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LT-37LC205

VICTOR
LT-37LC205 (EXE)

¥OPEN(予想実売価格260,000円前後)

発売:2007年10月中旬
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倍速パネル搭載の液晶“EXE”スタンダードHDモデル

ビジュアルグランプリ2008 ≪液晶テレビ(37V型以上/HDタイプ)部門≫受賞モデル

【SPEC】●画面サイズ:37V型 ●表示画素数:1366×768ドット ●受信チャンネル:VHF、UHF、CATV、地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタル ●入出力端子:HDMI×3、D4入力×1、コンポーネント入力×1、ビデオ入力×3、LAN端子×1、光デジタル音声出力×1 ほか ●消費電力:187W ●外形寸法:919W×652H×312Dmm(スタンド含む) ●質量:22.9kg(スタンド含む)

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

フルHD倍速ドライバー搭載 残像低減を図ったハイビジョン機

本機は、今夏に発売となったフルHDモデルLH805の下位機で、120Hz倍速ドライブを採用したワイドXGA(1366×768)の32V型液晶テレビ。動画ボケ対策としてワイドXGAタイプで初めて120Hz倍速ドライブを採用。120Hz倍速の先駆者である同社だけに、今回も率先して搭載に踏み切ってきた。映像エンジンは「倍速GENESSA」。CPUの処理能力を飛躍的に向上させ、画像の特徴検出精度をアップ。また、シーン連動バックライト制御を行い、暗部の黒を引き締めながら最適なコントラストで立体感ある映像を再現。

パネルはVA型、パネルの特徴は正面コントラストが非常に優れるものの、逆にそれが視野角の狭さになる。仕様面はHDMI端子も3つ用意するなどリビング用テレビとしての機能に不足感はない。

画質全体の印象は少し黒浮きが残る中での画づくり。BDフィルムソースではジャダーが目立ち気味。放送ソース受信時の画質はやや甘い傾向で、NRが強めに掛かるようだ。それは情報量を追求するよりS/Nの良さを求めたからだろう。フルHDではないハンディは放送ソースではあまり感じることはなく、十分にハイビジョンの雰囲気を再現する能力を備える。

リビングテレビ用として画づくりした印象が強く、少しマニアックに振ったシアターウォームモードも明るめで、ダイナミック傾向にまとまるのが特徴だ。これはある程度、明るい照明下での視聴を想定したもの。もう少し色を乗せ、こってり感のある画づくりにしても良かったかも知れない。音の良さは上位モデルを引き継ぐ秀作品である。Maxx Audioを採用し、ワンランク上の高音質再生を行う。薄型テレビの弱点である「音」を見事にカバーしている。

PS3との組み合わせは非常に良好。BDフィルムソースでは情報量も放送ソースよりも多く表現することを実感。ソフトフォーカスな画づくりは継承し、十分な情報量があるとはいえないものの質感を損ねるほどではない。全体に少し派手なまとめ方。ダイナミック傾向なので黒、白側でつぶれが見えあっさりした感じになる。それでいて中間輝度当たりを持ち上げた画づくりなのでノイズが少し浮く感じでもある。DVDフィルムソースはよりコントラストが強まり黒つぶれや白トビが多く見られるようになる。PS3の高い能力によるところだろう。テレビ的な画作りはリビング用としては納得できるがシアター向けにはもう少し落ち着かせたかった。ハイビジョンソースをリアルに表示するわけではないが、このサイズであればフルHD画素でなくても十分楽しめる。

LX80とは全体的に相性が良かった。BDのフィルムソースはPS3の時よりノイズ感が収まり、非常に見やすい傾向になる。あっさりと限界の情報量を引き出さず、S/N重視に振るLX80の画づくりが効果を発揮したようだ。画質はPS3の時と少し変化を見せ、さらに明るくダイナミックな画質になる。エッジ処理も変わり、やや太めな強調感が加わり、質感という面からはあまり好ましくない。それでも色は浅めにならずどちらかというとこってりさせた色合いで、色の濃さで粘っこさが出てくる。もう少しハイライト側で色がついてくればもっと好ましい感じになると思えた。DVDのフィルムソースもS/Nが良いものの、映画質感の表現性ではやや物足りなさが残る。あと少しハイライト側を穏やかにさせてくれればもっと良くなりそうだ。

(text:村瀬孝也)