製品情報
DENON
AVC-2808
¥160,000(税抜)
次世代サラウンドフォーマットのデコードにも対応したAVアンプ
ビジュアルグランプリ2008 SUMMER ≪AVアンプ(中級タイプ/15万円以上50万円未満)部門≫受賞モデル
ビジュアルグランプリ2008 ≪AVアンプ(中級タイプ/15万円以上50万円未満)部門≫受賞モデル
ビジュアルグランプリ2008 ≪AVアンプ(普及タイプ/15万円未満)部門≫受賞モデル
【SPEC】●定格出力:110W×7ch(8Ω) ●実用最大出力:160W×7ch(6Ω) ●オーディオ入力:ステレオRCA×10、8ch外部入力×1、光デジタル×4、同軸デジタル×3 ●オーディオ出力:7.1chプリアウト×1、レックアウト×2、光デジタル出力×2 ●映像入力:HDMI×2、D5×2、コンポーネント色差×1、ビデオ×7、Sビデオ×7 ●映像出力:HDMI×1、D5×1、コンポーネント色差×1、ビデオ×3、Sビデオ×3 ●その他端子:ドックコントロール端子×1、RS232C×1、トリガー出力×2 ●外形寸法:434W×171H×420Dmm
※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。
上位機AVC-3808に引けを取らない高音質を備えるハイCP機
デノンの新AVアンプラインナップの中でロスレス音声のデコードに対応するエントリー機という位置付け。現実的な価格帯でのHDオーディオ対応アンプということで注目している方も多いだろう。
基本的な仕様はひとつ上のACV-3808と共通するところが多い。高音質サラウンド再生回路は「D.D.S.C "HD"」へと強化されている。改良点は、全チャンネル同一クオリティでディスクリート化、クロックデザインの最適化によるジッター低減、高性能DSPおよびDACの採用などだ。また全チャンネルに同社独自のアナログ波形再生技術「AL24 Processing Plus」による処理が行われ、量子化歪みの低減や低レベル音楽信号の再生能力拡大が実現される。
216MHz/12bitのVideo DAC、I/P&スケーラーなど、映像処理周りもAVC-3808とほぼ同様の仕様のようだ。
アンプ部は信号経路を最短化した「ミニマムシグナルパスサーキット」を採用。パーツの配置や取り付けにおいて様々な対策を講じた「ダイレクトメカニカルグランド」、各回路ごとに独立トランスを用意するなど贅沢な仕様の電源部「High Current Power Supply」など、アンプとしての基礎的な部分も根本から強化されている。
自動音質補正は「Audyssey multEQ XT」を搭載。AVC-3808はここを含めてオンスクリーン・インターフェースが日本語化されているが、AVC-2808では英語表記となっている。
他にAVC-3808との相違点は、アンプ出力数が低い、ネットワーク・USB機能は非搭載、HDMI端子数が入力2・出力1に削減されているといったところ。この程度の差ならそれほど問題ではないと判断する方も少なくないだろう。
BD『Legend of Jazz』からジェーン・モンハイト参加トラックを試聴。男声の優しさ、女声の肉感とボーカルの感触の違いもしっかり描き分ける。ベースラインは太らせず適当な大きさと重み。ギターソロの音色の太さと粒立ちも良好で、フレーズは瑞々しく転がる。
続いてBDの『イノセンス』。場面の雰囲気を支配する通奏低音は少し薄いが、その上に展開される音場の描写は明瞭で実在感がある。電子音の耳に痛い成分が少し丸くなった点は気になったが、これはこれで聴きやすい。全体的な質感については、さっぱりでもこってりでもなく「しっとり」と表現するのがよいだろう。
強いて言えばAVC-3808の方が中低域に余裕があり台詞の厚みなどにもわずかに差を感じた。しかし音の方向性は共通。ネットワークなどの付加機能が不要であれば、本機のコストパフォーマンスの高さは魅力的だろう。
(text:高橋敦)