Limitedのユーザーは本機と同等の内容・機能へのバージョンアップ・サービスが受けられる。UX-1Limitedからの変更点は、第一に、フラグシップ機P-03と同じVRDS-NEOメカニズムの搭載。スピンドル軸受け部に新開発のセラミック・ボールベアリングを採用し、低速から高速まで回転制御の精度が上がった。トレイ収納時にシャッターが閉じると、吸い付くようにロックし機密性を高める構造で、外部音圧と振動の影響を取り除いた。第二に、回路系のキーデバイスを変更。ビデオDACにアナログデバイスの14bit/216MHzのADV7324を、スケーラーにアンカーベイテクノロジーのABT1018を、I/PコンバーターにジェネシスのFLI2310という陣容。第三に、HDMI Ver1.3を採用し、1080p出力が可能となった。ただし、SACD音声の出力はできない。

本機が、ユニバーサルプレーヤーの中で、音質の素晴らしさにおいて飛びぬけた存在であることを試聴して感じた。アンナ・ネトレプコの「ヴィオレッタ」はソプラノの実在感はもちろん、舞台コーラスの人数までがわかる分解能に唖然とする。『ドリームガールズ』（DVD）のドルビー・デジタル音声は、ボーカルを歪なく限界一杯まで表現し、バックバンドのサウンドも分解して聴かせる。5.1chのつながりが良いのも印象的で、ダイナミックレンジな音場は力強い。（大橋伸太郎/「AVレビュー」2007年8月号より転載）