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KDL-40X5000

SONY
KDL-40X5000 (BRAVIA)

¥OPEN(予想実売価格360,000円前後)

発売:2007年9月20日
SonyStyleで購入

倍速フルHDパネルを搭載した液晶“BRAVIA”Xシリーズ

ビジュアルグランプリ2008 ≪金賞≫受賞モデル

ビジュアルグランプリ2008 ≪液晶テレビ(40〜42V型/フルHDタイプ)部門≫受賞モデル

【SPEC】●画面サイズ:40V型 ●パネル解像度:1920×1080 ●輝度:500cd/m2 ●視野角:上下左右178度 ●コントラスト比:2,200対1 ●受信チャンネル:地上・BS・110度CSデジタル、地上アナログ ●入出力端子:HDMI入力×3、D5入力×2、S2映像×1、コンポジット映像×3、デジタル放送/ビデオ出力端子×1、D-Sub15ピン入力×1、光デジタル音声出力×1、USB×1、LAN×1、 ほか ●消費電力:240W ●外形寸法:1111W×717H×322Dmm(スタンド含む) ●質量:32.0kg(スタンド含む)

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

本機は、X5000シリーズの中で最小サイズのモデル。パネルはもちろんフルHDのS-LCD製である。10ビットドライブパネルになり階調表現力が増したのが特徴で、高画質を作り出すブラビアエンジンプロの威力がさらに発揮される。J5000シリーズ(画素数1366×768)で新たに加わった機能「モーションフロー」がフルHDのX5000シリーズでも対応。毎秒120コマで映像を映し出すとともに、撮影時に生じた動画ボケを検知し補正するIBリダクション機能を備える。そして、フィルムソースの24コマを独自の処理でオリジナルのコマの間に新たに4コマ分の映像を作り出すMC機能などにより、2-3プルダウンのカクカクした動きではなく残像感の少ないなめらかな映像を実現。さらに、フィルムソースと同じ24コマで再現し映画独特の味わいを楽しめる「24p True Cinema」も搭載。ソニー独自の映像処理に意欲を感じる。

画質は全体的に大変良好であった。視聴は新設の「シネマ」(映画鑑賞用の専用モード)と、「スタンダードモード」でおこなった。「シネマ」は、くっきりとした画質はソニーらしさを感じるが、そこに質感が加わっているのが新しく、きれいに見えつつ色鮮やかというテレビ的な画質を上手に料理している。ここまでよく画質を練り上げたという印象。なお、エッジが強調されているものの、細いため嫌味にならない。また、パネルの良さも感じる。VAタイプのS-LCD製は黒浮きが少なめでかつ視野角も広めなのだ。フィルムソースへの適合はジャダー少なく良好。モーションフローにMC機能を盛り込んだ効果だろうか、放送ソースの視聴ではわずかに液晶の質感がやや薄めに感じられた。全体的に鮮やかでハイコントラストな液晶テレビといえる。

同一メーカー同士の組み合わせだけにPS3との相性は抜群だ。BDソースもDVDソースもほぼ満足できる出来映え。質感表現力、ノイズ感も好ましい。色温度も良好で不満が少ない。PS3の引き出す豊富な情報量がよく発揮されており、ソースが備える内容がよく見えてくる。ただし、ビデオソースだけが1つの難点かも知れない。スタンダードモードはリビング向けの画づくり。やや黒が潰れ、エッジ強調も強めで、NRもかなりきつめに入っている。もう少し穏やかにさせたいところだが、明るい照明下ではこの程度が好ましいだろう。DVDソースはスケーラー処理が十分な効果を発揮し、きれいに見せる。ハイビジョンソースのように見える。画面サイズからBDやHD DVDでなくても十分と思わせる良質な画質である。黒浮きの少なさがベースになっていることの効果が大きいのだろう、立体感の表現力もかなり高い。

PS3とLX80を比較すると、特にBDフィルムソースを視聴した時にPS3のあとではLX80との組み合わせは少々物足りなく感じる。その最大の理由は情報量にあると考えられる。LX80は、あるところで帯域を制限してしまっているという印象を受ける。こうすることでノイズになりやすい細かな情報を出さないようにしているのだ。それが良質なテレビと組み合わせると分かってしまうから驚きである。プラズマではノイズに埋もれやすいため、ここまで分からない。BDのフィルムソースはそれでも質感描写力を発揮する。こってりした質感は映画的な画質で、色合いも個性的。ビデオソースはダイナミックに振るため、意外とプレーヤー差が分かりにくいため、色合い、色の濃さで多少異なる程度である。DVDもPS3との差はそれ程ない。ややソフトな画質傾向になる程度であった。

(村瀬孝矢/「AVレビュー(2007年11月号)」より転載)